kさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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2/デュオ(1997年製作の映画)

3.9

構成だけをベースにシチュエーションに応じた即興演技を通じて今作は進んでいきます。だからといって、即興演技が良いとか悪いとかはあまり分かりませんでしたが、作品全体に流れる空気感と即興演技とうまく呼応した>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

3.7

浅いような深いような…...。

三時間もの長編、正直疲れました。でも、群像劇だったので割と楽しく見れたと思います。群像劇の面白みは、徐々に登場人物たちの関係が繋がっていくところにあります。今作の場合
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

3.4

マーラーの流麗な音楽に乗せられたベニスの運河や町並みが非常に美しい。衣装や小道具、部屋の内側全てにおいて貴族的美意識の高いつくりで、貴族出身のヴィスコンティならではといった印象。ただ、これがややストー>>続きを読む

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ポスターが良いです。ミケランジェロのピエタをそのまま作中の登場人物に置き換えた秀逸なショット、不気味ながらおしゃれです。

天涯孤独の借金取り立て屋ガンドの元に突然現れた産みの母親。母親としての証拠は
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.5

感想の前に、鑑賞媒体についてお話を。

u-nextで鑑賞したんですが、このコンテンツすごいですね。すでに利用してる方も大勢いるとは思いますが、個人的にprime videoやNetflix、hulu
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.8

25年間の誘拐を経て実の両親のもとに帰ってきたジェームスの心の支えとなっていたのは誘拐した男が見せていた番組「ブリグズビーベア」だった。

良いお話なんですがね、なんか複雑なんですよ。細かく見ればそれ
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ラヂオの時間(1997年製作の映画)

3.5

三谷幸喜初監督作品。生放送の裏側という設定においては「カメラを止めるな」と同じ。三谷幸喜らしくドタバタコメディながらも、シニカルに仕上げ、果ては仕事論にまで発展させた深い作品。

今作は、舞台作品の映
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ソウォン 願い(2013年製作の映画)

3.7

何はともあれ、いい娘ですねぇ。こんな子が育てば子育て成功ですよ。

実際に起こった少女レイプ事件を基にしているんですが、まぁどこまで脚色なんだか。ただ、重いテーマながらしっかりとハートフルに仕上げてい
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鬼が来た!(2000年製作の映画)

3.9

あくまで、日中合作ではなく、中国の映画です。これは見る前、見た後、どちらの方にもお伝えしておきます。

第二次大戦末期の日本軍占領下の中国のとある村での出来事。なぜ中国映画であることを念押しするのかと
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アタラント号(1934年製作の映画)

4.2

ずっと見たかった天才ジャン・ヴィゴの遺作。いやぁ、見てよかった。

冒頭の1カット目に船首の「アタラント号」の文字を映すところからセンスが溢れていて、ラストカットも俯瞰の空撮という非常に稀有な発想を持
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グリード(1924年製作の映画)

3.9

呪われた映画監督、エリッヒ・フォン・シュトロハイム。一切の妥協がない完璧主義者であるがゆえに若くして映画監督の道を絶たれた悲劇の人。今作もそのシュトロハイムのこだわりが詰まった一作です。軽く触れると、>>続きを読む

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.4

あくまで、世界に満ちたテロリズムを描き出したに過ぎない。

ただ、気になるのが、ラスト。こんなに決定的に描いてパルムドールが取れてしまうのか。曖昧にすればいいというわけでもないが、今作の場合は特に、白
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らせん階段(1946年製作の映画)

3.2

障害者ばかりを狙った殺人事件が多発している中で、口の利けない主人公が殺人事件の標的になるお話。

なぜ障害者ばかりなのか。犯人の動機はあらかじめ伏線が張られており、あぁなるほど、とはなるものの、それ以
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(1960年製作の映画)

3.8

タイトルの通り「穴」を掘る映画。

圧巻なのが、コンクリートをひたすら砕いて掘っていく過程をただ長回しで撮っているところ。本当に掘っているっていうのが伝わる骨折り映像です。

「ショーシャンク…」とは
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海外特派員(1940年製作の映画)

3.7

いやぁ、やっぱりヒッチコックは面白いですね。ただのシーンに迫力を持たせる撮り方にはつくづく感心します。今作の場合、結構会話的な遊び心が盛り込まれていて、序盤で登場したキャラクターもコミカルで親しみやす>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.4

ロビイストみたいな影で表舞台を操る存在は大好きです。政治的フィクサー的な。ロビイストではないですが、私の好きな安岡正篤先生みたいな立場でしょうか。

さて今作、政治を裏で操るロビイストが主人公なんです
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.3

まずはイ・チャンドンに拍手👏

私にとってのこれぞ映画! っていうのは今作を指します。それを分からせてくれた今作、これは同級生たちを集めて鑑賞したあとに語らいたいです。

ざっくり言うと、韓国版の「ダ
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

終盤、いろいろ想像してしまって、気持ち悪いの一言に尽きます。

やっぱり、亡き妻に似てると愛してしまうんですかねぇ、わかりません。性描写も本格的なので余計に気持ち悪いですね。

なんかもう自分が過激な
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.8

ヒッチコック好きにはたまらない! とねぎおさんが仰っていたので、ヒッチコックを勉強中の私としては見ない訳にはいきませんでした。

脚本があの「ロング・グッドバイ」のレイモンド・チャンドラーでまずはそこ
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エレファント(2003年製作の映画)

