なまくらウォッチメンさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

なまくらウォッチメン

なまくらウォッチメン

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

4.0

久々に観返したらあまり楽しめなかったが、今作がそもそも90年代のスタローン低迷期(筋肉バカ俳優と舐められた時期)を踏まえて作られた作品で、そもそもリアルタイムで観てるかどうかで評価が大きく変わるもので>>続きを読む

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

4.2

面白い
初っ端から家を失って現役を引退し、愛弟子を手に入れたと思いきや家庭不和に陥り、挙げ句の果てに弟子の育成にも失敗する、正に1作目以来のどん底を経験するロッキー
生意気な弟子を興行ではないリング外
>>続きを読む

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

3.8

再鑑賞

色々と変な映画ではあるが、俺にはリングしか居場所が無いんだ!とアポロとロッキー、そしてドラゴが戦士としての矜持に目覚めていくのが良い(ドラゴはもう少しドラマが欲しいが)
この辺りは『ランボー
>>続きを読む

ロッキー3(1982年製作の映画)

4.3

やっぱり超面白い
ロッキーの内向的な男の弱さに向き合う、という意味でスタローン監督脚本の良さが十二分に活かされてる
そして何よりロッキーとアポロのブロマンスが最高
ラストに関しては間違いなくシリーズの
>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

4.2

かなり久々に観返したが記憶よりかなり良かった
ロッキーとアポロ、どちらも負けられない戦いという意味ではラストの試合は前作を凌いでいる
アポロのキャラクターも今作からより掘り下げられていて深みが増してい
>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

4.2

改めて言うこともなし

エリア・カザンの『波止場』を観てからの『ロッキー』は沁みるものがある

タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

4.0

面白かったけど、いつも以上にストーリーラインのない構成で拍子抜けした
エンドクレジット後のシーンとか、昨今のヒーロー映画への皮肉としては良かった

戦隊ものなのにほん怖話で駄弁るシーンに映画の半分くら
>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.1

以前と観た時と感想はほぼ変わらず
フィリップ・マーロウの映画の中では1番面白いと思うが、マーロウが捜索する親友テリーの描写が少ないのが本当に勿体ない
ここのブロマンスを強調出来ていればラストももっと痺
>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.3

面白い
『反撥』×『こわれゆく女』のようなニューロティックスリラー
アルトマンらしい群像劇ではないが、ほぼ屋内という限られたシチュエーションの中での3人以上による会話劇の見せ方が抜群に上手い
アルトマ
>>続きを読む

息もできない(2008年製作の映画)

4.4

何度か観てるがやはりラストが素晴らしい
私は今作を韓国版ネオレアリズモだと捉えていて、儒教文化から連なる家父長制の暴力と貧困から生まれる弱者への暴力による終わりのない怨嗟を全編に渡って描いている
そし
>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

4.3

主人公が起こした脚本家殺人事件をめぐるサスペンスから始まり、やがてハリウッドの陳腐なクリシェや制作背景を皮肉るメタ的な風刺コメディへとスライドしていく
冒頭の『黒い罠』オマージュやスター俳優陣を始め、
>>続きを読む

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

3.7

川縁の長屋を舞台に、生にまつわる食と生と隣り合わせである死を、訳ありの登場人物たちを通して描く群像劇
各々の死生観が見えてくるのと美味しそうな食事描写は良かったが、後半の感傷的な人間賛歌は好みではなか
>>続きを読む

ザ・ベイビー/呪われた密室の恐怖(1972年製作の映画)

3.8

身体のみ成人した男を育てる家庭にソーシャルワーカーの女が訪れることから始まるサスペンススリラー
成長を許さない過保護すぎる母親と赤ん坊に謎の執着を見せるソーシャルワーカーの異常性が面白かったが、中盤の
>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.2

面白い
『要塞警察』的な籠城もの×女性主人公のハードボイルドとしてなかなかの良作
70年台風の犯罪映画のような渋い語り口と四つ巴の対立で話を転がしていくのが巧い
終盤は綺麗に伏線を回収しすぎる窮屈さが
>>続きを読む

失われた週末(1945年製作の映画)

4.3

ビリー・ワイルダーらしい軽快さはあまりないが、アル中沼に陥った主人公が現実逃避という後ろ向きの破滅に前のめりに突き進んでいく面白さがある
終盤の病院脱出もさりげないながらアクションとしての見せ場になっ
>>続きを読む

間違えられた男(1956年製作の映画)

4.3

実録ものということもあってかヒッチコックらしいサスペンスではなく、かっちりと作り込んだ画作りとユーモアなしで延々とひりつく緊張感が漂う冤罪ものの傑作

とことんリアリズムで突き詰めた巻き込まれ不条理劇
>>続きを読む

フリークスアウト(2021年製作の映画)

3.9

予告よりはシリアスな内容だったが面白い
フリークスvsナチスと言う単純な構造だが、敵のナチスサーカス団の団長がある種マイノリティであり、そこへ身体障碍者で構成されたレジスタンスが加わるマイノリティの三
>>続きを読む

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)

