ピロシキさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

ピロシキ

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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.9

一作目から、やろうとしていることやその方法は何ら変わっていないと思う。でも、だからと言ってマンネリ化しているわけではなく、別に退屈もしない。

今回は「宗教」という、ドデカすぎて根深すぎる相手がテーマ
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ハリエット(2019年製作の映画)

2.5

題材からしてそこそこヘビーなものを予想していたが、大したことはない。アンチレイシズムやフェミニズム、タイムリーな事象にこじつけても構わない。でも結論から言うと、これは単なるヒーロー映画だ。

自由を求
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.5

BSでやってたのでひっさびさに観たのだが、あれ、こんなに面白かったっけか。戦闘シーンはアドレナリン出っぱなし。シンジくんは下向きっぱなし。そして観客はほったらかし。物語はまったくの新展開だが、本来のエ>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

4.5

まずジャケの美しさに見惚れ、格好良すぎるオープニングのタイトルバックに心奪われ、そこからは、まだ観終わってもいないのに「いやぁ、ほんっとにいい映画ですね〜」と、水野晴郎ばりに、少なくとも5, 6回はつ>>続きを読む

激怒(1936年製作の映画)

3.9

ひとりの犯罪者 vs. 民衆、というのは『M』と同じ。でも『激怒』が違うのは、血祭りに上げられるこの犯罪者の男が、まるっきり潔白だということである。フリッツ・ラング流『それでもボクはやってない』は、集>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

4.0

最近、みる映画がすべて良く思える。良い映画しかみてないからなのかもしれない。

一緒に飛行機に乗ったはずの娘がいない!とジョディ・フォスターが機内で大暴れする迷作「フライトプラン」を思い出した。もちろ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.3

初見。歳を取った今、「岩井俊二の映画」として向き合う。確かに不必要に長いし、沖縄のシーンなんかゴッソリ無くても構わないってぐらいダラける。でもなあ......劇場公開当時、まさに自分は中1だったな。リ>>続きを読む

カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

4.0

誰かに言いたかったこと、ほとんど娘に言われた。あれは本当に演技なのか。やりたくてもやれないこと全部できるようになるまで、今は会えない大事な誰かに会えるようになるまで、誰にも見られずに泣いたり笑ったりし>>続きを読む

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.0

ZOOMで相手に部屋を見られたくない場合には、オリジナルの画像に変えて背景を隠すことができる。基本的にこの映画もそのぐらいのビミョウな風合いの合成映像がひたすら続く。わぁZOOMや笑笑って

でもそん
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ラルジャン(1983年製作の映画)

4.5

   す
   げ
   え
   ・
   ・
   ・

666号室(1982年製作の映画)

4.0

えー面白い

1982年の貴重なインタビュー映像

当時E.T.作った直後でノリにのってたであろうスピルバーグは今でも現役バリバリだし、冒頭からひたすらゴダゴダ喋ってたゴダールは、いまだにバッッッキバ
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ベルリンのリュミエール(1995年製作の映画)

3.6

インタビュアーであるヴィム・ヴェンダースのホクホクとした笑顔が「オレが映画で食っていけるのも、こんな人たちがいたおかげなんだよなあ」って語ってる、と勝手に思った。子役がかわいくてたまらないけど、最後の>>続きを読む

エレニの帰郷(2008年製作の映画)

3.8

ベラボウに長いカットは別にないし、「どうやって撮ったこれ」的な映像の連続だった前作に比べて、地味だった。

しかしそれでもやはり、目に焼き付くショットの多いことよ (ブルーノ・ガンツの最期、しかと見届
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母の残像(2015年製作の映画)

4.6

劇場が明るくなってもしばらく座っていたいなあと思わせてくれるような作品には、そんな頻繁に巡り会うことはないけど、これは久々に食らった映画でした。部屋を暗くして改めて観直して、またもや染みました。

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パニック・ルーム(2002年製作の映画)

2.0

「パニック・ルーム」の存在はこの映画で知ったし、裕福なアメリカの家庭にはそんなシェルター部屋が必ずあるものなのだと思っていた。公開当時は「どうやらブラピが出てた映画を作った監督の新作らしいけど、おすぎ>>続きを読む

スピオーネ(1928年製作の映画)

3.9

うまいこと日本人に扮していたドイツ人俳優が眼鏡を外してただのドイツ人に戻る瞬間は笑った。でもそれ以外は、なかなか抜け目のないスリラーだった。途中眠かったけど、インパクトバッチリなラストシーンに向けて右>>続きを読む

メトロポリス(1927年製作の映画)

5.0

約2時間半のオーケストラ版をYouTubeで観て、あやうくむせび泣きしそうになるほどに感動した。その後、京都で行われた伴奏付き上映会にも行った。全く異なるアプローチによる同作品の再現を堪能することがで>>続きを読む

月世界の女(1929年製作の映画)

3.7

月世界の女、というタイトルゆえ「月に行ったら女が住んでいました」的な話を想像してしまった。全く違う。

長い割には重苦しくないし、SFという割には最終的にメロドラマに展開するし、そもそもなっかなか月面
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

