矢吹健を称える会さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

矢吹健を称える会

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アキラとあきら(2022年製作の映画)

3.1

 よくよく考えると横浜流星ほぼなにもしてない(土下座はした)とか、音楽演出が好みじゃないとか、まあ色々思いつつも、役者たちが活き活きしていて良い映画だと思う。竹内涼真の屈託のない善性が好ましい(横浜流>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.8

 ユートピア映画。人と人がポジティヴな影響を与え合っていく様に、あるべき理想郷の姿を見た思いがする。
 しかし個人的に最高だなと思ったのは前半のギャグ描写で、ここはもう殆ど絶好調な時の三池崇史に肉薄す
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女神の継承(2021年製作の映画)

2.7

 予想以上に『呪詛』と共通点が多かった。特に、画面に映る映像が「劇中の登場人物が撮影した映像」であるという、作品の核をなす設定においてはほぼ同じと言えるだろう。そうするとこちら側の文句もほぼ同じで、馬>>続きを読む

ソウル・バイブス(2022年製作の映画)

1.8

 とってつけたような展開と、緊張感皆無のふざけた音楽/効果音演出で萎える。終盤はもはや何がしたいのか理解不能。そして2時間20分という長さ……。
 ユ・アインの無駄使い。そもそもドライブ全然しないやん
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

-

 疲れのあまり序盤寝てしまったのだが、終盤の描写には目を瞠らされるものがあり、もう一度見たいと思う。
 AKIRAバイクを真似していて「あんたも好きねえ」と思った。

 それはそれとして、上映形式がひ
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辻占恋慕(2020年製作の映画)

2.9

 (この映画だと藤井風そっくりの)早織の鮮烈な歌唱と、それを袖から見つめる大野大輔の姿に、クレジットが重なる。ここかっこいい。その後も歌声をたびたび披露するものの、全くヒロイックに演出されないため、見>>続きを読む

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)

3.7

 16ミリフィルム撮影の質感がたまらない。途中の(デジタルカメラの)静止画/動画がノイズに思えるほどに。ハイファイ(『あのこは貴族』)でもローファイでもこんなに上品に仕上げてしまうのだから岨手由貴子監>>続きを読む

デイ・シフト(2022年製作の映画)

2.6

 なんかヴァンパイアも何種類かあるっぽいけど、どういう区別なんだとか、ラストの討入りに隣人の女も来るのが謎とか、そういうツッコミをする気が起きなくなる程度には退屈な作品である。監督のJJ・ペリーはスタ>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

2.8

 小林桂樹・丹波哲郎・仲代達矢が、ほぼ何もしない(できない)映画。もちろん意図的なのだろう。
 ラストは人が物凄い勢いで死んでいく。殺人シチュエーション(米兵→日本兵、日本兵→日本兵、日本兵→民間人、
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激動の昭和史 軍閥(1970年製作の映画)

2.9

 二・二六事件から太平洋戦争開戦~敗戦までを2時間で辿るので、ダイジェスト感が強く、豪華キャストもあまり印象に残らない。また、小林桂樹=東条英機の変節もなんだか唐突で、結果としてこの人だけ頭のおかしい>>続きを読む

大空の闘士(1933年製作の映画)

3.6

 郵便を死守するべく、飛行機が落ち人が次々死ぬ。恐ろしい世界観である。「一日くらい遅れたっていいだろ」と登場人物が言っていたが、まったく同感なので、眼前の光景が異常な世界に見えた。特に主人公は完全に頭>>続きを読む

カーター(2022年製作の映画)

1.8

 このような蛮行が、現代のCG技術と潤沢な予算があれば実現してしまうのだなあと感心したり呆れたりしながら見ていたが、空中できりもみしながら銃撃戦するシーンの間抜けさが凄まじく、これは生半可な感性では作>>続きを読む

俺は善人だ(1935年製作の映画)

3.7

 エドワード・G・ロビンソンの芸達者ぶりに改めて感心。社長たちと酒を飲むシーンでの「酔っぱらって楽しくなるってこういうことなのかあ」みたいな演技がたまらない。マニオン氏との演じ分けも素晴らしい。
 マ
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

2.9

 画作りなんかキッチリしていると思うし、『パーク』時代のキャストの活躍も個人的には好ましい、のに何なんだこの、異様なのっぺり感。特に序盤はあれこれ事態が進展する様にエピソード的な広がりがなく、イザベラ>>続きを読む

こどもかいぎ(2022年製作の映画)

2.9

 タイトルが出て数分後にまたタイトルが出る。字幕が出たり出なかったりする。先生や生徒の名前は毎回テロップが出る。……などなど、なかなか不細工なつくりだと感じた。特に字幕は、おそらく発言が聞き取りづらい>>続きを読む

戦争と母性(1933年製作の映画)

4.4

 これも弩級の傑作で素晴らしい。ジョン・フォードまじ剛腕。ボーゼージばりに抽象化された美しいメロドラマ(マリアン・ニクソンの殺人的クローズアップ)を妄執クソババアがかきまわす前半から一変、目的に比して>>続きを読む

太陽は光り輝く(1953年製作の映画)

4.5

 人がだんだん集まってきて、ただぞろぞろと歩く。それだけのことに、ここまで泣かされるとは……。

ラテン・ジゴロになる方法(2017年製作の映画)

