橘さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

面白かったです。もちろん、「楽しい」の面白かったではなく、「観ながらも観た後もぐるぐる考える」の面白さでした。
格差って永遠に埋まらないし、階級が下の人は格差をビシバシ感じてても、階級が上の人は意識す
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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

レクター博士の底知れない空気が好きです。
羊たちの沈黙の前日譚に当たるのですね。面白かったです。

レクター博士を逮捕した捜査官が、事件解明の協力をレクター博士に依頼してるけど、やっぱり博士を逮捕する
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.5

日々の積み重ねが人生。普段は意識してなくて、特にこんな世界だと毎日生きていくので精一杯だと思うけれど、こうやって一旦振り返ってみると随分と遠くまで来たなって。
おじいちゃんだから台詞なくて表情とか仕草
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日本の夜 女・女・女物語(1963年製作の映画)

3.4

ナレーションが底抜けに適当なのでそれでマイルドにされてる感じだけど、過酷です。真剣に観てしまいました。
ドキュメンタリーと思ってたけど演出のところもあるな…アパート遊びはさすがにやってないでしょうよ。
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.7

切ないのもあるけどつらい。
映像は自然は綺麗だし街中もお洒落だし、男娼たちは美男子だし…で目は嬉しいけれど心が痛いです。

リバー・フェニックスさん演じるマイクの気持ちがダイレクトに伝わってきて悲しい
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.0

良い空気でした。大切な人が突然奪われた深い悲しみはあるけれど、穏やか。

姪のアマンダの子が素晴らしかったです。
美少女じゃないけれど、表情や演技が繊細で。他の役者さんにも言えるけど、すべてが過剰じゃ
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人間の証明(1977年製作の映画)

3.5

「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」。原作は既読ですが色々と改変されてて…随分とトントン拍子に捜査が進むのね、と思いました。ストゥーハ=麦藁帽子が早い。。
特に恭平の遺留品が舶来物の時計にな
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ハレの夜(2020年製作の映画)

2.3

ストーリーはすこぶる微妙で主人公に苛々しかしない。ブラックコメディとありましたがコメディ要素ゼロ。色々駄目だ!
「元カノは旦那に浮気されて離婚してほっとけなくて…」って今カノに同じ事してるの気付いてな
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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.6

平手友梨奈さんの作品、ってくらい彼女で画面が強いです。平手さんは好きなので、予想してたより楽しく観ました。
平手さんが強過ぎて、てちさんとその他、みたいになってたのが勿体なかった…もっと掘り下げて!み
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.1

「許そう。でも忘れないぞ」
ひたすらハイテンションだけれど物哀しいという稀有な空気…画面はキマりまくってるし凄い時間でした。

主人公?はナチスドイツから逃れる為に仲間と地下に潜って武器を作り続け、友
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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

『シャッターアイランド』と似たようなお話…と思ってたらこちらはエドガー・アラン・ポーによる原作がある。「タール博士とフェザー教授の療法」_φ(・_・

主人公のエドワード・ニューゲート医師(白吉っちゃ
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

舞台の雰囲気は好きです。孤島の精神病院。
この頃の精神病院にしては進歩的だな、ロボトミーでもなく薬漬けでもなくベッドに縛り付けるでもなく対話を重視とは…院長先生がかなり凄いのか、って思っていました。孤
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Yes-People(2020年製作の映画)

2.9

“yes”しか言ってなくても、表情・声のトーン・仕草とシチュエーションでどんな意味を含めてるのかわかるの凄いな。。
アニメーションだけれどちょっとブラックなのも良いです。

若くないので、ガラスの仮面
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ファウスト(1994年製作の映画)

3.8

ヤン・シュヴァンクマイエルの鑑賞2作目。
こちらもどうかしてて良いです。
不思議の国のアリスと違って、ファウストは大筋しか知らないので独自解釈等は解らず楽しみました。
実写と人形劇みたいなのが混在する
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ビョルン・アンドレセンの人間離れした美は影も大きくて、人を圧倒させもしたけど護られずに搾取されてきてその後の人生全部狂ってしまって。
のめり込み過ぎて泣きそうだったけれど、日本でビョルンが歌わされてる
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SP 革命篇(2011年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

議会中の国会議事堂を遂に尾形さんたちが占拠。そうか警備員って武器を装備してないんだ…この頃だからかな?警棒すら持ってないっぽい。軍事のプロなら建物制圧も早いだろうな。飛び道具あるし爆弾も何かと準備して>>続きを読む

SP 野望篇(2010年製作の映画)

3.6

久々に観ました。ドラマの記憶は朧。
のっけから外見が最高な頃の綾野剛さんが盛大に無駄遣いされててびっくり。出演してらしたんだ……今も格好良いけど髪長い頃の得体の知れなさが半端なくてたまらん。。

岡田
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『ヒップ』なブランチ(2013年製作の映画)

3.3

“ヒップ”って時折目にする言葉だけど意味わかってなかったのですが、「クール」に近い意味なんですね。
承認欲求とかマウンティング?のために最先端でお洒落で良い感じのご飯を食べに行く…って面倒くさい。
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アリス(1988年製作の映画)

