FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

FutosiSaito

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ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)

3.9

 ジェニファー=ローレンスはこの映画から見ているので、『アメリカン・ハッスル』でアバズレたり、美しくなっていったりで、成長ぶりにびっくり。
 以下は、初見、公開当時の感想。垢抜けないが芯の強さがあるジ
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.8

 テクニックの塊、スタイリッシュでアヴァンギャルド。
 監督はマイケル=ファズベンダー主演の『スティーブ・ジョブズ』では静かな演出を心がけていたが、ここではトンガッた表現を開放している。
 初っぱなか
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015年製作の映画)

3.7

 『ハンナ・アーレント』といい、この映画といい、ドイツは「本気」でナチス時代の反省をしている。
 8月15日の談話では、前の世代がやったことの謝罪は必要ないとか言っている日本とは大違いだ。
 その姿勢
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ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

3.8

 ライアン・ゴスリングの、ニコラス・ケイジへの道。
 ニヒルな役(『ドライバー』)から、コメディ(『ラースとその彼女』)まで、もとは恋愛もの(『きみに読む物語』)まで、何でもござれだ。
 そして、この
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.7

 激しいバイオレンス描写、謎が謎を呼ぶ展開。
 ともかく、韓国映画のパワーは凄い。
 ファン=ジョンミンの祈祷師も登場して、謎の女も、「よそ者」國村隼も謎だらけで、どこまでか現実か悪魔は誰なのかもわか
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スモーク・アンド・ミラーズ 1000の顔を持つスパイ(2016年製作の映画)

3.4

 スペインの実話を元にしたスパイもの。
 日本ではドラマ『相棒』での表現がリアルで、かなり政治に踏み込んでいるなと思うことがあったが、スペインはここまで表現が自由なのかと驚いた。
 派手なアクションは
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.3

 周防監督『それでもボクはやってない』『終の信託』など法廷ものを思い出したが、いちばん近いのは黒澤明監督の『羅生門』(原作は芥川龍之介『藪の中』)だろう。
 真相は藪の中、それぞれの解釈があるし、そも
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THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

4.0

 国家の保証が無くなった者の状態をテーマにした、キム=ギドク監督らしい作品。
 寓話だ。
 韓国の国民なら、不当な取り調べや監禁状態にも不服を申し立てられるが、それもできない。
 家族と暮らしたくても
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.7

 『新しき世界』や『哀しき獣』『わるいやつら』など韓国のフィルム・ノワールというよりバイオレンスな映画も観ていると、こんどの北野監督はどうなのか比べたくもなった。
 しかし、そんなことは杞憂だ。
 独
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.7

 マッチョマンのヒーローより、こっちだ。
 筋肉モリモリはいくらでもいるが、このビジュアルで本当に強いのはワンダーウーマンだけだ(シャーリーズ=セロンも新加入?)。
 『バットマンVSスーパーマン』で
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.5

期待を裏切らない良作。
まさかの生まれ変わりで、主人公の人間に感情移入してたのに、主役が人間でなくなるのだか、それも良し。
さまざまな「犬生」つまり、いろいろな飼い主との生活が描かれる。
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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

3.8

 「バンドやろうぜもの」にハズレなし。
 これも古くはアラン・パーカー監督『ザ・コミットメンツ』、大林宣彦監督『青春デンデケデケデケ』、李相日監督で蒼井優の『フラガール』、ガッキー主演の『くちびるに歌
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華麗なるリベンジ(2015年製作の映画)

3.7

 ファン=ジョンミン、またもやハマり役。本当にハズレなし。
 チンピラから、大物ヤクザから、ベテラン刑事から、頑固おやじまで、何から何まで巧く演じる。
 松重豊のようだが、バイプレイヤーでも主演でもオ
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.0

 黒人でさらに女性ということで差別を受けながらも、乗り越えて活躍した実在するNASAの局員3名の物語。
 原題は「Hidden Figures」陰に隠れた人たちというようなもので、こちらのほうがいい気
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.5

 ガンダムや仮面ライダーのようにどうにでもアレンジできる、もはや記号のような存在が「エイリアン」だ。
 元祖リドリー=スコットによる前日譚なので(三部作のまんなか)、「ファースト」エイリアンの自己オマ
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灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

3.7

 映画とは、セットにお金をかければよいというものではなく、派手な爆発と大音響があれば良いというものでもない、ということを見せられた。
 端的に言えば、巧いのだ。カメラとフィルムさえあれば、いろんな表現
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Mr.&Mrs. スパイ(2016年製作の映画)

3.7

 ガル=ガドット最高!黒い下着で、ずっと写っていたり、とてもワンダーウーマンとは思えないほどの露出ぶり。
 ザック=アナフィリキアスもいい。今回はいつものエキセントリックな役ではなく、素直な人。
 そ
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ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS(2016年製作の映画)

3.5

 シリーズ向きの話だってことか『ディアスポリス』は。
 TVドラマ版は、その世界観が好きで、特にアーさんの柳沢慎吾が上手で好みだった。
 おかげで『ウルトラマンオーブ』などの出演に繋がったと思う。
 