3.6

尺が驚きの81分。今作の評価は、この81分間を楽しめたかではなく、許せるかどうかで別れると思います。僕は許せます。

実際の事件に基づいた作品ながら、大したストーリーは存在しません。81分のほとんどは
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.4

そもそも、ホラー映画における3要素として、音、血、閉鎖空間、があげられる。その中でアイディア勝負と言われるホラー映画において、あえてその音の効果を逆手にとった設定はお見事。無音状態で生まれる緊張感を最>>続きを読む

禅と骨(2016年製作の映画)

3.6

前半部のヘンリの経歴は若干のだるさはあったものの、そこから見える戦前戦時中の日米両国における日系アメリカ人の差別が非常に興味深い。特にヘンリの場合、日本ではスパイ容疑をかけられ、アメリカでは隔離される>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

いやぁひき込まれました。さすがはトム・フォード、といった感じの細部にわたる美しさ。

お話は、エイミー・アダムス演じるスーザンが生きる現在と、ジェイク・ギレンホール演じるスーザンの元夫エドワードとの出
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.3

これは技術がどうとか、監督がどうとか、役者の演技がどうとか言って見る映画じゃないですね。「男はつらいよ」、または寅さんの魅力を堪能する、これに尽きますね。

はっきり言って面白いです。純粋に、エンター
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.5

まさに、一人の大学生の死が国を動かした。

ウディネファーイースト映画祭において、「カメラを止めるな」を抑えて観客賞を受賞した社会派作品。改めて思うのは、2位の「カメラを止めるな」とのポイント差は僅か
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キッスで殺せ!(1955年製作の映画)

3.4

上映後には黒沢清監督のトーク付き。

黒沢監督も仰っていた通りストーリーが複雑。個人的な感覚としては面白かったのは後半から。大抵の謎解きものがそうであるように、謎が徐々に明らかになっていく過程があるか
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殺人者の記憶法:新しい記憶(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

あー、なるほどなるほど。

基本的な本編映像は「殺人者の記憶法」と同じ。ただ、ところどころの構成が違かったり、ひとつのシーンの続きが描かれていたり、といったところ。それでわかるのは、予め撮影段階で別バ
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殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開当時から気になっていた作品、映画館で見ていればよかったと後悔。

アルツハイマーという設定がキーになっていて、前半にテジュが殺人犯だと疑っておきながら、ビョンスの記憶を疑ってしまうという見方、リー
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ヨコハマメリー(2005年製作の映画)

3.8

昨年の10月に、この作品がリバイバル上映されるという時に、たまたまTwitterでポスターを見て以来、ずっと気になっていました。でも、ホラー映画が見れない私にこのビジュアルのメリーさんが怖くて怖くて、>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.8

いやぁ、これが今から60年も前の作品ですか。色褪せてないですね。現代の映画作品でこういうカメラワークの作品ってポピュラーだと思うんです。たぶん当時としても斬新だったろうし、現代においても決して古臭くな>>続きを読む

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.4

しばしば、演技論に話が及ぶと名前があがるブレッソン。彼の作品のほとんどは演技未経験の素人が起用されているかららしい。深田晃司監督も撮影前のワークショップでは役者たちに演技論の勉強として、ブレッソンの「>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

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トリュフォーの本格的短編処女作。短編ながらトリュフォーの作家性が存分に現れた作品。

子供視点で描くことによって、ノスタルジーを演出し、偏に大人と隔絶させてより親近感が湧く。また、サドルの匂いを嗅ぐ時
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花に嵐(2015年製作の映画)

4.1

岩切監督の作品は初見ですが、すでに才能が溢れ出ていますね。僕は今後一番期待したい人物に岩切監督を挙げますね。

ほぼ全編手持ちカメラでの映像で構成されているフェイクドキュメンタリー作品なんですが、例え
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アクト・オブ・キリング オリジナル全長版(2012年製作の映画)

3.7

目には目を、歯には歯を。殺しにおいてはこれが一番の薬だと思います。法で裁いて言い渡された刑期を以て償う司法のあり方にも一理ありますが、やはり被害者の気持ちに立つというのは実際にその状況に置かれなければ>>続きを読む

双子物語(2015年製作の映画)

3.3

自分には双子の姉妹がいた。

韓国で生まれてすぐに養子としてアメリカの家族の迎えられて育てられたサマンサと、同じ境遇でフランスの家族に育てられたアニース。女優として活動するサマンサの動画を偶然アニース
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.5

久しぶりにキャラクターに惚れました。松田優作のハマり役かもしれないです。大好きです。

実を言うと最初は仲代達也版が見たかったんですが、たまたまamazonプライムに無くて、で、これ、と。上述した通り
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