3.3

 エウヘニオ・デルベスも大概だが、やたら出てくる珍キャラが笑える。しかもその珍キャラどもを意外にうまくプロットと連動させていて、色狂いの老女と交際するロブ・ロウのコスプレが後で役立つのとか、感心してし>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

2.9

 ポルノ撮影を描く前半部で焦らしに焦らし、後半でドカンと殺人が連続する、という作りだが、前半で描かれたキャラクターの活用に意外性が乏しいのが不満。しかしどこがどう特別なんだか見ていてちっともわからない>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

3.6

 「舞台」へと主要人物が集まっていくこのワクワク感。そしてトビー・ハス登場から映画のギアが上がる。アレクシス・ラウダーが、彼の襲撃をやりすごすため、留置場へ籠城するまでの描写が素晴らしい。このシークエ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.2

 これが卒業制作はあまりにもYAVAY

 良く出来すぎ(&意味を込めすぎ)という点で、『偶然と想像』とかのほうが愛着は感じるのだが、それでもこの漲る知性には圧倒される。すごい。

マン・フロム・トロント(2022年製作の映画)

2.3

 ジム襲撃シーンくらいしか見どころがない。毎度のことながら、ケヴィン・ハートがギャグをするたびに画面が停滞する。

 監督がパトリック・ヒューズ。現代ウェスタンの佳作『レッド・ヒル』から十余年、そろそ
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呪詛(2022年製作の映画)

1.7

 無節操なフラッシュバックのせいで何がなんだかさっぱりわからない。構成が酷い。
 入ってはいけない場所に入るとき、画面に「入ってはいけない場所」って字幕が出るので笑ってしまった。アホすぎる。

 全編
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ガール・イン・ザ・ピクチャー:写真はその闇を語る(2022年製作の映画)

3.6

 吉良吉影が可愛く見えるほどクソやべえ犯罪者が出てくる。とんでもなく酸鼻な内容で朝からぐったりした。
 そしてフィッツパトリック捜査官を筆頭に、真実を追究しようとした連中の佇まいが実に渋い。時系列が交
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私の娘を殺した男(2022年製作の映画)

3.2

 娘を殺した男を40年に渡って追及した父親の話。映画みたい(映画だが)。
 男をドイツから誘拐しようと提案するバーテンダーが無駄に良い顔&声で最高。しかも無償で持ちかけるという男気も渋い。犯罪だが。

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.4

 敢えてキッチュを志向しようというコンセプトは好ましいと思うのだが、程度が低くて辛い。アクションは凡庸、ドラマは支離滅裂、と言ってギャグに徹するわけにもいかないらしく、クリスチャン・ベールだろうが又吉>>続きを読む

転がるビー玉(2019年製作の映画)

2.0

 ドラマになっていない。女優がいくら美しくてもこれじゃしょうがない。

 台詞が良くない。終盤になって急に台詞が多くなるのだが、唐突に人を罵倒しはじめたりするのでなんやねんとなった。中島歩の登場シーン
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.5

 堪能いたしました。昭和日本であれば婦女子から熱狂的人気を博したであろうメイソン・テムズくんの美貌が素晴らしい。そして年齢不相応な落ち着きよう。一秒後に殺されても何ら不思議じゃない状況にあっても冷静さ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.3

 序盤の、はじめて電話をかけるシーンの無意味な緊張感。やっぱりPTAって変な(面白い)人だなあとは思うけれど、部分部分の面白さの差が著しい。特に、終盤のピンボール屋と選挙事務所のあたりは、個人的にいま>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.8

 労作だし、近年の韓国映画の中でも突出した内容ではないですか。「よく撮ったなこんなの」という意味では、『トップガン マーヴェリック』にも負けていないだろう。リュ・スンワンはもうここまでの作品を手掛ける>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

2.9

 音楽の使い方がどちゃくそつまらない。時間経過をダイジェストで紹介するときに鳴る退屈なBGM! また、件の漫画をいちいち画面に映すときのワルツ調の音楽が、映っている漫画のおもんなさも相まって非常にウン>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

4.0

 恋の光以前に、この作品のなかの世界を照らす光が清々しくて、大いに好感を持った。

 とにかく、女優が全員本当に美しく撮られていて、それだけでも特筆に値する。平祐奈という人は初めて見たが抜群の可愛さだ
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.1

 この、ほどほど感。撮影が意外にリッチな感触で良い。あの人の理不尽な強さ(キャミオ出演として正しい)も、しっかりアクションしてる点も好感を持った。しかし残念ながら面白さのピークはここかもしれない。
 
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なみのこえ 気仙沼(2013年製作の映画)

3.4

 会話の「面白さ」(失礼な表現だが)において前2作よりも劣るといった印象で、それでも興味深く見ていると、最後に出てくる夫婦の会話にくそどっちらけとなる。やばいって。この要領の得なさは尋常じゃない。
 
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なみのこえ 新地町(2013年製作の映画)

3.6

 これも『なみのおと』の手法を踏襲しているが、シーンによっては室内で収録された音声が反響しており、かなり聞き取りにくい。照明含め、技術的な部分で支障が発生するのは仕方ないとは思うけれど。

 冒頭の「
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なみのおと(2011年製作の映画)

3.8

 最初の一組の対話シーンから、①肩越しの切り返しショット、②真正面の切り返しショット、③「聞き手」濱口竜介を含めたショットと、映画を構成する形式が概ねすべて提示される。この形式には大いに感銘を受けた。>>続きを読む