ホイッスルさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.1

東京フィルメックスにて。

パナヒ監督が本人役でリモートで演出する劇中劇と、滞在する国境近くの町でのあれやこれやと。
どこまでがフィクションでどこからがドキュメンタリーなのか、痛烈な叫びが込められてい
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.2

今泉力哉監督、オリジナル脚本作品。

稲垣吾郎さん主演ということで、彼が存分に今泉ワールドに溶け込んでいて、その一方でどこか人間味がないように見える不思議な存在感を放っていて、いい化学反応が起きていま
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.9

中学のひとクラスに密着したドキュメンタリー「14歳の栞」で鮮烈なデビューを飾った竹林監督の2作目は、前作からガラリと趣を変えた、タイムループコメディでした。

この手のタイムループ映画は「ハッピーデス
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彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

3.9

東京フィルメックスにて。

群青いろ作品初鑑賞でした。
割と社会派なセリフもありましたが、映像がとても綺麗で、マイルドなのかソリッドなのか、不思議な作風でした。
後半の展開の付け方が結構好きで、クセ強
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ホテル(2022年製作の映画)

3.4

東京フィルメックスにて。

コロナ禍の入り口でホテルに閉じ込められた人々を描いた、モノクロタッチの人間劇でした。
かなりカラッとした仕上がりで、感情的過ぎず、淡々とし過ぎず、丁度いい温度感でした。
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.1

マ・ドンソクがプロデューサーに入ったことにより、前作にも増して、マブリーのマブリーによるマブリーのための映画、的な側面が色濃く出ていました。

アクション面も前作からパワーアップしていて、"マ・ドンソ
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同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

3.7

東京フィルメックスにて。

母が娘に手をあげるシーンには目を背けたくなる場面もありましたが、二人の関係性や母親の職業、ストーリーなとが緊張感のあるバランスの中で均衡を保っていて、見応えのある作品でした
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世界が引き裂かれる時/クロンダイク(2022年製作の映画)

4.1

東京国際映画祭、ワールドフォーカス部門にて。

2014年のウクライナを舞台にした作品ですが、これが今から8年前の実話から着想を得た作品ということが信じがたいですし、現在の社会情勢も相まって、本当に恐
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ザ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.6

東京国際映画祭、ユース部門にて。

昨年の同部門「私たちの永遠の夏」同様、A24の匂いを感じるティーンムービーでした。
タイトル通り水をテーマにした作品で、どこか宗教的な世界観が感じられたため、Q&A
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セルヴィアム 私は仕える(2022年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭、ユース部門にて。

カトリック系の寄宿学校が舞台…という極めてユース部門らしい設定の作品ですが、意外にもホラー風味の演出が印象に残る作品でもありました。
寄宿学校のことや宗教的なことで
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ヌズーフ 魂、水、人々の移動(2022年製作の映画)

3.2

東京国際映画祭、ユース部門にて。

戦争に巻き込まれた人々を描く上で一つの家庭にフォーカスする…という、何年か前のTIFFで観た「シリアにて」と近しい設定の作品でした。
戦火により家の壁や天井に穴が開
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孔雀の嘆き(2022年製作の映画)

3.4

東京国際映画祭、コンペティション部門にて。

スリランカの社会問題に正面から向き合った、骨太な作品でした。
現実に起きている問題をガッツリと描いており、その一方でドラマ的な演出もされていて、興味深かっ
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コンビニエンスストア(2022年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭、ワールドフォーカス部門にて。

あらすじで"裏側で展開する恐るべき事実を…"と記されており、ある程度予想のついてしまう導入ではありましたが、中盤以降の展開の持っていき方は興味深かったで
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭、ワールドフォーカス部門にて。

多民族国家ルーマニアを舞台にした社会派のドラマで、かなりシリアスで皮肉的な一本でした。
社会的な背景などを掘り下げて理解したいタイプの作品だったので、Q
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アヘン(2022年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭、アジアの未来部門にて。

宗教を題材にした、5本の短編からなる77分の短編集。
一人の監督が撮影した5本をまとめた作品ではあるものの、驚くほどジャンルもテイストも違う5本で、新感覚のイ
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アシュカル(2022年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭、コンペティション部門にて。

映画祭公式のあらすじが"ジャンル映画に政治的メッセージを注入した異色の監督デビュー作。"とのことで、過剰でわかりやすい作品かと勝手に勘違いしていたのですが
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.8

東京国際映画祭、アジアの未来部門にて。

街中から姿を消しつつあるネオン灯の儚さと、夫に先立たれた妻の哀しみとがシンクロした、美しい作品でした。
その一方で、湿っぽくなり過ぎない程度にクスッと笑える場
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蝶の命は一日限り(2022年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭、アジアの未来部門にて。
個人的にTIFFのイラン映画は打率が高いなと感じており、本作も中々に堪能できた一本でした。

映画祭公式サイトのあらすじがかなり淡白だったので"アート系の難解な
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.8

