beachboss114さんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

5.0

ブリティッシュ“忖度”コメディ。古今東西、死体を囲んで右往左往する設定って、ハズレがないような気がする。

パッと思いつくだけでも「ハリーの災難」「パーマーの危機脱出」「ウェイクアップ・ネッド」「社葬
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ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

5.0

軽妙なケイパーものに重厚な社会派メッセージを忍ばせた傑作。それでいて、ほとんど重さを感じさせない辺りがソダーバーグのセンスの良さ。

例によって、必要以上には説明してくれないのが彼のスタイル。かなりの
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十七人の忍者(1963年製作の映画)

5.0

観る前は「17人って(笑)。そんな中途半端な数字、どこから引っ張り出してきたんだ? そもそもどうやって描き分けするんだよ」と小バカにしていたが、主眼はそこじゃないのよ。

個々にそれなりの見せ場と役
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刺さった男(2011年製作の映画)

5.0

何だ、この監督、真面目な話も撮れるんじゃん。つーか、何をちゃんとした映画撮ってんだよ。柄にもなく「イイ話」撮ってんじゃねーよ。魂、売ったか?

こんな絶妙な邦題だから、てっきりダウンタウンの「ごっつえ
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みんなのしあわせ(2000年製作の映画)

5.0

強欲ブラックコメディの快作。

喩えて言うなら「出口を片っ端から塞いで追い込んでいく脚本」。大金を手にしたはいいが、強欲な隣人たちがタッグを組んで立ちはだかることで、安アパートが脱出不可能なダンジョン
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シーラ号の謎(1973年製作の映画)

5.0

クリスティ的なフーダニットものの王道にして「いわくつきキャラ勢揃い系ミステリー」の佳作。

序盤は船上ゲームの「持って回った仕掛け」にイラッとさせられるけど、謎解きのゴールが巧みにすり替えられる展開や
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サイレント・パートナー(1978年製作の映画)

5.0

コン・ゲーム的な「出し抜く快感」が楽しめる佳作。70年代にはこういうクライム・サスペンスの小品や快作がそこここに埋もれているからタマラナイ。

銀行の警備や管理体制がザルなのはご愛敬。カタいこと言わな
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その男を逃すな(1951年製作の映画)

4.0

フィルム・ノワールにカテゴライズされているせいで、しまりのないB級サスペンスに感じられるが、「愛を知らない男が猜疑心で自滅する文芸佳作」と捉えれば、そんなに退屈はしない。

犯人はマザコンの抜け作で、
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監視者たち(2013年製作の映画)

5.0

冒頭の「合格通知」の演出が粋で、たちまち引き込まれた。

監視・尾行シーンは「フレンチ・コネクション」や「ボーン」シリーズを彷彿させる緊張感で見応えあり。

悪役・端役に至るまで、登場人物それぞれが生
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キラー・メイズ(2017年製作の映画)

4.0

段ボールを始めとするアート・ワークが最高! 創意工夫の神様が降りてきた感じ(実寸大の段ボール城が圧巻だった片岡愛之助の「築城せよ!」を彷彿させる)。

ストーリーは途中から観念的になってきてイラッと
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ミッドナイト・ランナー(2017年製作の映画)

5.0

こういう話、大好き。アツくてバカで爽やかで。ギャグのセンスも冴えてるし。

ただ難を言えば、設定を一夜にまとめきれなかったことで、途中から失速。間延びした上に物語に綻びが出たのが惜しかった。

とはい
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マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾(2002年製作の映画)

4.0

カオスを演出させたら右に出る者がいない監督。しかも、今回はマカロニですから。雑な展開も、ノリと勢い優先で許せちゃう。

寂れた西部劇のテーマパークがリアルな戦場と化す、という設定だけでOK。細かい綻び
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.0

「ライトスタッフ」「ファースト・マン」と併せて見れば面白さ倍増。

「ケビン・コスナーのキャラ設定がウソくさくて、スパイク・リーが一番嫌がるタイプ」だとか、「キルスティン・ダンスト、ようやくあの辛気臭
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テッド 2(2015年製作の映画)

5.0

前作の「設定の斬新さ」という高いハードルを、「ギャグの応酬」という力業でクリア。何度見ても笑えるのはこちらの方。テーマ性も意外と深い。

オープニングの群舞からしてカネかかってるし、映画・サブカルファ
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テッド(2012年製作の映画)

5.0

こういうコメディは完成度がどうこうじゃなくて、好みの問題。好きか嫌いか。私は大好き。

ストーリーなんてどうでもよくて、設定の斬新さに尽きる。サブカル・ネタと下ネタのセンスも。

個人的には、着メロの
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0

エボニー&アイボリーの白い方を、ワスプではなくユダヤ人にした点がミソ。差別意識とないまぜの「お互いに見下される側」という共感が奇妙な連帯感に繋がっていて、それが物語の推進力となっている。

よくある
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

5.0

ドキュメンタリーとしてはギリギリの加工が賛否の割れるところかもしれないが、無名兵士や裏方のみにクローズアップし、ヒロイズムを排除した点を評価。

そういう意味では、劇映画では扱われない戦争の「地味な部
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パペット 大騒査線 追憶の紫影(2018年製作の映画)

4.0

スジャータ撒き散らすのはドン引き。とはいえ、あそこまでしつこくやられると、さすがに最後は笑うてしもたけど。

「氷の微笑」ネタは秀逸。下品だけど。そもそも引用元からして下品だからしょうがない。なるほど
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

