ボブおじさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ボブおじさん

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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.9

上映時間、わずか73分の心温まるファンタジー、原題は〝小さなママ〟。

大好きな祖母を亡くした8歳の少女ネリーが、時空を超えて自分と同い年の少女である母親と森で出会い、友達として交流するというお伽噺。
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.7

フィンランドの異才アキ・カウリスマキによる〝敗者3部作〟の最終章。 「浮き雲」でリストラされた夫婦、「過去のない男」では、暴漢に襲われ記憶を失った男を描いのに続き、今度の主人公もなかなかに悲惨な目に遭>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

列車で夜のヘルシンキに着いた男は、公園で暴漢に襲われる。一命はとりとめたが金も身分も過去の記憶も全て失う。

金なし、家なし、記憶なし。最悪の状況の中、彼は港湾の貧しい一家に助けられる。コンテナハウス
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

この映画の良さを言葉で説明するのは難しい。フィンランドの映画作家アキ・カウリスマキ監督による〝敗者三部作〟の第1作。相変わらずの無愛想な作風ではあるが、そこが何ともクセになる😊

ヘルシンキで電車の運
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.6

光り輝いていた過去を捨て、携帯電話すら持たずに山奥で鼻の効く1匹のブタと共に孤独に暮らすトリュフハンターのロブ(ニコラス・ケイジ)。

終始霞みがかった映像のように、ロブの心が晴れ渡ることはない。ある
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

3.8

無機質な鉄の塊が、まるで意志を持っているかのように暴走する。行手を阻もうとするものは全て無慈悲に蹴散らされる。これは冴えない日常を送る2人の男による、〝怪物〟退治の映画だ。

劇場公開時に、この映画を
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マジェスティック(2001年製作の映画)

4.1

「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」とスティーヴン・キング原作の作品をいずれも高いクオリティーで映画化したフランク・ダラボン監督が、戦後ハリウッドの〝赤狩り〟の時代を背景に、映画を愛するひとりの>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.2

この映画を観るとレオナルド・ディカプリオという俳優が、単なるアイドルでもイケメンでも、ましてや「タイタニック」で売れた俳優でもないことが良くわかる。

上映時19歳だったディカプリオは、ハンディキャッ
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ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

3.8

人生最後の8分間、あなただったら何をする?

〝脳には死の直前の8分間の活動が記録されており、死後もしばらくの間は、神経回路が活動している〟

先ずはこの設定を受け入れることで、あなたはこの列車に乗る
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.9

ブラッド・ピットが奇妙な一人二役を演じる不思議な世界のラブストーリー。奇妙というのは、ブラピが演じるのが1人は快活な若者なのだが、もう1人がその若者の体に宿る死神だからだ😅

もともとの若者は、映画の
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レベッカ(2020年製作の映画)

3.7

この映画に限らず名作映画のリメイクは、常にその名作と比較されてしまう為、設定ハードルが高くなり不評に陥りやすい。案の定、この作品も厳しめの評価が目立つ。

もっともオリジナルのヒッチコック版とて、ダフ
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

「レベッカ」美しく・賢く・魅力的。
育ちと知性と美貌という良妻の条件を全て兼ね備える一方、愛も優しさもないミステリアスな女。だが、その姿を我々は最後まで見ることが出来ない。

姿なき亡霊に怯えるヒロイ
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.8

キャッシュトラックでもガイ・リッチー監督とコンビを組んだジェイソン・ステイサムが、型破りな最強スパイ、オーソン・フォーチュンに扮して、世界を股にかけて活躍する痛快アクション。

立ってるだけで体幹の強
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.1

冒頭カメラは上空からの俯瞰したショットで、雪崩で行く手を塞がれた列車を撮らえる。ホームでは豆粒のように映る数人の乗客か駅員が話し込んでいる。やがてカメラは地上に向かいゆっくりと降り、駅舎をかすめて民家>>続きを読む

ロープ(1948年製作の映画)

3.8

〝殺人〟は人を悲しませ、〝映画〟は人を喜ばす。当たり前のことだが、この映画を再鑑賞してそんなことを考えた。

アルフレッド・ヒッチコック監督が、アメリカで実際に起きた「レオポルドとローブ事件」をもとに
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

本作を万全の体制で観るために、前2作を事前に再鑑賞して臨む(エライ!😊)

デンゼル・ワシントンが〝EQUALIZER=均等装置〟となり、警察や法が裁けない悪党に、彼流の〝落とし前〟をつける人気アクシ
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オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

3.9

〝ミステリーの女王〟アガサ・クリスティの名作を「十二人の怒れる男」で名を馳せたシドニー・ルメットが映画化した密室ミステリーの大作。社会派の巨匠ルメットがミステリー映画でも、その手腕を発揮した。

雪に
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.8

〝リストに指定されたターゲットを殺す。やってることは、以前と変わらない。依頼主が変わっただけだ〟言っている事はある意味、間違っていない。変わったのは依頼主の目的と報酬額だ。