ここ数年で何本も観てきたマ・ドンソク出演作品の中でも、かなり好きな一本でした。
アクションがかなり魅力的で、腕っぷし一本で相手を薙ぎ倒すマ・ドンソクはもちろん、敵味方入り乱れる乱闘シーンや終盤の加速度
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RRR(2022年製作の映画)

3.8

「バーフバリ」監督による新作は、相変わらずの長尺(179分)で描く、超特盛りエンタメ大作でした。

タイトルインまでのオープニング、インターバル前の大立ち回り、ラストのゴリゴリな展開、全部大好きでした
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エスケープ・ルーム2:決勝戦(2021年製作の映画)

3.6

コロナ禍突入直前に公開されていた「エスケープ・ルーム」、気付いたら続編が配信リリースされていました。

前作同様に「CUBE」の影響を直に受けたと思われる、そして前作にも増して一本道なストーリーを前作
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神田川のふたり(2021年製作の映画)

3.5

不思議な作品でした。
「れいこいるか」など映画Twitter界隈で何度もお名前を拝見している、いまおか監督の新作とのことで、今回が監督の作品初鑑賞でした。
勝手にシックでミニマムなザ・単館系映画だと思
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.7

「ちはやふる」小泉監督による数年ぶりの新作は、再び和のテイストが強い題材を選んできました。

キレイな三浦友和さん、明るい河合優実さん、幅広い役を演じているお二人なだけに、どこか新鮮な感じすらありまし
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オカムロさん(2022年製作の映画)

3.4

未体験ゾーンで流れるような映画を日本で製作したような、低予算ながらどこか惹かれる部分がある一本でした。

序盤はテンポよく場面が切り替わるので結構好きでしたが、後半はもう少し伊澤さんのアクションを堪能
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト(2022年製作の映画)

3.4

MCU、まさかのホラー中編。
いい意味でMCUらしくない作品も並んでいるフェーズ4の中でも、特に異色な作品でした。

特別番組的な立ち位置の「マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション」の作品
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カラダ探し(2022年製作の映画)

3.2

原作は第1章(だいたい今回の映画化の範囲)のみ読んでいたのですが、設定から後半の展開まで、かなり原作から改変されていました。
ホラー要素の強かった原作から青春映画の色をメインに変換したことで、原作にあ
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.3

脚本の劇作家・根本宗子さん、気になっていたものの舞台を見に行ったことがなく、一話だけ脚本を担当したドラマを見たことがあるのみで、今回が事実上の初挑戦でした。
舞台のフォーマットを映画に落とし込んだ感じ
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百花(2022年製作の映画)

3.4

スルーしかけていましたが、海外の映画祭で賞を取ったとのことで鑑賞。
今村圭佑カメラマンにより長回し気味にじっくり撮られた映像はとても好みでしたが、演出面で「ファーザー」っぽさを感じる部分もあり、全体的
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

3.6

ドリームワークスの新作は、ハイテンポなストーリーで楽しめるエンタメムービーでした。
各キャラのキャラ付けや造形は興味深かったものの、同じく動物がメインキャラだった「ズートピア」などと比べると、中盤以降
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

3.6

初鑑賞。
製作年代を考えると破格の映像美ですが、3部作の一作目ということもあってか、若干の物足りなさも感じてしまいました。
とはいえ、特別テンポが速いわけではないのに3時間近い上映尺を感じさせないのは
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わたしたちの家(2018年製作の映画)

3.2

「夏時間」とか「星空」みたいな子どもの目線で描かれる作品でしたが、ちょっと一本道過ぎたかな、と感じてしまいました。
92分とコンパクトにまとめた点は好きですが、子どもの目線で家族を描いたアジアの名作た
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.6

あらすじが一行だけ…という異色の作品ですが、これが中々に味わい深い作品でした。
一筋縄ではいかない作品でしたが、難解な印象もあるフランス映画としては見やすい方だったんだと思います。
映画祭とかで出会っ
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.5

82分と短めの尺を一直線に駆け抜ける作品でした。
ところどころで挟まれる過去パートの奈緒さん、とてもよかったです。
永野芽郁さんは「仮面病棟」「地獄の花園」に続いてパブリックイメージを崩すような役柄で
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ミューズは溺れない(2021年製作の映画)

3.6

SHISHAMOのMVでもお馴染みの上原実矩さん、「アイスと雨音」の若杉凩さん・森田想さん、個人的にはどハマりな布陣の作品です。

会話シーンの切り返しなどから監督の真面目さが垣間見得たかと思ったら、
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1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)

3.3

ダンテ・ラム、ツイ・ハーク、チェン・カイコー、中国映画界の名匠たちが集結した、愛国的戦争映画。

「オペレーション・レッド・シー」のエクストリーム版かのような、とにかく景気良く爆発や銃撃戦が巻き起こる
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.1

「四畳半神話大系」も「サマータイムマシンブルース」も大好きで、本作の原作小説も大好きで。
ディズニープラスで配信されているアニメも最新の3話まで視聴済みなのでストーリーの半分くらいは既に見ている状態で
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