親、兄弟、恋人、ペット…一度でも愛情を注ぎ注がれたものを失った時の喪失感は計り知れないもの。
しかし時が刻まれていくとそういった感情も新しい出会いや日々の出来事で忘却の彼方へ流されていくのもまた常。>>続きを読む
70年代東西冷戦の最中、現役を退いた老スパイが英国情報部サーカス内部に暗躍する二重スパイ「もぐら」を綿密な調査と聞き取りで突き止めていくー
絵面はここ近年鑑賞してきたスパイ映画(『007』『ミッ>>続きを読む
FBIの捜査官ケイトがCIAの指揮する麻薬カルテル撲滅作戦に参加しその一部始終の展開をケイトの視点(=我々観客の視点)で描写。
強く印象に残ったのはエミリー・ブラント扮する主人公ケイトの常に不安で心>>続きを読む
体裁はSFながら中味は人間ドラマという作風は『インセプション』でも使われたプロットだが、『インセプション』は脳内の「夢」の中を描き、今作はスケールも大きく外に飛び出し「宇宙」を題材に描いている。そこに>>続きを読む
ケラーとフランクリン。同じ被害者の父としてどちらの行動が正しいのか?そんな事を自分は考えてしまった…。
ヒュー・ジャックマン演じるケラーは頼りにならない警察に業を煮やし自らの独断による暴力的行動で事>>続きを読む
以前観た『はじまりのうた』同様、またしても音楽の「魔法」にかかってしまう作品に出会えた気がする…。
口に出したり文字だけで見たりすると青臭くてダサく思える言葉や文章も、メロディに乗せるだけで伝えたい>>続きを読む
バンドの崩壊や解散でよく陥りやすい原因である「音楽の方向性の相違」(実は異性の取り合いだったり金銭トラブルだったり)…。
音楽を純粋に愛する天才肌のフランクとSNSを駆使したり売れ線狙いに走ろうとす>>続きを読む
大回顧展『David Bowie is』は、2013年3月から約半年間、英国ビクトリア・アンド・アルバート博物館で開催された。その後世界各地を周り、2017年ここ日本でも開かれ自分も足を運んだ。
本>>続きを読む
監督は『キャロル』等のトッド・ヘインズ。2016年1/7に残念ながら閉館してしまった渋谷シネマライズ、同じく1/10に亡くなったD.ボウイの思い出に耽りながら再度鑑賞。
登場人物の容姿や音楽は実在の>>続きを読む
フォー・シーズンズは名前は知らずとも曲を聴けば誰もが納得するバンドで現に私もその一人。(『君の瞳に恋してる』やタモリ倶楽部のOP曲など)
実話ベースの為か物語は割と淡々に地味な感じで進んでいくのだが>>続きを読む
よくCDショップでアルバムジャケットが気に入って「ジャケ買い」なんてことがままあるが、今作はその映画版…何かこう上手い表現が出てこないが、新宿シネマカリテでの予告ポスターを見て内容も知らずに前売り券を>>続きを読む
「24hPP」「Control」ときて、シメはドキュメンタリー映画。 上記2作で描かれた数々のエピソードを関係者達が生々しく語っている。
ドキュメンタリー映画故か、上記の映画ではあまり描かれなかっ>>続きを読む
―He's lost 'CONTROL'
New Order の前身バンド Joy Division のボーカリスト、 イアン・カーティスは23歳という若さで自らの手で人生の終止符を打った。今作は>>続きを読む
1980年代後半から90年代前半にかけて世界を席捲したロックムーブメント "マッドチェスター" の興亡を立役者の「ファクトリー・レコード』社長トニー・ウィルソンが狂言回し役としてドキュメンタリータッチ>>続きを読む
イギリスのみならず世界のロック史に名を刻んだムーブメント、パンク-。
その代表格でもありカリスマ的存在であったセックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスと恋人ナンシー・スパンゲンのかくも短く>>続きを読む
作品発表後、半世紀近く経つ現在もなお世界各国の多くのミュージシャン達に多大な影響を与え続けるマスターピース『ペット・サウンズ』。その大傑作を世に送り出したビーチ・ボーイズの中心メンバー、ブライアン・ウ>>続きを読む
幼少期、映画はテレビを通じて観るものだったが、いつしか学年が上がり自ら都心に出向き映画館で鑑賞することを覚えた。
同時期公開で同じくSFタイムスリップものだが趣きは全く異なる『ターミネーター』と今作>>続きを読む
80~90年代に実在した証券マンの絵に描いたようなSex, Drug, Easy moneyな下衆を極めたシンデレラストーリー。
