leylaさんの映画レビュー・感想・評価 - 47ページ目

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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.4

ロシアの孤高な芸術家の精神が日本人の私にわかるわけもなく、ただ映像美を楽しめばいいのかなと思います。

本作を機にイタリアに亡命したとのことなので、監督のロシアへの郷愁なのでしょうか。そこに終末観や作
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デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)

3.8

一人の死刑囚に最後まで寄り添った修道女ヘレンの実話を基にした作品。

死刑制度の是非を問う内容となっています。

同じ罪を犯したもう一人の犯人は死刑を免れているのに、ショーン・ペンが演じるマシューは貧
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ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007年製作の映画)

3.9

ひたすら楽しくオバカに、ストーリーは度外視して遊び心あふれるクストリッツァの世界を楽しむスラップスティック・コメディ。

穴を掘るいたずらやピタゴラ装置的な道具など、子供みたいなアイデアがいっぱいで面
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ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人(2008年製作の映画)

3.7

好きなアート作品のみを情熱を持って集めたコレクター、ハーブ&ドロシー夫婦のドキュメンタリー映画。

コレクターといってもお金持ちではなく、庶民のお爺ちゃんとお婆ちゃんです。

その数はおよそ5000点
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

何が真実か、何が本音か、観る側に委ねられる。

西川美和監督の術中にハマったかのように、兄と弟、両方の気持ちに共感し、揺り動かされ、こちらの心まで“ゆれる”作品だった。

家業を継ぎ、親の面倒もみて一
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プリシラ(1994年製作の映画)

3.9

だいぶ前に観て好きだったのに詳細を忘れたので再鑑賞。当時のポスターは真っ青な空をバックにした写真で、そのイメージがピッタリだった。

シドニーのドラァグ・クィーン3人が砂漠の田舎町のショーに出演するた
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ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)

3.7

ジョージ・クルーニーが醸し出すコメディ感と美しいハワイの風景で、最後まで楽しく鑑賞。

とはいえ笑える話じゃありません。
ジョージ・クルーニー演じるマット・キングは弁護士で、ハワイに代々住み広大な土地
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.2

母と息子の「愛」がテーマ。
「マイ・マザー」から5年経って、さらに愛情がストレートに濃くなっている。

愛の深さとピュアさを表現するのに発達障害をモチーフにしたのかとも思う。

ただひたすら母への愛を
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ミッドナイトムービー(2005年製作の映画)

3.5

1970年代、アメリカでムーブメントを巻き起こした深夜上映のミッドナイトムービー。いわゆるカルト映画誕生の実状を探るドキュメンタリー。
監督、配給主、関係者のコメントや当時の映像を交えながら紹介してい
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.7

メタルバンドのドラマーをしているルーベンは、ある朝起きたら聴力を失っていた。
いきなりの事態に絶望し、戸惑い、受け入れ、前に進もうとする物語。

聴力を失うとはどういうことかをリアルに体感できるのがこ
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なまいきチョルベンと水夫さん(1964年製作の映画)

3.6

スウェーデンの避暑地ウミガラス島🏝では、ぽっちゃりで口の悪いチョルベンとすきっ歯でおチビのスティーナ、動物好きのペッレの仲良し3人組とチョルベンの愛犬、水夫さん🐶が今日も仲良く一緒に遊んでいます。
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永遠と一日(1998年製作の映画)

4.8

静謐でいて、深い。最後に得も言われぬ涙が流れました。オールタイムベストです。

死を目前にした詩人アレクサンドレの最後の1日。

アルバニア難民の少年との出会いと惜別、そして自身の人生の悔恨を描いてい
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.2

「音楽は魔法だ。つまらない風景が意味のあるものに変わる。」という台詞にひたすら頷きました。

音楽の力を感じさせてくれる、ただただ気持ちのよい大人の青春ドラマ。

傷心のグレタ(キーラ・ナイトレイ)と
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素敵なウソの恋まじない(2014年製作の映画)

3.6

ダスティン・ホフマンとジュディ・デンチの名優2人によるハートフルなラブコメディ。

ホッピー爺ちゃんは階下に住むオシャレで魅力的なシルバー婆ちゃんに恋💕しちゃうけど、内気でシャイだから告白なんてできな
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.0

18歳までを受け入れる児童養護施設が舞台。
ケアマネージャーのグレイスも子供の頃に心に傷を負った被害者であり、そのことでなかなか彼氏との未来に踏み出せないでいる。

施設で子供たちと寄り添う日々の中で
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東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

4.3

和の様式美、日本人の繊細さが詰まっている!