3.9

当たり的に殺人を起こしてしまった主人公がそれをネタにゆすられる巻き込まれサスペンス
二転三転するツイストがよく効いている良い脚本だが、サイレントからトーキーの中間の実験的作品ということもあってか本題に
>>続きを読む

救命艇(1944年製作の映画)

3.7

冒頭1分程度でワンシチュエーションとしての舞台設定の提示を済ませる手腕と矢継ぎ早に状況が変わる序盤こそ素晴らしかったが、中盤以降は人物間の関係性の変化こそあれ、目に見えてテンポが失速して残念
『逃走迷
>>続きを読む

飢ゆるアメリカ(1933年製作の映画)

4.4

面白い

WWIから世界恐慌、赤狩りと諸行無常なアメリカ情勢に翻弄される男の不条理劇
利他的な「資本主義の歯車」である主人公は功績を讃えられる一方で路頭に迷う顛末を迎え、父親に憧れそれとは知らず「歯車
>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.3

『10番街の殺人』×『タクシードライバー』×『ドラゴン・タトゥーの女』のような実録サスペンス

浄化と称し聖地で娼婦連続殺人事件を起こす連続殺人鬼とそれを追うジャーナリストの視点を交え、やがて法廷劇へ
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.4

過去鑑賞

アートについての映画であるが、創作者は登場せずそれを取り巻く人々について描いていることが肝の映画
居心地の悪さを感じさせる長回しが特徴的で良い

ラスト・シューティスト(1976年製作の映画)

4.2

ドン・シーゲルらしい展開の速さは鳴りを潜めてるが、ジョン・ウェインの遺作=西部劇の終焉を描いた作品としては見事
劇中で「投げる」アクションを反復し、最後にそれを回収してくる手際も素晴らしい

『グラン
>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.1

アロノフスキーの過去作と同じ、何か一つのものに取り憑かれてしまった人間の話
今回で言うと復讐が生きる目的になった『白鯨』のエイハブを登場人物たちに準え、作中でも言及している通り『白鯨』そのものの脱構築
>>続きを読む

旋風の中に馬を進めろ(1965年製作の映画)

4.2

面白い
『ワイルドバンチ』以前にニューシネマ要素を取り入れた西部劇
冤罪を着せられ自警団に追われるガンマンたちが民家に潜り込み、そこで更に犠牲が発生し…と不条理サスペンスとしてよく出来ている

勧善懲
>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.2

ビックリするくらいつまらなかった
アケルマンの作品はどれも冗長性がありそれが良い方向に働くこともあるが、今作でそれが活きてたのはせいぜい序盤くらい

まあ『ジャンヌ・ディエルマン〜』の前身的な見方もで
>>続きを読む

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.0

アケルマンの言いたいことは分かるし、それが映像として実現できているとも思うが、私はこういうアンディ・ウォーホルみたいな前衛が苦手
これは眠い

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.7

アケルマン自身の体験に準えたであろう、抑圧されたものの解放を描いた短編
とはいうものの、正直アケルマンが可愛いだけの映画であり、それで十分とも言える

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

何ともシャマランらしい作品だったが面白くない
虐げられた過去を持つものの正当性を描いているのはいつものことだが、その種明かしがあまりに早すぎで、これだけで映画全編牽引するのは流石に無理がある

テーマ
>>続きを読む

ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

ただでさえアルジェント作品は劇伴がうるさいのに、カーチェイスシーンになるともっとうるさくなって笑った

内容は正直面白くはない
盲目になってしまった主人公と殺人鬼が起こした事故に巻き込まれ孤児になった
>>続きを読む

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

4.2

面白い
昼ドラ的なメロドラマと軽喜劇的なミュージカルの食い合わせは良くないが、やはりアケルマンは撮影と動線の設計が天才的でワンシチュエーションにも関わらず最後まで画が飽きない

ドラマからミュージカル
>>続きを読む

ファミリー・プロット(1976年製作の映画)

3.0

完全に出涸らしになったヒッチコックを見てるようで全編セルフパロディみたいなのがちょっと悲しかった
唯一墓地の俯瞰ショットの使い方が巧くてここは良かった

トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.3

面白い
ダルデンヌ兄弟によるネオノワール
貧困から抜け出すために犯罪に手を染めた姉弟が、どんどん泥沼にハマり状況が悪化していくサスペンスとして見応えがある

いつものドキュメンタリータッチではあるがし
>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.3

今作で1番賞賛したいのはとにかくテンポが良すぎること
ならず者になった主人公の経緯の説明から始まり、主人公の娘が捉われ、娘を取り戻すために相棒と共に旅をしながら魔法使いとドルイドを仲間にする…
という
>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.8

序盤は貨物船内での警察vs犯罪者のバトルロイヤル、中盤は改造人間の乱入によるスリラー…状況が二転三転していき娯楽アクションとしてサービス満載

個人的には改造人間がユニバーサル・ソルジャーみたいで好き
>>続きを読む

ピストルと少年(1990年製作の映画)

3.2

ジャック・ドワイヨンは『ポネット』もそうだが、役者の技量に依存しすぎて撮影がおざなりなのが好きではない
あまりに寄りのカットと同じサイズの画ばかりで工夫がなさすぎるし、それに意図があるかと思えば微妙に
>>続きを読む