HidekiIshimotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ターミナル(2004年製作の映画)

3.5

この壮大な室内劇はいかにもスピルバーグがやらかしそうなやつ。でっかい空港ロビー内を縦横無尽に動き回るカメラすげーなの記憶だったけど、撮影監督ヤヌス・カミンスキーだった。でなんと全部セットだった。なんち>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.0

冒頭actual event(実際の出来事)の文字。教会の影響力と権力が強大なアメリカで、この映画化は途轍もなく重要な出来事。これを撮ろうとする人がいて、それに資金出す人がいて、それをハルクの人やDr>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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公開して間もないのでスコアも控え、一部のおっさん以外何だかわからないレビューにしてみる。
なんだかZepのO2アリーナでの再結成ライブみたいだった。オープニングのgood times bad time
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社葬(1989年製作の映画)

3.5

このタイトル見たほとんどの人が国葬を思い浮かべるかと思う。観た人の何割かはこの大新聞社内派閥抗争のぐちゃぐちゃを観て、あの国葬の裏でも同じぐちゃぐちゃがあったと確信すると思う。wikiの制作背景が面白>>続きを読む

価値ある男(1961年製作の映画)

4.0

なんと三十郎時代三船敏郎のメヒコ映画。男の価値を求めて飲む打つ買うの猿三船が痛ましくも輝いてる。そして浮かび上がる我が美大一年生時代の痛ましき記憶。価値ない俺を痛感したある日の記憶。じっとしてられない>>続きを読む

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

3.5

いくつかの観たことある川島雄三映画は、どれもしたたかな人達物語って印象。一番有名なこれも花街物語だからしたたかで当たり前なんだろうけど、他巨匠たちの花街映画にある印影はカケラもないあっけらかん花街コメ>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

5.0

アカデミー撮影賞に8度もノミネート、ゼロ・グラビティ、これ、レヴェナントでなんと3年連続受賞の神撮影監督ルベツキの神技に捩じ伏せられる感。幻想と現実の境目を有耶無耶にするイニャリトゥ監督の演出力に組み>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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去年観始めて20分で投げだしたこの文化庁助成TBSテレビ映画、最後まで観てみた。相当数言いたいことあるけどただ一言、このポワポワ世界の中に町田町蔵投げ込みたい。もしくはこのポワポワな人達全員『ロビンソ>>続きを読む

トラベラー(1974年製作の映画)

5.0

今日は久しぶりに「キアロスタミを観よ」と映画の神さまの声が頭蓋に鳴り響いたので観ます。神さまには逆らえません。昔一回観たっきりのこれ、観始めて2分で神に感謝。観終わって五体投地で巡礼したい気分。映画の>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.5

一般ではオルテガちゃんがバズってるけどあなたこれからはミア・ゴスちゃんですぜ。『ニンフォマニアック』でデビューのツワモノですぜ。名前からゴスのミア。このホラー三部作完結の頃には新世代ホラークイーンとし>>続きを読む

陽炎座(1981年製作の映画)

4.0

大正ロマンというより大正ノワールな感じのこれとこれの前作と次作。昔観た時はワイルドじゃない松田優作に魅了されつつもかなり謎映画だった。魅了されつつも俺は慄いたと思う。奇怪なユーモアにビビったと思う。何>>続きを読む

ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

4.5

ミーンストリートといえばヴァンヘイレンだった猿高校生の頃は、その辺の爆音とかでひっそり日頃のウサ晴らしてたもんだ。こっちのミーンストリートの狂猿デ・ニーロのウサは、ヴァンヘイレン程度じゃ晴れないので周>>続きを読む

THX-1138(1971年製作の映画)

4.0

昔深夜TV映画で偶然観て衝撃だった。デビュー作にしてこのハンパないセンスと才能。低予算雰囲気SFと思い込んでたけど、ちらちら入る未来場面は安っぽくなくて、71年にCGなしでどうやって撮ってんだろ?と思>>続きを読む

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)

3.5

平日休みの昼飯ついでに観たくなる系タイトル。絶対『巨神兵東京に現る』の元ネタタイトル。さりげに脚本は黒澤明傑作群の人。岡本太郎まで参加。けど2分でやめる逃げ腰でぽちったらアラ?意外に観れる。脇役しかい>>続きを読む

レッド・オクトーバーを追え!(1990年製作の映画)

4.0

ダイハードの監督がダイハードの次に撮った定番潜水艦映画。海中バトルシーンより米ソ賢い人間どうしの意図の読み合い、駆け引きシーンの面白さでこそ定番になってたんだなと思った。米の賢い人代表がアレック・ボー>>続きを読む

スローターハウス5(1972年製作の映画)

4.5

やっぱり不思議な名作だなぁとしみじみ。負けじと不思議な名作『ガープの世界』のジョージ・ロイ・ヒルが『明日に向かって撃て』『スティング』の二大傑作の間に撮ってるんだから良くて当然。『メッセージ』のはるか>>続きを読む

ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

4.0

70's末パリの諸々が最高すぎる。ほぼ屋内だけどファッション、インテリア、パーティ映るすべてが好みすぎた。ああ懐かしのカセットテープ。スマホには便利が詰まりすぎだけど、カセットにはロマンが詰まってた。>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

3.5

めちゃくちゃ強いクリヘムのめちゃくちゃ痛そうな生身バトル観てると、神さまだった頃はカミナリは出せるしハンマーで飛べるし勝手に飛んで来てくれるしで、色々楽だったよねとかつい思う。アクション映画があちこち>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

