一度目観た時はぴんとこなかったけれども、二回目は染みた。全体を覆う不穏な空気と緊張感。行き場のない思い。感情をあらわにすることのない主人公はファーストシーンから観客の共感を拒んでいるようだが、この地獄>>続きを読む
欠点はあるけど、個人的には空気感が非常に好みの映画だった。実は「猫」はなんでもよくて、要は孤独な人々とそれを癒すものをめぐるお話で、癒す側もまた同時に癒されているのだという構図を感じた。
いい部分も確かにあるんだけど・・・。あえて今の時代にサイレント映画を撮るからには。確かにこの内容をサイレント映画で撮ることには意義があるんだろうし、現代にアップデートしたような演出も5か所位見られた。>>続きを読む
よかったです!いやー、やられた。正直にいえば最初あまり面白く感じなかったんだけれども、ラストで様々な伏線がつながった瞬間に涙がこぼれた。これはいくつかの大林宣彦映画にも通じる。確かにそれまでの序奏とし>>続きを読む
不協和音とポップスの対比や独特の絵作りに顕著だが、この映画は全編にわたって「作り物です」というメッセージを発している。ここが評価の分かれ目。特に今はまだ映画史的に評価が確立していないし。正直にいえば一>>続きを読む
映画→原作ときて再鑑賞。すごいなと思ったのは、原作も面白い小説で、いくつかの要素を再構成した後にアルモドバルの作家性を上乗せしているんだけど、どれも余分な要素に思えないこと。男性嫌悪・女性嫌悪・母への>>続きを読む
二度目の鑑賞。初見ではあれだけとっ散らかっているように見えた映画の構成が意外にもまとまっているように見えた。今回考えたのが渚カヲルの存在。若干同性愛的な描写がみられるけれど、よく考えればカヲル君は確か>>続きを読む
序盤からきちんと伝統を踏襲した時代劇としての画作りに気持ちが引き締まる思いがする。役者も概ねよかったと思うし、のぼうというリーダーシップはないものの彼の存在自体が周囲を動かすキャラクターというのもよか>>続きを読む
傑作!007シリーズのお約束事を頭に入れていくとしびれるような感動を覚えること間違いなし!とにかく見せ場につぐ見せ場の連続で、今年観たアクション映画の中では一番よかった。旧いものを継承していくぞという>>続きを読む
ナチスが月から攻めてくるという荒唐無稽な設定ながら、その実アメリカの虚をあぶりだす作りになっていて興味深かった。確かに予算の問題だろうか、ちゃちな印象は受けたが、それでもラストの人間全体を突き放した目>>続きを読む
アメリカ映画の最良な部分を継承していこうという意思が見えたし、イーストウッド像を外部からなぞったキャラ設定も嫌いではなかった。最近のイーストウッド映画の独特感から脱しエンターテイメント方向に振れている>>続きを読む
やっぱり、いらいらしている時には銃でもぶっ○したいと思うし、マナー違反している奴を見かけたらぶっ○したいとは思っちゃったりします。そういった思いを映像化しただけでえらいと思います。ただ、主人公たちも>>続きを読む
おそらく、落ち込んでいる時に最も効くのはこういった映画だろう。LVTはこれまで周囲の人からは狂人と思われる人間に潜む真実について、主観的な視点で描いてきたが、近年は客観的な視点に移行している。それゆえ>>続きを読む
想像以上にシリアスで打ちのめされた。私は『マッドマックス2』は観ていないのだけれども、おそらく観ていたとしてもこの映画の青臭さは受け入れられなかったのではないだろうか。ただ、青臭いなら青臭いなりに、ど>>続きを読む
改めて感じたけれど、北野武の撮り方は未だにちょっと素人っぽい。けれども、例えば彼の絵にも言えることだが、技術的なものとは別次元で確かな世界を確立している。そして、この素人っぽさすら考え抜かれてのものじ>>続きを読む
あえて言おう、失敗作であると。監督がCoccoに惚れ込んで作られた映画というだけあって全編にCocco節が炸裂している。さながら、塚本演出とCoccoがバトルしているよう。だが、この勝負、Coccoの>>続きを読む
中盤くらいまでは意外と普通のアクション映画だなーと思いながら見ていた。半分すぎたあたりから物語がドライブしていって、後半は息もつかせぬサスペンスを 堪能!さらにラストに明かされるある真実。号泣しました>>続きを読む
怪作。前半のバトルシーンを考察する個所なんて、間違いなくほかの映画では観ることができない。時代劇なのにフルCGを用いて音楽も現代的で、しかし何も違和感のないところがよかった。ただ、後半はいくらなんでも>>続きを読む
