「雨の日の東京の良さ」の映像化には成功していると思うが、感情をストレートに口にするセリフ回し、話の展開にはついていけなかった。
空の匂いを連れてくる雨。ここではない何処か、憧憬の対象が空であり、雨が>>続きを読む
音が鳴ってストーリーがあって役者が動いてれば映画やろ?という実験。風吹くしスモークもいっぱいでしっかり黒沢清。
にっかつロマンポルノ「女子大生・恥ずかしゼミナール」として制作したが、にっかつからお蔵>>続きを読む
短評。1960年代のカリフォルニアという、時間も空間もズレた場所への憧憬。バラバラな個がすれ違う都市で、敢えて相手の空間に「入っていく」「覗き込む」。感性が同期すれば、時空の縛りは映画のように飛び越え>>続きを読む
アクションの強度は現行の映画界最強。ただ私は、神話ネタの散りばめ方に沼のようにハマってしまっている。語弊を恐れずに言えば庵野作品のようなノリだ。
入門書をかじっただけで無限にこじつけられてしまう多層>>続きを読む
IMAX3Dで鑑賞。音圧が凄くて、物理的にその空間と対峙しているような臨場感があった。ざっくり感想。
・木が倒れるシーンすごく良かった。デカいものの向きが縦から横に変わり、生きるための意識づけも刻々>>続きを読む
フランスのゴシックホラー。スケキヨ的なマスクや凝った手術ももちろん不気味なのだが、皮膚の移植に成功し、綺麗になった娘との夕食シーンが印象深い。
手術前と同じように、瞬きひとつしない彼女の表情は、マス>>続きを読む
ナチスが「解放」したキーウ。右から左へ行進させられる人々。轟音、爆発、死体の山。今度はソ連による「解放」。反対方向へ歩かされる人々。轟音、爆発、死体の山。
シンメトリックな「反復」と「往復」。行進す>>続きを読む
スラップスティックなテンポでぐいぐい進む。主人公と弟の婚約者(アン・シャーリー)の信頼関係の構築と、目の前の危機の脱出が、包丁の受け渡しで描かれる。同じ船に乗った人々が移動しながら、物の受け渡しで難題>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
▽ジュープから考える
OJシンプソンはお茶の間の見せ物にされた。ピールがTwitterで公開したGordy's Homeのオープニングにはスペースシャトルが映るが、これは発射失敗が中継されたチャレンジ>>続きを読む
ハンセン病患者に対する無根拠な隔離政策を喧伝したプロパガンダ映画である。1940年度のキネ旬邦画1位。洋画の1位がリーフェンシュタールの「民族の祭典」だった事からも時代感が窺える。映画の内容に入る前に>>続きを読む
「大人は判ってくれない」のジャン=ピエール・レオ演じるドワネルないし、トリュフォーの分身が、子供と呼ぶには良い年になってきて仕事を始める。相変わらず好き勝手に画面内を暴れ回るものの、周囲の大人の姿に少>>続きを読む
星条旗が揺れる墓場。白と黒が転倒した世界。白人が窓に手を突っ込んで黒人を襲う構図は、「國民の創生」終盤のひっくり返しだが、庭先では一方、黒人が白人を殺す、ステレオタイプな構図も演じられる。最後の空撮、>>続きを読む
連想したのはスワロウと脳内ニューヨーク。
「詰め込まれる」ことへの嫌悪感と「吐き出す場がない」閉塞感。タバコの煙、嘔吐や排泄を通した解放→根底に妊娠、出産=吐き出すことへのプレッシャーを受け続け、時>>続きを読む
2人で同じ夢を見るって凄い
「即興演技や偶然=ヌーヴェルバーグを体現する主人公2人が、ロジカルで旧態依然としたハリウッド的メロドラマを壊す」んだね〜ハイハイ、とぼんやり見ていたが、ラストシーンでジュ>>続きを読む
お前らにはウクライナとロシアの区別もつかんだろという挑発的な見せ方
知識ゼロで行ったので「ロズニツァってドキュメンタリーの人だよね???」と混乱したが、この半年至るところで「映画のよう」という言葉を>>続きを読む
短評。「言葉」に塗り固められた人生を、アニメーションの力で解放する(幼少期の「アニメ的」な動きが減っていく人生)。文字の黒で体が染まってしまう演出良かった。過去の語りだけでは一本調子に陥りがちなところ>>続きを読む
・音楽よかった。時代に合ってない曲をぶっ込むバズラーマン演出、いつもは苦手なんだけど、今回は「エルヴィスの影響下にある音楽」という意味付けがちゃんあって、ミックスでエルヴィスの歴史を語っている。最後の>>続きを読む
熱帯夜の空気を吸い込んで、車の窓全開でサントラ聴きながら帰った。
少年ゲイリー(クーパー・ホフマン)が大人のおねーさんアラナ(アラナ・ハイム)に翻弄される話かと思っていたが、ここまでストレートに女性>>続きを読む
