kurageさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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ノヴェラ ピカレスカ(2017年製作の映画)

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主人公のモノローグでずーっと物語を進行させているのは好みじゃないなと思いながらも、どこか御伽噺のような映像世界に引き込まれてしまった。
「悪い子になりたい」古本屋のヨーコの恋心を昇華させるためのバスジ
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 』の後に観るならポランスキーの映画を、ということで劇中でディカプリオのセリフにも出てきた本作を。

閉鎖的な宗教コミュニティに日常生活を侵食されていく妊
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

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悲劇のシャロンテート事件を交えて、このように時代を描くことができるタランティーノの遊び心に天晴れ〜という気持ちになる。
どこから観ても素晴らしく精度の高い絵づくり。どこに何が隠されているのか探すのが楽
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

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とーっても楽しい、かわいい映画だった。
ピントのずれた人に出会うと、自分を正当化してしまうことが往々にしてあるけれど、ふと視点を変えてそのピントのずれを見つめてみると相手への理解と同時に見知らぬ自分を
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人間の証明(1977年製作の映画)

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角川全盛期の潤沢な予算でつくられた映画ということで、キャストが豪華。

この頃、20代後半の松田優作や岡田茉莉子、三船敏郎のスクリーンにおける絶対存在感は、この後に観た『Once Upon a Tim
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

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列車の中でサイコパスの男ブルーノに交換殺人を持ちかけられるテニスプレーヤーのガイ。ガイは妻ミリアムを疎ましく思っており、ブルーノはそんな事情を知っていた。ガイに父の殺人を提案するブルーノ。当然、通りす>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

とても集中力のいる映画だった。
船の上から波間に落ちたキャンバスを着衣のまま飛び込んで拾いに行くー。画家マリアンヌは貴族の娘、エロイーズの見合い用の肖像画を描くために、波に揉まれながら船で孤島に渡る。
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ザ・ネゴシエーション(2018年製作の映画)

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『愛の不時着』コンビの初共演作をテレビにて。
アメリカ帰りの交渉人の役をソン・イェジン。犯人役をヒョンビン。あまり絵が動かないのに緊張感があり、ハラハラを楽しめる。あいも変わらず政財界の偉い人がズルく
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桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)

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互いを知らずに文通で惹かれ合う二人。
実は同じ雑貨店に勤務する、反目する従業員同士だったー。
王道ラブコメの源流、軽妙なルビッチタッチを堪能。
あまりにも軽やかに会話劇が進むものだから表面だけを見せら
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バス停留所(2014年製作の映画)

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バス停留所で出会った二人の会話劇を10分近く眺める。流れが変わるきっかけでちょっと寂しく、おーいその先は、とツッコミ。

少年(1969年製作の映画)

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高知から日本海側を抜けて北海道、そして大阪に移動する家族のロードムービーともいえる作品だけど、悲しいのは(義理の)母と子供が当たり屋をしながら日銭を稼いでそのお金を働かない父が食い潰しているところ。>>続きを読む

ベテラン(2015年製作の映画)

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何も考えず、スカッと2時間楽しめる娯楽作品。シリアスなシーンの間に時折挟んでくるコメディタッチの掛け合いが利いている。社会問題をエンタメで見せるのが上手いなあ。

人情派刑事のファン・ジョンミンや財閥
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神々の深き欲望(1968年製作の映画)

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クラゲ島のモデルはヨロンあたりだろうか、と思って調べたら撮影は南大東島や波照間島で行ったらしい。
「とうとがなし」が耳について離れない。
両島とも、今だって気象条件によっては上陸が困難な島だけに撮影は
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

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まず、この映画を観てから池袋の暴走事件について検索した。この3月の時点では、89歳の被告は無罪を主張。そうか母子が亡くなったんだった。あのときブラックホールに入ったかのようにプリウスの事故が多かった。>>続きを読む

ケンとカズ(2015年製作の映画)

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登場する役者さんが皆魅力的。今やすっかり人気者の毎熊克哉や藤原季節のほか、カトウシンスケの横顔、後ろ姿からのショット。高野春樹の近所にいそうでいなさそうな狂気をはらんだ存在感。

カズの暴走っぷりに巻
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黒水仙(1946年製作の映画)

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インド・ダージリンの山奥、ヒマラヤ山系を望む断崖絶壁の場所に建つ宮殿が修道院になる。元、領主のハーレムだった場所だ。
のっけから、修道女たちの粛々と祈るさまと現地の人たちの呪術的な太鼓を鳴らしながら祈
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大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)

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紀州の大金持ちのおばあちゃん、柳川とし子(北林谷栄)が出所したばかりの3人のチンピラに誘拐されるところから話は始まる。
身代金要求の額が少なすぎるというところでおばあちゃんが身代金額を大幅に釣り上げる
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(1965年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

夜中に見たせいか、ちょっと飲んじゃったせいか、観ながら何度も寝落ち。橋本忍と岡本喜八という期待せずにはいられないコンビだったので、眠くてもどこかで救われるはず、と思うも、必ず始まってから30分くらいの>>続きを読む