その行為(暗殺)が正しい
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.9

歴史は勝者によって書き記されてきた。どの戦争でも勝利側に戦争犯罪者がいたことはない。馬鹿げたことに、戦争犯罪者はいつも敗者の側にいる😅

「あなたを抱きしめる日まで」「クィーン」のスティーヴン・フリア
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イコライザー(2014年製作の映画)

4.0

デンゼル・ワシントンが、アカデミー主演男優賞を受賞した「トレーニング デイ」のアントワン・フークワ監督と同作以来13年ぶりに再タッグを組んだアクションサスペンス。共演に人気女優クロエ・グレース・モレッ>>続きを読む

長屋紳士録(1947年製作の映画)

-

焼け野原で迷った孤児を、文句を言いつつも引き取って面倒を見てやる長屋の人々の1週間の悲喜交々を描く。

終戦後捕虜収容所の生活を経験しシンガポールから引き揚げてきた小津安二郎監督の戦後復帰の第1作目。
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ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

3.9

サスペンス映画の神様と呼ばれ、映画史に多大な影響を与えた巨匠アルフレッド・ヒッチコック。監督デビューから100年、今もなお映画を愛する人たちを魅了し続けている。もちろん私もその一人です😊

この作品は
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.9

大阪を舞台に特殊詐欺をなりわいにする異父姉弟が、悪のはびこる世界であぶない橋をギリギリのバランスで渡り歩く。

闘う男たちの世界を撮り続けてきた原田眞人監督が、原作では男だった主人公を敢えて女性に変更
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.8

戦地を渡り歩いた通信社の元カメラマンが、翻訳の仕事に身を隠しながら、一匹の野獣となって、管理社会の安穏とした生活に犯罪で挑む姿を描く。「蘇える金狼」(1979年)に続く、松田優作主演、大藪春彦原作、村>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.8

「きのう 何食べた?」なのに食わず嫌いでした😅

主演の西島秀俊と内野聖陽は共に好きな役者なのだが、中年男性2人のカップルと聞いて、自分の好みではないと決めつけていた。地上波放送を録画して見てみたら、
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.4

フランク・ダラボンがスティーヴン・キングの短編小説「刑務所のリタ・ヘイワース」を映画化し監督デビューを果たした作品。

94年度のアカデミー賞では作品賞を含む7部門でノミネートされたものの無冠に終わっ
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.1

コメディとしては笑いの質・量共に不足。家族の物語としても、今ひとつ盛り上がりに欠けた。

まず脚本が圧倒的に弱い。原作があるわけではなく、監督のオリジナル脚本だそうだが、映画にするほどの内容ではなく、
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セイント・オブ・セカンドチャンス ベック家の流儀(2023年製作の映画)

3.8

この映画は野球に情熱を捧げたある家族(父と息子そして父と娘)の物語である。

同時にこの映画の語り手であり、タイトルでもある「セカンドチャンスの聖人」球団の2代目オーナー、マイク・ベックの人生における
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.2

監督は「エイリアン」「ブレードランナー」のリドリー・スコット。主演は「危険な情事」「ウォール街」のマイケル・ダグラス。そして共演は日本を代表する俳優の高倉健。

その他、「アンタッチャブル」のアンディ
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ドラキュラ(1992年製作の映画)

3.6

映画「ドラキュラ」って見たことある?
これほどザックリとした質問もないだろう。

何故なら一説によると「ドラキュラ」を描いた映画は、優に100本を超えているらしい😅

自分も「ヴァン・ヘルシング」など
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.2

劇場公開作品が動画配信される間隔が以前より早まってきている今日において、映画を劇場で観る優先順位に頭を悩ます方も多いのでは?

もちろん映画は、劇場で観た方がいいに決まっているのだが、限られた時間と予
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ナイルの宝石(1985年製作の映画)

3.4

「ロマンシング・ストーン」の大ヒットを受け、翌年に作られた続編だが、前作の監督ロバート・ゼメキスは作曲のアラン・シルヴェストリと共に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の製作に取りかかり、脚本家のダイア>>続きを読む

ロマンシング・ストーン/秘宝の谷(1984年製作の映画)

3.7

「カッコーの巣の上で」と「チャイナ・シンドローム」でプロデューサーとしての手腕も高く評価された、マイケル・ダグラスが、ハリウッドスターとして広く知られるようになったのが、主演と製作を兼任した本作だった>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦中のスペイン。空想好きの少女が森の中で牧神パンに出会い、パンの迷宮(パンズ・ラビリンズ)へ迷い込む。メキシコ出身の鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が手がけたスペイン産ダーク・ファンタジーの傑>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

4.1

スタントマンに頼らずに、本格アクションをこなす大スターといえば、今ならトム・クルーズを思い浮かべるだろうが、元祖は何と言ってもこの人だろう。〝キング・オブ・クール〟とも呼ばれた不世出の大スター、スティ>>続きを読む

知りすぎていた男(1956年製作の映画)

3.9

ヒッチコックが最も得意とする巻き込まれ型スリラーの傑作。自らの英国時代の最大のヒット作「暗殺者の家」(1934)を戦後、ハリウッドに渡ってから自身の手でリメイク。この題材へのこだわりの強さがうかがえる>>続きを読む