実子を売ろうとする母。他人の子を盗む母を描いた「万引き家族」から、テーマはそのままに立場をひっくり返している。
法を逸脱した疑似家族の逃避行に「3人の名付け親」を連想したがやはり意識したようだ。>>続きを読む
先週GAMERA1999の感想を書いたのは、今作が同種の「制作における地獄巡り」になるのでは、と予想したからだ。少なからずその予感は当たっていた。しかしながら、中身は非常に粗かった。個人的にも仕事でそ>>続きを読む
平成モスラのメイキングを収めたVHSが実家にあった。正直本編より面白くて、子供の頃何度も何度も見ていた。精緻なミニチュアを一瞬で爆破したり、踏み潰したり、再撮影のために組み直したり…。気の遠くなるよう>>続きを読む
何本もリメイクされているようだが完全に初見。なんとなく内田吐夢版をチョイス(3部作とも知らずに)。他のバージョンも見た上で点を上下させる予定。
・オープニングが一番びっくりした。マジで「峠の向こう側>>続きを読む
夜の闇、夜明け前の薄い青、昼の澄み渡った青空。光と影とその中間、3階層を彷徨い続けるジョージー(イーストウッド)。
家族を殺された彼は、文字通り影を背負って殺し続ける。人の顔に当たる照明、室内での陰>>続きを読む
選手のアイデンティティを強調したことで「負けても人生は続く」以外の答えが許されない構成に。身体性の賛美など、伝統的な五輪映画のスタンスを否定するのは良いが、その分、競技の面白さも感じにくくなっている。>>続きを読む
▽訓練に意味がある
訓練を「実戦に向けた演習」にした事で前作の難点を大幅に改善している。
前作は「訓練を成績一位で突破できるか」というぼんやりとした目標があり、卒業式の最中に招集がかかる。訓練と実戦>>続きを読む
バーで酔い潰れていると思ったら水しか飲んでなかったくだり、マーヴェリックの真面目な性格とガチ落ち込み感が出てて好き
・変な映画。ほとんどが敵のいない訓練、実戦でも敵の顔が見えない演出が施され、フォー>>続きを読む
感想を言葉にするのがためらわれ、3週間放置していた文章 配信で見たら書き直す
・「話を聞こうとする」ことしかできない。言葉には限界があり、相手に寄り添うのはもっと難しい。機械の力で音を収める精いっぱ>>続きを読む
相米慎二の中ではそんなに…という感じだった。夜の雨のシーンが多い作中にあって、「私天使なんだよ」というヒロインが真昼の埠頭でヒョイッと照明を登っていくシーンが印象的。
自慰に終わった冒頭のラブホテル>>続きを読む
良いカットが足りない…。予算不足の伝統まで引き継がなくて良いのに。樋口真嗣の最高傑作ではある。興収は好調らしく、続編構想もあるそう。庵野さんにリベンジしてほしい。
・私はウルトラマンにはほぼ興味無し>>続きを読む
パターソンは日曜になったら画角を変えて散歩に出ていたが、この映画には曜日すらないという絶望
映画の主人公は基本的に「何か」をやってないといけないわけで、音とか編集とか、映画に急かされ続ける作りが面白>>続きを読む
ホークスで一本選べと言われたら「赤ちゃん教育」かもしれない。演出力の極まった後年の作品も良いが、30年代の彼の映画のとんでもない「速さ」に惹かれる。今作も同様だ。
オープニング、長回しの暗殺シーンか>>続きを読む
・誰もいない座布団に話しかける男。戦争の影、人の不在、強烈な寂しさを、長屋でのやりとりが覆い隠している。長屋は戦争で荒れた街並み(外界)に対する一種のシェルター。「ぶら下がったモノ」が生む境界。
そ>>続きを読む
短評。奇跡の丘同様「神話=俺」で映画を撮るパゾリーニ。神話は私小説になり得る。
赤ん坊に乳を与える母親の単独ショットで、彼女は赤ん坊とカメラに交互に視線を向ける。メタ視点の提示でありつつ、母親の「分>>続きを読む
因果応報な道徳話に見えてしまうという脚本上の問題は「悪魔の征く町」の感想で書いたので割愛。
JESUS SAVESのネオンが消えてUS AVES=我々は獣→結局鳥籠に入っていくといった演出は好みだし>>続きを読む
デルトロは原作小説からイメージを膨らませたと言っているが、ビジュアル的には今作そっくりなので、こちらのリメイクと言った方が正確だろう。
ほとんど展開は同じだが、こちらはラストに半ば強引にハッピーエン>>続きを読む
ロドリゲスの良作。二つのジャンルを掛け合わせるホラー映画の定式がハマっている。
今作はボディスナッチャー×青春学園もの。学校の先生や同級生が宇宙人に寄生され、いじめられっ子やアメフト選手など、異なる>>続きを読む