北野武監督の映画、『ソナチネ』や『HANABI』なども静かで乾いているが、これも凄かった。
風景が乾いている、舗装されていない道や、建物など、服装も地味な色が多く、まさに「寒村」といったものだ。>>続きを読む
高機能自閉症の新しいヒーロー像を提示した。
「自閉症スペクトラム」にアスペルガーも含まれるので、その人口は多く、何らかの障碍を持つ者は多いと言われている。
そして、それは個性であり、測定の基準も>>続きを読む
ちあきなおみを思い出した。(役に)感情移入しすぎてしまうアーティスト。
役になり切るあまりに、OKテイクのあともずっと泣き続けていたり、共演した相手を次々と好きになったり。
ちあきなおみも、夫、>>続きを読む
ビスコンティ監督の退廃的な作品、ナチスの台頭を背景にした『地獄に堕ちた勇者ども』や、リリアーナ=カヴァーニ監督の『愛の嵐』(これもナチスのコスチュームでヌードも披露した)を思うと、感慨深い。
その>>続きを読む
現実の切り取りかたと、組み立てかたの面白さ。
会話というより対話(ダイアログ)の緊迫感。
さすが、ダニー=ボイル監督とアーロン=ソーキン脚本だ。
人格的にはかなりエキセントリックで問題のあるス>>続きを読む
『スクール・オブ・ロック』より、エミネムの『8マイル』に近い。
廃工場が並び、廃れたデトロイトを舞台としたエミネムの半自伝映画と、コンプトンというアメリカ屈指の犯罪都市から、ギャングスタ・ラップを>>続きを読む
オープニング音楽からして「007」で、これはその裏返しパロディ。
スマートなイケメンに対して、太ったおばさん、華麗に世界を股にかけるエージェントに対して、サポートの内勤などだ。
しかし、その主人>>続きを読む
作品をいくつも観ていないと、評価しにくい孤高の監督だった。
『M★A★S★H』の衝撃、オープニングから今までの戦争映画とは違うノリで、ブラック・ユーモアだが、感動も誘うということに驚いた。
『三>>続きを読む
ドラマツルギーとか、異様な盛り上がりのある映画ばかり観ている(作っている)、ハリウッド映画とは違う。でも、味わい深くていい。
原題にはない、副題の「ハカリしれない人生のこと」がテーマを表している。>>続きを読む
聖性があるばかりに、へたに悪意がなく誰とでも寝てしまうことで、迷惑をかけてしまう。
家族が翻弄されていく物語は、パオロ=パゾリーニ監督の『テオレマ』を想起させる。あっちは、美青年が母とも娘とも、父>>続きを読む
前編よりは楽しめたが、破綻が多すぎた。
死んだと思った人が、生きていたり、それが何人もいたり。
漫画原作が終了していないのだから、映画独自な巨人誕生の秘密など、この世界観と設定は「あり」だとは思>>続きを読む
『シンゴジラ』はあんなに面白かったのに、同じようなスタッフでも何でこんなに、評価が低いのか。
悪趣味で、実写で観たくない内容なのだ。
人が食べられたり、巨人といえども頭が潰されたり、うなじが切断>>続きを読む
仲里依紗、一児の母。『ゼブラーマンーゼブラシティの逆襲』で三池監督と組んだときから、いやらしい描写も「上等」だったが、純情な役と兼任で今でもやっているのは凄い。
そして、菜々緒。ヒロインであるはず>>続きを読む
ちょっとしたプロパガンダ映画にして賛歌。
事実を元にしているが、なかった社歌を創作するなどもあり、社史のような態様だと思った。
時系列が前後するので、なんだかわかりにくいこともあるが、社史の視点>>続きを読む
これはシカゴが舞台ではあるけれど、インドの刑事役二人が主演する『DHOOM』シリーズ3作目で、原題は『DHOOM:3』だということをふまえて見なければならない。
しかし、悪役のアーミル=カーンが凄>>続きを読む
予告編では、人間の出るドラマ部分ばかりだったので、SF色は今ひとつかと考えていたら大違い。
クライマックスの宇宙大戦は、CGとはいえすさまじかった。さすが、ルーカスフィルム、さすがディズニー映画だ>>続きを読む
落ち着いた『蜜のあはれ』の前の、激しい原点回帰。
『狂い咲きサンダーロード』『爆裂都市』につながるテンションの高さ。
しばらく映画を撮ってなかったが『ネオ・ウルトラQ』で繋いで、渋川清彦もそこに>>続きを読む
2004年といえば『あまちゃん』よりこんなに前だったのか、松田龍平。
いい意味で、キャラクターが今もほとんど変わっていないのに、驚いた。
監督の松尾スズキ、よくこんなものを選んだな、すばらしい。>>続きを読む