E.Tを観たことで俺は映画を観る行為の基本に立ち戻れた気がする。俺にとって映画の原体験は子供の頃父に連れられて観たゴジラやドラえもんで、それはスクリーンに拡大された大いなる存在に対峙する行為だった。そ>>続きを読む
007のような派手なスパイアクションではなく、ひたすら腹の探り合いを描いた諜報映画。全編を通して緊張感のある演出が楽しめる。ストーリーは確かに複雑で、正直言えば1回観ただけでは理解できなかった。それで>>続きを読む
エクストリームな部分はありつつも、良質なコメディに収まっている。それよりもメッセージ部分に目を向けてほしい。世間一般で「幸せ」と定義されることだけが幸せなんかじゃない。どうか社会や他人に押し付けられる>>続きを読む
タイムスリップものとしてよりも、アーティストが(ある意味)狂気に取りつかれた作品とも読める。タイムスリップは寓意(だからSF的考証は限りなく無視されている)なのだ。現代に居場所がない者をグッド・オール>>続きを読む
国家の前では一個人は無力だということを、あくまで個人をベースに描く。実はラストでお母さんがとる行動が、おそらく意図してのことだろうけどちょっと呑み込めなかった。
基本的にはワンアイデアで進むので若干物足りない部分は残るものの、非常に印象的な作品だった。ひょっとすると「うつ」とは人間本来の姿かもしれない。それを覆い隠す鎧は人それぞれで、ただ主人公はその鎧が人とは>>続きを読む
さわやかな感動が残る映画だった。兄弟の対比がそのまま地上と宇宙の対比に重なっていて、その距離が徐々に縮まっていく様子に映画的感動を覚えた。悪人が一人も出てこないのも素敵。ただ、ちょっと画作りが安っぽい>>続きを読む
ちょっと通ぶった言い方で申し訳ないが、2012年の映画の平均値的作品だと感じた。つまり、この映画より面白いかどうかがいい映画かの判断基準。確かに面白いし、作品に見合ったサイズのアクション、ランタイムだ>>続きを読む
この映画を、クリスマスの近い時期の寒い夜に観るということに意味がある。考えてみれば救いようのない話です。手がハサミであるという設定は少々とっぴにも思えるが、初めにあまりにも幻想的すぎる映像を見せること>>続きを読む
咀嚼するのに3回かかった。正直にいえば、大林監督の考えとぼくの考えでは違うところもあるし、そこがノイズになったのも事実だった。しかしだ。それまで映画内にちりばめられた断片が一か所に集まって大団円を迎>>続きを読む
最初は極めてまじめな映画なのかと思った。大阪のはずれの売春街における負の連鎖を描いている。ただ、トーンはなんとも形容しづらい。途中、ある人物が行動を始めるところからカラーになるのだけれども、ここは本当>>続きを読む
2012年、巷で幾度となく話題に上がった作品。5回も見ている僕だが、実は以前はそこまで評価高くなかった。ただ、ある出来事があって評価が上がった。
5回目の鑑賞時に偶然、この作品について今まで>>続きを読む
1本の映画としてのまとまりは期待していなかったが、まさか本当に自己紹介だけで終わってしまうとは・・・。なんか一本の映画の前半だけを見せられた気分。こういった形式の上映が広まっている中でこういったことを>>続きを読む
今度のライダー映画にポワトリンが出ると聴いた時、ついに俺にも招待状が来たかと思った。ポワトリンが出演するウィザードパートは、「ビューティフル・ドリーマー」×「オトナ帝国の野望」みたいになっていて、これ>>続きを読む
隅から隅までバートン映画の魅力が詰まった作品。初期短編のリメイクではあるけれど、随所に彼の過去の映画を感じさせる部分があって、ある意味集大成といっても差し支えないのかも。異形の怪物たちが出てくる場面で>>続きを読む
映画を見る愉しみのひとつに、ヒーローを観ることがある。そのヒーローというのは、強さだけではなく、ある種の高潔さが必要になる。思えば、この高潔なヒーローってしばらく観ていなかったなあと思う。これだけ勇>>続きを読む
観終わった時は(ネコの取り扱い等もあって)結構嫌いだったのだけれども、時間が経つにつれてこの映画は今の自分に必要な映画だったのではという気がしてならない。この類の感覚はもうひとつ『テイク・ディス・ワ>>続きを読む
良さはわかるんです。ただ、どうも感覚じゃなく理窟で理解しちゃった感じで、大勢ののめり込みと比べると温度差を感じてしまうというのが正直なところ。多分だけど、ジョシュ・トランクは今後大傑作を撮って、彼の>>続きを読む