体を張ったギャグと不条理ゼリフの洪水が味わえるマルクス兄弟の代表作。ただ、MGM移籍一作目の今作には、彼らのネタに男女の恋愛要素&ミュージカルが組み込まれている。ストーリーの完成度が上がったとの見方も>>続きを読む
不条理映画の金字塔
「なんてひどいシナリオだ。最初の三分の一の撮影が済んだというのに、何が何だかさっぱりわからん」(「映画術」のケーリー・グラント)
▽中身のない男
架空のスパイ「カプラン」に間違>>続きを読む
異なる時間軸が共存する「街」と「映画」
▽バラバラな街の時間
「街」の中の時間の進み方は、人や建物によってバラバラだ。例えば年齢が違えば、当然時間の感じ方は変わってくる。一度だけ行った風俗のディテー>>続きを読む
短評。僕はサウンドオブミュージックの方が好きです。Tonightの4シーンクロスカッティングは見事。市民ケーンの編集マン、ロバート・ワイズの真骨頂。本編もさる事ながら、ソール・バスのオープニング、エン>>続きを読む
最大の魅力は宇宙大戦争マーチだろう。
吉志舞→初代ゴジラのフリゲートマーチ→今作→怪獣大戦争マーチと、伊福部昭は楽曲をブラッシュアップさせてきた。その中でもダントツでテンポが速い(というか完全に走っ>>続きを読む
・閉鎖空間での男女の心理サスペンス、脱出劇。ミクロでシンプルな場面設定を貫きながら、彼らの行動は人間社会そのもののメタファーに見える。あの掘っ立て小屋と、東京の生活は変わらない。ポランスキーみがある。>>続きを読む
良い映画は得てして「映画とは何か」という問いに、それぞれの答えを示してくれる。今作もそうだろう。
大田(イッセー尾形)は音楽と手品で「実体のないものを見た気にさせる」。これが映画の役目。
鏡では自>>続きを読む
・右にも左にも振り切れている。ポルポトみたいなど左翼の青年、程よく適当なソ連の秘密警察、頭空っぽのコカコーラの社長令嬢、元SSの新聞記者。
彼らが結婚を巡るハリウッドらしいスクリューボールコメディで>>続きを読む
前日のマンディンゴに続き…。
・アーネスト・ディッカーソンの撮影、色調が魅力的。ポップな質感と、むせ返るような暑さが両立した映像になっている。
・対話のない映画。
下から、斜めから、正対しながら。>>続きを読む
・有名な子供を踏んで座る場面、子供を画角から外して「いない」事にしてしまう。子供の顔をアップにするよりも、よっぽど残酷だ。
洗練されたショットで南部の風景を無駄無く描いているからこそ、ふと映り込む暴>>続きを読む
見るたびに泣いてしまうが、今回も3回泣いた。シンエヴァに始まりガンダムに終わる良い3月だった。
・哀戦士と同様、冒頭で派手な戦闘が行われる。哀戦士では、近、中、遠距離MSが入り乱れる戦いを描き、重力>>続きを読む
冒頭のランバラル隊との戦闘、MSの特徴を生かした描写が素晴らしい。
ギャロップvsホワイトベースの「艦隊戦」を陽動に、ランバラルがガンダムに「接近戦」で優位に立つ。そこにアムロのガンキャノンが「中距>>続きを読む
ドルビーシネマで再上映やってるらしく、めぐりあい宇宙だけ劇場鑑賞するつもりで1、2作目を復習。気付いたことのメモ。
・長い長いこの物語は、サイド7潜入の、ジーンとデニムの目線から始まる。双眼鏡の先に>>続きを読む
列車で撮った映画の代表はキートンだろうが、車で撮った映画の代表は議論が分かれる所だと思う。私は今作を推したい。
・車のすれ違い、並走。アクションでこそ映画が動くという原則を保ちながら、美しい撮影、キ>>続きを読む
「1861年の春、1台の機関車がジョージア州マリエッタに向かっていた」。シンプルな導入が洒落ている。
列車で敵の列車を追いかけてヒロインを救出し、同じ線路を引き返して逃げる。行って帰ってくるだけの映>>続きを読む
一人でも生きていく
▽西部劇の更新
アメリカ国家に飲み込まれることを良しとしない「放浪民」。今作を“現代の西部劇”と比喩するのは簡単で、実際そういったセリフも出てくる。だけど「アメリカの魂の体現者だ>>続きを読む
完璧主義で煙たがられていた役者(ダスティン・ホフマン)が女装してドラマに出たらバレずに大受けし、スターになっていく話。立場が変わったことで男女それぞれが生き方を見直していく。
女装のクオリティ、男女>>続きを読む
画面奥の山から馬鹿でかい煙が上がっていて、手前の草原を馬に乗った大集団が走ってくる。こういう構図は本当に凄い。何千人単位の人間が動く物量も凄い。けれど、話としてはなんか普通だった…。
前半はスパルタ>>続きを読む