レンタル店の「コメディ」コーナーに置いてあった(しかも『テッド2』の隣)ので、そんな映画だと思って見始めたら、違った。
なんだ、この緊張感は。
アメリカ=ハリウッド作品にない、家族コメディには絶>>続きを読む
題名から『シンシナティ・キッド』や『ハスラー』のような博打打ちのスタイリッシュな映画だと思っていたが、大いに違った。
ポスト西部劇とか、西部劇の反対像とか言われているが、そういうもの抜きで「アルト>>続きを読む
土着とか、地縁とか、血縁とか、悶々とした青春とか、性に対するあこがれと失望とか、ともかく青い。青臭い。
主演の江藤潤は、その名も『純』という作品にも主演している。
その垢抜けなさが、時代に合って>>続きを読む
アンドレ=ブルトンらによる『シュールレアリズム宣言』を白水社の文庫クセジュで読んだときの衝撃を忘れない。
現実を表現するには、リアリズムでは限界がありそれを超える=シュールということを「1924年>>続きを読む
吉田喜重監督の『エロス+虐殺』はインテリ特有の難解さが全面に出過ぎていたが、こちらは情念と情熱にあふれていた。すごい。
長回しも、展開も予断を許さない。
馬跳びのシーンはどう終わるのか、絵沢萌子>>続きを読む
不朽の名作。『未知との遭遇』では、人道的な学者役のトリュフォーの半自伝映画。
監督自身が感化院に何度も入れられたり、軍隊入隊も脱走して罰せられたり、後の風貌とは異なる、まさに「反抗的」な人物だった>>続きを読む
驚いた。もう今では作れない異色の作品だった。
1963年がポイントだ。競輪が一大レジャーだった時代。
ここまで協力的だったとは。松戸競輪場を中心に他も出てくるのに、ハマった者の悲惨さも描写されて>>続きを読む
ただひたすら、せつない。
主演のヒース=レジャーも、相手役のジェイク=ギレンホールも、妻役のミッシェル=ウィリアムスも、みんなせつない。
後にヒース=レジャーとミッシェル=ウィリアムスは実際に結>>続きを読む
どうせ『ハリーポッター』初期のような「ファンタスティック」映画だろ?とたかをくくっていたら、面白かった。
主演のエディ=レドメインについては『リリーのすべて』の熱演を見たせいで、今回はよけいに爽や>>続きを読む
1981年『のようなもの』、1982年『シブがき隊ボーイズ&ガールズ』『(本)噂のストリッパー』、そしてこの映画のあとすぐが傑作『家族ゲーム』という、森田芳光監督の上昇時代だ。
懐かしい。『永い言>>続きを読む
これは凄い。凄い時代だった。
『トラック野郎』シリーズを監督した鈴木則文は、終生、俗っぽさを守り続けた。
その監督が筑摩書房のPR誌で連載を持つ日が来るとは、いい意味で時代も変わったものだ。
>>続きを読む
大映の大社長、永田雅一が憤怒を「ふんど」と呼び違えたからこうなった題名らしいが、音楽が軽くて凄すぎた。音楽抜きで、考えよう。
ついでに、つじつま合わせのような設定も、違和感のある熊の着ぐるみも忘れ>>続きを読む
ポスターの惹句からバスジャックが強い印象に残るが、違った。
「母性」でも「父性」でもなく「親性」の映画だった。
主人公二人が女の子を預かることで、親性を有していくようすが描かれていた。過去に家族>>続きを読む
四姉妹がキャッキャとじゃれてるシーンがあるだけで、許してしまう。
コルセットの紐を締め合ったり、縁談があったりは原作と同じでも、その後はブーツやガーターにナイフを挿し、少林寺拳法の組手をする。
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ずっと頭から離れない映画。
冒頭からアヴァンギャルドでヒッピーで、フーテンで、アナーキーだ。
性も暴力も、常識では抑圧すべきものなのだが、ここでは主演の、頭のネジが外れた「ネジ子」と積極的に死に>>続きを読む
西川美和監督の独壇場な、とげとげしいセリフがいっぱい。
冒頭から、中盤も、物語の節々で登場する。
本木雅弘がまた、身も蓋もないことを口走る。それが哀しくなってくるところが凄い。
原作ものでなく>>続きを読む
痴漢シーンはじめ、駅でのもゲリラ撮りの面白さ。
主演の蛍雪次郎の怪演に、今回はグリコ森永事件を題材にした、タイムリーさ。
リアルタイムでたくさん見た。
画面に向かって話す演出など遊びに満ちた演>>続きを読む
ジブリや、新海誠だけ見てる場合ではない。
これこそ、みんなが見た方がよい作品だ。特に偉い人が。
主人公が天然ボケで、思ったことをすぐ口にするので、逆に事態を客観的に見ることができる。
悔やんで>>続きを読む