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

京大吉田寮をモデルにしたということで、NHKだしそこはやんわりとラブストーリーを絡めたのかと冒頭で思ったら、大間違い。
「壁を立てて知らんぷりを決め込んでしまった体制側」と「抗っても抗っても疲弊する一
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

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ガンダムやゴジラ、シャイニングなどのオマージュが愉しい。劇伴も聞き覚えのある懐かしいものがたくさん。ゆえに、著作権やCGにめちゃくちゃお金がかかってそうだ。
ジャンルを問わずに幾層からもなる新しい世界
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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

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殺人者・榎津巌(緒形拳)の逃亡を軸に、敬虔なクリスチャンの父榎津鎮雄(三國連太郎)との確執、妻加津子(倍賞美津子)と鎮雄の関係などを巧みな構成で描いた今村昌平監督の代表作。

幼い頃から非行を繰り返し
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草の上の昼食(1959年製作の映画)

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欧州統合国の初代大統領選候補のアレクシ博士は優秀な人材確保のために人工授精での子作りを推奨している。婚約者のマリー・シャルロットとは契約的な関係性でしかない(ように感じた)。
そこに、パートナーは不要
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

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香川一区選出の国会議員、小川淳也氏を17年間追ったドキュメンタリー。
ちょうど大島渚監督の二人のお子さんが書いた本を読んでいたので、その流れで。以前から気になっていた映画だったが、弟さんの方の大島新さ
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操作された都市(2017年製作の映画)

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全く期待せずになんとなく見始めたら、あまりにも早い展開に見入ってしまい、まんまと映画の中の世界に引き込まれた。

チ・チャンウク演じる主人公のクォン・ユ、テコンドーの元韓国代表の設定だけど強すぎる。カ
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ひとつの太陽(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

台湾映画。男の手首から先が切り落とされる、というセンセーショナルな場面から物語は始まる。てっきりノワールかと思って観ていたら、家族の話だった。
事件を起こした次男が少年院にいる間に、優秀な長男は自殺。
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

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東京という土地で同時代に異なる階層を生きている二人は、一人の男性を挟んで出会う。恋のライバルであるはずの二人だが、取り合いにはならない。そこがこの作品の現代的なリアリティにつながっているように思う。>>続きを読む

盆唄(2018年製作の映画)

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双葉町の人たちが、ハワイ移民の先祖から故郷フクシマの盆唄を長きに渡り踊り継ぐ子孫たちのところへ双葉の盆唄を伝えに行く。いづれ復活するかもしれない双葉町の盆踊りを未来へつないでもらいたいという願いを込め>>続きを読む

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

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もし、自分の意志で苦い記憶を消すことができたら、その後どうなるだろう?
ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットによるこじれた男女の恋愛と運命的な繋がりをチャーリー・カウフマンの見事な構成とミシェル・ゴ
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オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

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幼少期、テレビで見た以来。
雪の中で立ち往生したオリエント急行が動き出すまでの期限つきの名探偵ポワロの謎解きが見もの。死体に残る12ヶ所の刺し傷の理由は?犯人は乗客の中にいるのか?
珠玉のミステリー作
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朝が来る(2020年製作の映画)

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ある日、幼稚園から息子が他の子供をジャングルジムから落としたとの連絡が栗原佐都子(永作博美)のもとにくる。息子の朝斗はやっていないという。どこか信じきれていない母は、その理由は特別養子縁組で血が繋がっ>>続きを読む

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

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同じ朝を繰り返す男は少しずつ未来を変えていくべく、今日も玄関のドアを開ける。
人種差別される側の恐怖が伝わってくる短編。エンドロールを含めて、メッセージ性が強い。

街の上で(2019年製作の映画)

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シネマカリテは満席。前半、眠くて眠くて眠くて眠くてしょうがなかったけど、これは映画館で観ないとアカンやつや、と何度も足を組み替えながら観た。
下北沢らしい日常はいまもむかしも変わらないんだな。ああいう
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生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

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第二次世界大戦直前のナチス・ポーランド侵攻を背景に、ワルシャワの劇団の俳優夫婦の仲を通してハムレット、不倫、諜報戦などスパイスを効かせ、話は思ってもみない方向へー。

公開時の1942年はまだまだナチ
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楽園の夜(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

南国顔の主人公、テグ(オム・テグ)が済州島の湿った空気にとても合う。掠れ声もいつも大声出してそうなヤクザの鉄砲玉っぽくて役にはまっていた。

ジェヨン(チョン・ヨビン)と二人で水刺身を食べるシーン、静
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七つの会議(2018年製作の映画)

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1本の強度不足ネジが発端となり、世間を揺るがす規模のリコール隠しへ。ぐうたら社員がキーマンとなり、社会的制裁を与えるまで。池井戸潤原作らしい、企業の闇、体質を描くドラマ。

説明、顔のドアップ、睨み合
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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最愛の夫と住んだ企業城下町は会社倒産後に町そのものが消失し、住む場所のない主人公ファーン(フランシス・マクドーマンド)は改造したバンに乗って労働力の必要な場所へ赴き、日銭を稼ぐ。夫の思い出から離れられ>>続きを読む