3.8

ありのままの姿を見せすぎるクソ野郎の旦那に「あんためちゃくちゃサムいわよ」と睨みを効かせるイディナ・メンゼルの鬼の形相がとにかく最高。

真人間(1938年製作の映画)

3.9

You and Meという、あまり物語の芯を食っていない、シンプルなタイトル。なおかつ、You and Meがなぜ「真人間」というタイトルに変わるのかも謎。あらすじだって明日にも忘れてしまいそうなほど>>続きを読む

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

3.9

無実の罪で捕まった前科者の旦那。逃げるぞ、といきり立つ旦那に「自首して無実を証明しなさい」と妻。言うこと聞いて自首したら、たいして調べられもせず電気椅子送りが決定してしまう旦那。お前に殺されたも同然だ>>続きを読む

外套と短剣(1946年製作の映画)

3.7

とりあえず、ネコは何をしでかすか分からないからよく見張っておけ、という教訓が込もっている。しかしあんなに長身のゲイリー・クーパーを無理やりソファで寝かせられるような図太いオナゴは、確実に戦火を生きのび>>続きを読む

恐怖省(1944年製作の映画)

3.6

占い師、集団儀式など、なかなかにスピってるフリッツ・ラング作品

大急ぎで作ったのかもしれない
「お前に俺を殺せるか。バン。ババババババン。しあわせー!」という、あまりにも唐突すぎる幕切れに声が出る
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下女(1960年製作の映画)

4.0

ひとつ屋根の下、女。

部屋の戸を、開けては閉める。
戸棚の戸を、開けては閉める。

階段を、上っては下りる。
駆け上り、時には落ちる。

上の階、夫婦を見下ろす、下女。

あんな女を、入れなければ。
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大いなる遺産(1998年製作の映画)

3.4

スケッチ画、社交ダンス、水飲み場
チャールズ・ディケンズの名著を現代風にリメイク
そしてイーホー、グイパル、ロバデニと、今振り返ればなかなかに華々しい俳優たち

しかしものすごくアッサリと観ることがで
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ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972年製作の映画)

1.5

残念ながら、結局最初から最後までひとつも笑えなかった。自分の体内にウディ・アレンが居ると想像するだけで、全然笑えない。

ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(1953年製作の映画)

4.1

「復讐は俺に任せろ」というタイトルだけを聞くと、誰もが「レジャーは・大西に・任せろ」の頭文字が由来のレオマワールド(香川県)を思い出してしまうものだが、もはやこの完成度をもってすれば「映画はフリッツ・>>続きを読む

ベイビー・オブ・マコン(1993年製作の映画)

3.6

「ミッドサマー」のアリ・アスター監督にも大いに影響を与えたであろうことは伺えるが、やはりピーター・グリーナウェイ御大はダンチ(段違いという意味よ)である。

ファーストカットから、頭のおかしなフルチン
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プロスペローの本(1991年製作の映画)

4.0

恥部、局部、陰部
見えちゃったら恥ずかしいからこそ、局所的に、陰をつけてボカす必要があるとされているもの。世間的にはそうなのだが、ここまで浮世離れしちゃってたらもうどうでもいい。冒頭の爆裂ションベン小
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数に溺れて(1988年製作の映画)

4.1

最初の3分の1ぐらいあんまりハマれずボンヤリ観ていたために、画面の中に登場する数字が100まで数えているという仕掛けに、46ぐらいでやっと気付いた始末。しかしそなへんから俄然面白くなっていった。

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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

4.0

主要キャラクターは男女4人...リーが出てたどこか別の映画で見た設定である。ただしこちらは舞台がベース、ほとんどが安アパートの一室のみで物語が進行して2時間で終わる、非常に良心的な仕上がりだった。>>続きを読む

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

3.9

うっかりみはじめてしまい、大昔にBSでタラタラみてただけの記憶をアップデートした。結局「金持ちオンナのわがまま伝説」というイメージは全く更新されなかった。しかしヴィヴィアン・リーが「クラーク・ゲイブル>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

3.9

10年以上前にヴィレッジ・ヴァンガードで流れていたのをしばし茫然と眺めていた覚えがあった。そしてだいぶ前に松濤美術館でやってたクエイ兄弟展に行って以来ヤン・シュヴァンクマイエルの作品にお目にかかる機会>>続きを読む

カノン(1998年製作の映画)

3.4

さて!今からもンのすごいこと起こりますよー、映画館出るなら今のうちですよお客さん!さぁカウントダウンスタート!3、2、1……デンジャー!!

に笑う。ちょっと奇をてらってみようかな、というギャスパー・
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ドッグマン(2018年製作の映画)

2.0

この監督はとことん合わない。結局なんの話よコレ

「ドッグマン」と言いつつ、犬はそなへんチョロチョロ走り回るばかりで見せ場もなし。クソ野郎の肩持って刑務所入って我慢して出てきてまた裏切られ……でも娘へ
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M(1931年製作の映画)

4.4

「知らない大人について行ってはいけません」と、小学校の全校集会かなんかで聞かされていた頃のことを思い出した。言うまでもなく、大人から声をかけられてついて行ってしまう子どもにだけ、罪があるわけではない。>>続きを読む