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.7

 綾野剛、ここまで濡れ場での尻出しが似合う男もいない、売れてるのに。
 『そこのみにて光輝く』も、この映画も。
 そして、サイテー男がこれだけ似合う俳優もいない。
 初盤の真面目一辺倒の警官が、ピエー
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

 水木しげるに近づいた?
 戦争を犠牲やファイティング・スピリット含む英雄視で描くのでなく、現実を淡々と描いているという点で。
 冒頭から、ほぼリアルタイムで、主人公がいろんなめにあう。
 偶然、隣の
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アイアンマン3(2013年製作の映画)

3.7

 アイアンマンはともかく、グウィネス=パルトローまでヒーローで楽しめた。
 アイアン・パトリオットなどアイアンマンの量産化により、ヒーロー性が薄くなると思いきや、グウィネスも活躍とは。
 CGも技術だ
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俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-(2008年製作の映画)

3.8

 「俺たち」シリーズのアダム=マッケイ監督とウィル=フィレル主演コンビの初期の作品であり嚆矢。
 バカバカしくて、下ネタも満載のブロマンス。
 ジョン=C=ライリーもここから始まった感がある。
 ウィ
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ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)

3.8

 『刑事ブリット』のピーター=イエーツ監督の青春もの。
 いろんな青春の要素が詰まった名作だ。
 アメリカの田舎、石切=「カッター」の街。石切職人と、大学生の対抗心もあり、自転車のレースシーンが盛り上
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.5

 終末を描いたものでは、静かな傑作SF『渚にて』とスティーブ=カレル主演『エンド・オブ・ワールド』が好みだ。
 この映画はそこにつながると思いきや、ちょっとずれてしまった。
 また、体を乗っ取られる『
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.0

 どきつい残酷描写がなくても、それぞれの人物の背景にある事情も描いた、「グランドホテル形式」のゾンビ映画だった。
 韓国映画はもともとパッションが高いのだけど、これはテンションまさに緊張感も高く、さら
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.4

 感服。
 センス・オブ・ワンダーであり、悪夢のようでありながら感動さえ誘う。
 DVD特典の監督インタビューに、音楽は抽象的でわかりにくいものだ、この映画も同じようなものだ。という発言がある。
 現
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.6

 青春映画。スクールもの。
 かってのサム=ライミ監督による旧作は「ダークヒーロー」のさきがけだった。「大いなる能力を持つ者には、大いなる責任がともなう」ということだ。つまりは「呪い」がかかるというこ
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北国の帝王(1973年製作の映画)

4.0

 追跡者役だった、チャールス=ブロンソン主演の『マンハント』でライバルとして扱いが良かったのも、この映画があったから。
 それがよくわかった。
 「信念」と「誇り」。ホーボー(浮浪者)と鬼車掌という立
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ヒステリア(2011年製作の映画)

4.0

 バイブレーターの誕生を描いた映画だという紹介に、いやらしい内容を想像した自分を恥じたほどの名作だった。
 当時の医学の誤解、親に反抗する女性までも「ヒステリー」として病気にしていた時代ヒステリーの治
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アイスマン 超空の戦士(2014年製作の映画)

3.7

 おもしろい。シモネタ全開で満載で、荒唐無稽だけどおもしろい。
 かっての『トラック野郎』シリーズや、「ソニー千葉」こと千葉真一の東映アクション映画がそうであったように。
 それを楽しそうに演じるドニ
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MI5 消された機密ファイル(2011年製作の映画)

3.8

 ビル=ナイがいい。なにしろ『パイレーツ・ロック』で海賊放送してたし、『アバウト・タイム』で時間旅行してたし。渋すぎる。
 派手なアクションはなくてもスパイものは可能だ。
 いちいち海外へロケをしなく
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

 子供が誘拐されたことによる、一線を超えた過剰な暴力に走るヒュー=ジャックマンには初めこそ感情移入できるが、しだいにそれができなくなっていく。
 ヴィルヌーヴ監督の作品には、辛いものが多く、ゆえに重厚
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銀魂(2017年製作の映画)

3.7

 劇場で見るにはちょっと恥ずかしい映画。
 近年の俺のベストTVドラマは『アオイホノオ』であり、その福田雄一監督なので期待にワクワクしたのだが、ちょと恥ずかしかった。いい意味で。
 シモネタも変顔も、
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.0

 思想信条の自由というテーマのようで「反省」を潔く描いている。
 「テロ等準備罪」で表現の自由をも制限されるような日本の「現在」において、タイムリーなテーマだった。
 今ではあたりまえに評価されている
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.7

 何でもあり。負傷するけど、メイクの範囲、まさに「不死身」のジョン・ウィックがパワーアップして帰ってきた。
 「007」の武器開発チームや「バットマン」の執事のような技術者でもあるサポートが付いて、ま
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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2015年製作の映画)

4.0

 クリエイターとプロデューサー、これがテーマだ。ゆえに面白い。
 天才的芸術家には得てして規範意識が不要でもあり、世間になじまないところもある。
 また、突出した才能ゆえに、世間の先を行き過ぎ、売れな
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