5.0

解説読んでまた観たら最高すぎたので書き直しレビュー。ほんとに死んだり発狂した灯台守実話、エドガー・アラン・ポー遺作、ユング、フロイト、オイディプス、メルヴィル、ラブクラフト、プロメテウス、デューラー、>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.0

レノン暗殺に泣いた者として、この映画の真の主役はやっぱりダコタハウス。呪われたアパートメントダコタハウス。ダコタショットに始まりダコタショットに終わる呪われた映画。カサベテスは夭折し、ミア・フォローは>>続きを読む

散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.0

この映画の面白さはコミカルさだと思い込まされてた感。コミカルな邦題とポスターでちょっと誘導されてた感。新作『サピエンスの涙』でコミカルなしの深層に触れ観直してみれば、コミカルどころか国が崩壊していく悲>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.0

独自スタイルが観る前から浮かんできて観る気を削いでたロイ・アンダーソン新作なかなか良かった。相当良かったかも。原題は『無限について』。まさに無限を妄想中の俺的にハマったのか。スーパー緻密地味が売りみた>>続きを読む

いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜(2012年製作の映画)

3.5

久しぶりに知人から手紙がきて、裏面はいわさきちひろによる海辺を駆けまわる少女の絵だった。広大な海と空と小さな小さな赤い水着の少女と黒い犬の絵にたちまち目も脳も奪われ、クリップしてたこれ慌てて観てみた。>>続きを読む

アリスの恋(1974年製作の映画)

4.5

スコセッシらしくもない中年女性再起ものなんだけど『ミーン・ストリート』と『タクシー・ドライバー』の間の作で悪かろうはずがない。らしくないようでサイコな赤オープニング。サイコのハーヴェイとマセガキのジョ>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

5.0

『マッシブ・タレント』でこの映画を激賞するシーンがあったけど、いやほんとその通りと思ったもんだ。アメリとウェス・アンダーソン足してショーシャンクで二乗してプーさんで割ったぐらいの愛に満ちた幸せ映画。世>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.5

徹底的にスタイリッシュに美しく撮られたグロテスクな脂肪ダンスのオープニングに脳みそ掻き回される気分。市場経済主義にパラサイトのジェフ・クーン作品もちゃっかり映し込んで、社会とアートの合わせ鏡迷宮にビシ>>続きを読む

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年製作の映画)

4.0

最近アメリカCIAの自己中心主義をディスってきたのだけど、これ観るとどんな組織にも一握りは自己中じゃない行動者がいるのがわかる。堕ちきった立民にも小川淳也がいるし、腐りきった自民にだってひょっとしても>>続きを読む

ザ・レインボー(2019年製作の映画)

3.5

もし今タイムマシンとどこでもドアがあったなら1970〜75年頃のこの店に行くと思う。けど居並ぶレジェンドの生身の姿に興奮のあまり立ち尽くしたまま脱糞し、5分で叩き出されると思う。なんとか堪えしのいだと>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

5.0

俺的にキアロスタミの映画はキアロスタミの映画だからの理由で全部スコア5。シンプルな教育ドキュメンタリーのようでぜんぜんそんなことないこれも5しか付けようがない。子どもを撮ってるはずのカメラを真正面から>>続きを読む

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

4.0

どの作品も観るほどに面白くなるのがしゃくにさわるスピルバーグ。これも3回目か4回目なのに1番面白かったりするのが気に食わない。『シンドラーのリスト』と『プライベート・ライアン』両方でオスカーゲットのヤ>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.0

また観たらとある本の言葉思い出した。「戦争は女のように男たちを試す。戦闘に入るまで誰も自分が誰なのか知りはしない」ちょっと試されたいと思ったの取消したくなる地獄戦闘シーン。何故じゃんけんという素晴らし>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.5

色んな製品の工場での製造過程を見せてくれる映像は、なんかワクワクでたぶんみんな大好き。夢工場とか呼ばれてるハリウッドのそれ版なので、映画ファンならたぶんみんな大好き。あの映画この作品のワクワク裏方仕事>>続きを読む

スピルバーグ!(2017年製作の映画)

3.5

スピルバーグみたいに親の離婚を経験した人、差別でいじめられた人は山のようにいると思う。スピルバーグみたいな映画小僧もかなりいたと思う。スピルバーグぐらいの才能があって若くして世界的大ヒットをかまし、そ>>続きを読む

ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

4.5

むかーし観て、何か危険な映画を観た…という強烈な印象以外は内容もほぼ忘れてた。危険感は主に色白で坊主頭の、少年なんだか何だかよくわからない異様な男から放射されていて、それが町田町蔵との出会いだった。町>>続きを読む

ザ・ダート: モトリー・クルー自伝(2019年製作の映画)

3.0

先週観てたの思い出しレビューしようとしたら、プールのオジー・オズボーンしか浮かばないのは俺がガンズファンだからか?違うと思う。あのワンシーンだけで誰よりもイっちゃってるオジーが記憶を侵食したからだと思>>続きを読む

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

4.0

田中泯のダンスは過去に二度観たことがある。最初はそれほど知られてない頃にマイ母校日芸の文化祭で。二度目は映画デビュー直後の凱旋的大ホール公演で。一度目は山海塾やら舞踏ブームの頃で、こんな人もいるんだく>>続きを読む