構図、カメラワーク、背景、照明、効果音へのこだわりがとにかく素晴らしい!1シーンごとに映像美が脳裏に焼き付けられます。舞台仕立ての演出もよかった。

何と
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.8

子供の誘拐事件を父と刑事が執念を持って追う。
ありそうなストーリー展開を宗教を絡めた重厚な演出と映像、俳優陣の演技力で上質なサスペンスに昇華させている。

聖書の中のモチーフが散りばめられていて、かな
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セカンドベスト/父を探す旅(1994年製作の映画)

3.8

父親に愛されたいと願っていながら父と心を通わすことがなかった42歳独身のグラハム(ウィリアム・ハート)。
刑務所にいる父親だけを愛し、父以外には心を開かない10歳の少年ジェームズ。
ある日、グラハムが
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.3

互いをわかり合うことができれば、戦わない道を選ぶこともできるのではないか。最後にそう思うことができたことが救いだった。
戦争のむごさと人間の尊厳をたった4人の台詞と静かな描写で訴える良作。
深すぎて言
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

4.4

ハル・ハートリー監督の長編デビュー作。NYインディーズ映画ならではのオフビート感のある、ゆるっとした恋愛ストーリー。30年以上前の制作だけど古さは感じない。

刑務所から出所した修理工のジョシュに、エ
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白夜のタンゴ(2013年製作の映画)

3.7

フィンランドがタンゴの発祥地だとい言うフィンランド人のカウリスマキ監督。
一方で、俺たちの音楽こそが本物のタンゴだと言うアルゼンチンのミュージシャンたち。

「じゃあ、フィンランドがタンゴの発祥地かど
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パレードへようこそ(2014年製作の映画)

4.2

いいストーリーだった!実話ベースなのでなおさら感動!
同性愛者の活動家たちと炭坑労働者がタッグを組んで社会に立ち向かう、1984〜85年のイギリスの実話を元にした作品。エイズが初めて蔓延した頃なんです
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マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.8

ドラン監督・主演・脚本。処女作なのに、10代でもう自身の表現方法が確立してしまっているなんて、すごい人。

母親との確執を描いたドランの自伝的な作品。
親が何をしても気に入らない時代って誰にでもあるこ
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.5

カルトな恋愛映画という予想を遥かに超えて、死生観や輪廻転生、ホロコーストやベトナム戦争についても感じさせる奥深い作品だった。なのに重くなく、シュールな映像やコメディ要素もあって面白い。

冒頭から70
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.5

クリスマスに見逃したのでお正月に鑑賞。
誰が観てもわかりやすくて心温まる、古き良き時代の傑作。

誰にでも生きている価値はあるんだよ。
人に優しくしている君を天使は見捨てたりしないよ。
そんな本来なら
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横道世之介(2013年製作の映画)

3.8

原作がとてもよくて大好きなので、映画はどうかなと心配だったのですが、レビューが高評価なので新年1作目に選んでみました。原作のイメージからそんなには離れていないのでホッ。

田舎から上京したダサくてお人
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.3

年末ドラン祭り。
はみ出すほどの顔のアップで怒りや葛藤を、廊下の長い引きのシーンで悲しみをなど、まるで人格を持っているかのようなカメラワークとライティングでの心情表現が斬新。カメラが多くを語る分、観て
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

年末ドラン祭り。
グザヴィエ・ドラン監督&主演による同名戯曲の映画化。終始、重くてまったりしています。

田舎の閉塞感が、こんなにも人の心を狂気へと導くのかと恐ろしくなるサイコサスペンス。
ドラン演じ
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.7

年末ドラン祭り。
ダビデ像のようなイケメンのニコラを、ゲイのフランシスとノンケの女子マリーの友人同士で好きになってしまう胸きゅんラブストーリー。
ニコラの魅力にみんながトリコ。本人はそれを知っていなが
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.3

こういう実話ベースの作品はたまりません。
夢とか青春とか親子の絆とか友情とか恩師と生徒の関係とか炭鉱に働く人々の想いとか、ひと言では言えない感動がいっぱい詰まっている。

NASAの技術者ホーマー・ヒ
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世界の果てまでヒャッハー!(2015年製作の映画)

3.7

くっだらね〜!楽しい〜っ!笑える〜!
友人たちと旅先で起こるハチャメチャな珍道中。
おばあちゃんが一番ぶっ飛んでた!
ただ手持ちカメラの映像の揺れで酔ってしまったので、三半規管が弱い方はご注意を。
1
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スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

3.9

アレックス・プロヤス監督による映像美に酔いしれる映画。

登場人物は3人のみ。自作の飛行機に乗ってこの土地を離れたいと願う車椅子に乗る兄と、離れたくない妹、北へ向かう途中に立ち寄った逃亡者の男。兄と男
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ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

3.6

「リトル・ミス・サンシャイン」の監督夫婦が手掛けたラブストーリー。思っている以上にファンタジー色が濃かった。ゾーイ・カザンが脚本でヒロインも演じています。祖父はエリア・カザンなんですね!すごい一家。>>続きを読む

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

4.3

何回目かの鑑賞。オダギリジョーと西島秀俊をWで観られる、自分にとっての眼福映画なのでヨコシマな気持ちが半分。この作品のオダギリジョーは最高に美しく、まだまだ無名でダメな役の西島秀俊も貴重。

作品の内
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.8

ホドロフスキーの未完の作品「DUNE」制作についてを本人と制作者たちの証言を元に描いたドキュメンタリー。完成したら12時間にも及ぶ作品になるし、ホドロフスキー監督だと一般ウケしないだろうからと、オクラ>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.9

何せ100年前の映画なので、画像は悪いし、カメラの位置も正面だけだし、効果音もないし、セリフも思うように入れられない。制約がある中で創っているものなので見づらいのは仕方ないかな。

この時代にこの映画
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