佐木隆三のヤクザものということで現代版「復讐するは我にあり」を期待していったが、あまり好みではなかった。ちょこちょこ文句言ってるので好きな方はスルー推奨です。
・故郷で幼少期を追体験し、捏造した母の>>続きを読む
ここ数週間、庵野作品にひたすら時間を割いていたが、ようやくシンエヴァの感想が書けたので実写映画を見る生活に戻ります…。
1950年代のテキサス。周囲と隔絶した小さな街での青春群像。古き良きアメリカな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
2021/03/15
なかなかネタバレ感想が更新できず、公開から1週間が経ってしまいました。このままではずっと卒業できないので、今回はですます調で書き殴るスタイルで行こうと思います。
なぜ書けなかっ>>続きを読む
シン・エヴァンゲリオン公開初日、朝7時の回に向けてバルト9で待機中。豪快にパンフ読んでる人もいる…。
この週末はEOEを見返し、貞本版を再読し、(勢い余って)スキゾ、パラノエヴァンゲリオンも読み返し>>続きを読む
ここまで復習しなくてよかったかも
アニメを実写に落とし込むアクション、サトエリの頑張り、アニメ的なコマ落とし風映像、実相寺アングル等お馴染みの編集・カット割は楽しい。
冒頭はかなりワクワクしたが…>>続きを読む
線路で向かい合う男と女。傷付いた庵野監督が故郷で見た古い工場と線路…。
内容があまりにエヴァ過ぎて、自分の見方がエヴァに偏っているのかとも感じたが、常に自伝的である庵野監督の作風上、同じテーマが繰り>>続きを読む
カーブと直角移動を繰り返し、ループを続ける。冒頭の夢でカメラは人の足や脚立の間を通り抜け、「井の頭線のトンネルの先」にある渋谷へ辿り着く。「天気の子」同様、外部に閉じたセカイ系は山手線の円環に象徴され>>続きを読む
理想に燃えるスミスだけでは正義は実現しない。彼をちょっと冷めた目線で受ける議長や、秘書の姿を描いており、彼らの協力があってこそ正しい政治が行われていく、というバランスなのが良い。
やり過ぎなくらいの>>続きを読む
羊の群れと通勤ラッシュを重ねる冒頭の編集で満足し、これこそが文明批評であり…と書こうかと思ったが、中盤の展開で大きく印象が変わった。
刑務所暮らしに慣れたチャップリンは、機械的に振る舞う方が楽だから>>続きを読む
1970年代の「カントリーの聖地」ナッシュビルで巻き起こる24人の群像劇。
建国200周年を前にした高揚感もなく、巨悪も正義も特にない。実際のナッシュビルで集めたネタや実在の人物をモデルにした小噺を>>続きを読む
・高速会話と、転んだり走ったりするスラップスティック要素の融合。「ヒズガールフライデー」よりも、動物演出と体を張ったギャグが入っており、画面がより賑やかだった。
・化石研究に人生を捧げた男(ケイリー>>続きを読む
もう一つの風と共に去りぬ
戯曲の映画化なので、セリフ中心の室内劇になってしまい、原作にあった同性愛や少年との性愛など、強烈な要素も排除されているが、それにしても良い。
光と影の対比を心情描写に結び>>続きを読む
「誰も見たことがない映画を撮ってやる」と宣言される冒頭。監督に採用されたヒロインがコングを見て驚く練習をするなど、「見せ物小屋」を意識させるメタ構造が入っている。
スクリーンプロセス(特撮映像の前で>>続きを読む
いけるやんジョンヒューストン。「マルタの鷹」も「アフリカの女王」もハマらなかったけどこれは面白かった。
黄金掘りと殺し合い、騙し合いばかりの映画。オアシス的に描かれるメキシコの小さな村と、楽しそうに>>続きを読む
米エンタメ業界の内幕もの+軍歌が流れまくるミュージカルという、売れるに決まっている組み合わせで大ヒットした1942年公開作。製作中に真珠湾攻撃があったそう。
「ブロードウェイ・ミュージカルの父」と呼>>続きを読む
溜め込んだ鬱憤を音とダンスで爆発させる姿にコロナ禍の現状がちょっとダブった。
MC役として映画の鑑賞者に語りかけるジョエル・グレイは、客席の多様な表情を反射するステージの鏡の中から登場する。最も民主>>続きを読む
都会育ちの有能な黒人警官が、たまたま降り立ったミシシッピで殺人事件に巻き込まれ、差別的な白人警官と捜査で組むことになる。様々な捜査妨害が街に潜む差別を浮き彫りにしつつ、真相に近づくにつれて、いがみ合っ>>続きを読む
ダンス教室でいきなり柵を飛び越えるとこがピークかなぁ…。
アステアの全盛期とも言われる作品。ジンジャー・ロジャースとのダンスがあまりに良すぎるので、ドラマパートも「言葉」と「音」の対比、視覚情報とそ>>続きを読む