3.7

可愛さと気持ち悪さが絶妙で好きな世界です。
アリスが微妙に愛くるしくなくて、何でも口に入れるし投げるし引出しの取手は基本的に取れるし…可愛い。これくらいタフネスじゃないとこの世界は生き抜けない。。
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ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

3.0

イタリアでヴァカンス取りたい…という現実逃避で流し見。ストーリーはないので問題はありません。
建築とかの街並みと光とファッションと、素敵でした。折り紙大きい。

推定10歳くらいの少年…「ごく普通の生
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.0

2022年1作目はハートフルなものを、と思って選びました。
良い映画でした。感動して泣くことは無いので泣きはしないのですが、しみじみと良い映画だ…と思いました。

主人公のオギーくん、ぱっと見はびっく
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累 かさね(2018年製作の映画)

3.6

思ってたより楽しみました。
ニナと累の演技合戦…土屋太鳳さんも芳根京子さんも、ちゃんとニナと累を演じ分けられてて面白かったです。今中身がどっちなのか混乱しない。
芳根京子さんの演技力の高さは存じていま
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.7

続けて2も。前作から5日後って…休ませてあげて。。短期間だし名前もつけてないけど、その割に犬は懐いてる。おりこうさんでかわいい。

前作より動機はまともな気がするけど、殺し屋さんの多さにうわぁとなりま
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

Twitterで見かけたキアヌ・リーブスの身も蓋もないインタビューのコメント「復讐をしてもしなくても大切な人は帰ってこないので、復讐した方がスッキリするんじゃないかな」が全て…な映画でした。
深く考え
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女王蜂(1978年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

市川崑の金田一作品で楽しみにしてる陰鬱な旧家感はあまりなかったけれど、時計館は素敵。
人間関係もドロドロしてて満足でした。
壮観な市川崑版金田一作品群の中ではおとなしい気はしますが面白かったです。
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

5.0

「大友克洋全集」発売記念で28日までYouTube公開されているという報を得て。
圧倒的でした。世界観もストーリーも画面も。この作品を理解するのはわたしの力では到底無理ですが、掘りたいような、理解を放
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ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.3

これはわたしが悪いんだけれど先に原作を読んでしまったので、この作品を映像化するにはこうするしかないんだろうけど別物で悲しい…となってしまいました。
映画も落ち着いた良い作品でした。原作の良さが3分の1
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ライオット・クラブ(2014年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

美しくて腐ってるけど気高くはないなぁ…これまでも、この時も。これからも彼らが気高くなれる事はないでしょう。
見てくれが良いし家柄良いしお金持ちだし、学歴とコネも持つことが出来たからって、ここまでやらか
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

目が離せませんでした。重い…けど、目に留まってないだけでこういう家族あるんだろうなと思います。
行政や福祉に頼れば…というのは簡単ですけど、たぶんこの兄妹は行政に認識されてないのでは?と思いました。民
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

しょんぼりしている時はマブリーで気持ちを上げて。
(最近こういう類の書き出し多いのは気の所為じゃない程、疲れています。。)
面白かったです。

マブリーのラブリーさはあまり無かったですけど、ドンソクパ
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脳男(2013年製作の映画)

3.4

生田斗真さんの無機質さも勿論良かったけれど、二階堂ふみさんの空気が好きでした。ナチュラルにどうかしてて良い。
二階堂ふみさんと太田莉菜さん(メイク濃すぎて終盤でやっと気付いた)のペア好きでした…破壊衝
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

3.9

19歳の少年と79歳のお婆ちゃんの恋愛もの。真剣に恋愛もので良かったです。
モードはちゃんと(美魔女とかではなく年相応な)お婆ちゃんだけど、ファンキーでキラキラしてて素敵。破天荒過ぎるけど、ハロルドに
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ロリータ(1962年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

何処かサスペンスタッチ…それでも少女に狂って堕ちていくおじさんの悲哀は物悲しく滑稽でした。
ロリータは若く溌剌としてて妖艶で、でも想定してたより年齢層高め?ハイティーンくらいの印象でした。原作よりも年
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ポッポー!(2019年製作の映画)

3.0

ブラック。
主人公の男は鳩時計に住んで時間を知らせて寝ているお婆ちゃんを起こして、彼女に薬を飲ませる役目。
この人生、幸せなんかなと思ってしまいました。
起こせなかったことでお婆ちゃんの容態が急変し、
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

“ジャックの家”を作るための12年間の軌跡。
って纏められそうですけど血塗られてて理解不能…サイコパスってあんなに話通じないんだ、と思いました。
途中で挟み込まれる絵画や建築物、大好きグレン・グールド
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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

美しくて哀しい。好きでした。
永遠に歳を重ねる事もなく、死ぬ事もない…というのは地獄だなと改めて思いました。かなりの修羅。
レスタトやアーマンドの劇場にいた面々、元々の気質もあるかもしれないけど快楽殺
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