シビれる程のビジュアル・センス。もう、てんかん発作を起こしそうになったわ(実際、チカチカしすぎてたし)。

その陰で、冴えたギャグを連発していた脚本のフィル・ロード。この人のフィルモグラフィーにハズレ
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フリークス・シティ(2015年製作の映画)

4.0

のっけからカオスが笑えるバカ映画。でも、意外と奥が深いし、伏線回収も気持ちいい。

ヴァンパイアと人間とゾンビが日常生活で共存している世界、ってだけで話は十分もつはずなんだけど、そこにエイリアンの襲来
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

5.0

面白い! 何より、くだらなさに徹している点がいい。

実在のゼネコンが舞台でかつ全面協力なだけに、本来ならセットやレンタル重機でカネがかかるはずの工事現場シーンで画面にスペクタキュラーな華が出て、かな
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テキサスの五人の仲間(1965年製作の映画)

5.0

この手のドンデン返し映画はレビューしづらいんだよね。「めっちゃオモロイ」「絶対に騙される」、それ以上聞かれたら「エエから見てみ」としか言いようがない。

原題の “Big hand” には「良い(強い
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寒い国から帰ったスパイ(1965年製作の映画)

4.0

スパイものには「アクション系」と「地味系」と「お色気系」と「アホ系」がありましてな。言い換えれば「ドンパチ」か「サスペンス」か「エロ」か「クルクルパー」。

高い所にぶらさがったりケツ蹴ったりケツ触っ
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彼女は二挺拳銃(1950年製作の映画)

4.0

「キャット・バルー」をはじめ、おてんば娘が活躍する西部劇にハズレなし。本作はさらに機関車がもう一人のヒロイン扱いってところも楽しい。

期日内に鉄道を開通させるため、機関車を線路のない道で転がし、果て
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三人の狙撃者(1954年製作の映画)

4.0

この時代のサスペンスやフィルム・ノワールは、コンパクトで無駄がなく、テンポが早い割には展開が目まぐるしく凝縮されているから、気持ち良く楽しめる。

若干、銃規制に対する政治的スタンスが前面に出るのが引
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

5.0

厳しくて理不尽な現実社会を生きていく上でのバイブルであり、座右の映画。

決してハッピーな気分になれる作品ではないけれど、つらい時や上手くいかない時にこそ見るべき映画であり、間違いなく勇気づけられるこ
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

5.0

飲食店の水準としては “I’m hatin’ it.” で、企業理念は “disgustin’ all of them.” な会社の話だけど、映画としては “I’m lovin’ it.”。

創業者
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NTLive『フリーバッグ』(2019年製作の映画)

4.0

先にこっち(舞台版)観とくべきだったと後悔。

ドラマ版を先に観ちゃってるせいで、笑いのサプライズが半減。でも、それは作品のせいではなく、観る側の落ち度というか、単に出会いが不幸だっただけ。

あと、
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

4.0

端的に言えば、いい映画なんだけど薄味。

作者の謎と、モデルの謎と、無記名の謎。この3つの謎解きのプロセスがあまりにあっけなく、答えに新味もないせいで盛り上がらない。

頑固親父の不器用な生き様や微妙
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

5.0

♪パンデミックが止まらない(PーCーR)状況の中、「アウトブレイク」「コンテイジョン」という感染系パニック映画の代表作を観直してきたが、ここまでくると、もはや現実逃避と笑いによる免疫機能の強化に頼る他>>続きを読む

アウトブレイク(1995年製作の映画)

5.0

パンデミックものの代表作。ここんとこの情勢に絡んで、久々に鑑賞。

公開当時の衝撃は薄れてしまったものの、やはり王道の娯楽大作としてよくできていた。

感染源の特定から捕獲、血清の製造に至るまでの展開
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

5.0

こんな情勢だからこそ、外出控えてホームシアター、パンデミック二本立て。「アウトブレイク」&「コンテイジョン」。

片や「手に汗握る王道エンタメ」、片や「背筋が凍る社会派サスペンス」。典型的なハリウッド
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

冴えた演出が随所にあるにもかかわらず、韓国映画にありがちな「実話ベースと錯覚させる歴史捏造術」と「一方的な被害者意識」が素直な感動の邪魔をする。

「イデオロギーくそくらえ」なんてメッセージを打ち出し
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エスケープ・ルーム(2019年製作の映画)

4.0

他人が楽しそうにやってるゲームを横から覗きこんでいる程度の面白さ。

誰ひとりとして感情移入できないから、所詮は他人事。ゲームにのめりこめない。

舞台装置は手がこんでいて楽しめる。でも、キャラに入り
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トリプルX:再起動(2017年製作の映画)

4.0

前作に比べると新鮮味は失せたものの、チャンネー陣が質量ともに遥かにグレードアップして眼福の極み(個人的に一押しは「ミッション・インポ/ローグ・ネイション」の冒頭で殺されてたレコード屋のお姉さん)。>>続きを読む

トリプルX(2002年製作の映画)

4.0

ひっさびさに見たら、おもちろかったわ。この20年、やってることが変わんないのが素敵。

公開当時は「何だ、このダイ・ハードなハゲのパチもんは?」ぐらいの印象しかなくて、勝手にブルース・ウイルス(ウィリ
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