レオナルド・ディカプリオ演ずる主人公ジョーダン・ベルフォートの生き様>>続きを読む
余命30日を宣告されたHIV患者のカウボーイが社会や偏見にケンカを売りまくるお話(実話!)ー。
最初は「生」への渇望から後に商魂たくましく、やがて困っている人々への救済に自ら立ち上がる…その内面>>続きを読む
「目は口ほどに物を言う」
この諺をこれほど体現している映画は他にない。(日本以外の外国でも表現は違えど同じ意味の慣用句はあるらしい)
無声映画なので台詞は勿論ない為、眼の動きやちょっとした表情・仕>>続きを読む
映画好きな人なら誰もが夢見るであろうこと、それは映画の主人公になること…。
劇中劇『カイロの紫のバラ』から突然飛び出してきた探検家役のトムとそれを演じた俳優のギルの2人から受ける求愛は正に「映画みた>>続きを読む
NYを舞台にした大人のラブストーリー
……と言えば聞こえは良いがー。
冒頭、主人公アルビー自身の恋愛観や人生観、元恋人アニー・ホールへの独白から物語は始まるが、それがまた理屈っぽくて未練たらしくて>>続きを読む
・80年代
・UK音楽
・バンド活動
上記3要素が詰まった青春時代を過ごした身としては正にド・ストライクな作品。その為か鑑賞中は常に頬が緩みっぱなし&足でリズム取りっぱなし♪
デュラン・デュラン、>>続きを読む
お互いの最悪の1日の締め括りが偶然の出会いでプラスの方向に転じて行く冒頭のくだりはこれから何か起きそうなワクワク感やドキドキ感が出ていてとても好感触。
音楽プロデューサーに限らずクリエイティブを生業>>続きを読む
序盤、ある楽器店でセッションを交わす2人。言葉ではなく音楽を奏でる事でお互いの心を通い合わす描写が素晴らしい。ミュージシャンが本業の2人だからこそ様になるし画にもなるそのシーンでこちらの心も鷲掴み。>>続きを読む
長年連れ添った妻にも別れを告げられ煮え切れない毎日を過ごす主人公セオドアにはホアキン・フェニックス。その冴えなさっぷりと言ったら見ていて本当に痛々しいのだが、どこか憎めない役どころを好演している。>>続きを読む
監督はチャーリー・カウフマン。その時点で一筋縄ではいかない作品である事は覚悟の上、故に鑑賞前から気合いを入れ準備は万端…のはずが。
ストップモーションアニメ作品で主人公は中年男性という予備知識以外、>>続きを読む
死の間際で走馬灯のように自分の人生を振り返っているかのような作品。
その所為なのか主人公ケイデンとその他の登場人物達との流れる時間がかけ離れていたり、彼が好意を寄せる女性の人相が酷似していたり(ここ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前作『マルコヴィッチの穴』でアカデミー脚本賞を受賞した脚本家のチャーリー・カウフマンが「理想の自分」と「現実の自分」の乖離を自覚し、それを克服する事で人としての成長を描いた作品。
「理想の自分」とは>>続きを読む
公開当時、鑑賞した記憶はあるのだが発想や設定の奇抜さや展開のシュールさで理解出来ずにいて個人的には評価はイマイチであった。
ここ最近チャーリー・カウフマン作品を観直していて今作がやはり原点であり、彼>>続きを読む
多くのレビューの中で『スタンド・バイ・ミー』を想起するというのを散見したが、自分が感じたのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。承認欲求の強い主人公と機械好きで変わり者の友人との厚くて固い友情、手作り>>続きを読む
「巻き戻してご返却ください!」
自分も学生の頃、町の小さなビデオレンタル店でバイトをしていた時があった。DVDに取って代わるちょっと前で、上記の文言は貸し出し時必ず連呼していた事を記憶。そのお店でク>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
真の幸福は罪なき者に宿る
忘却は許すこと
太陽の光に導かれ、無垢な祈りは神に受け入れられる
(アレキサンダー・ポープ)
忘却はよりよき前進を生む
(ニーチェ)
ふと目覚めるといつもと変わ>>続きを読む
私の住む近隣地域にある割と大きな神社では毎年5月に「くらやみ祭り」という例大祭が大々的に開催されます。「貴いものを直接見てはならない」という古くからの言い伝えから真っ暗闇の夜間に執り行われていて現在に>>続きを読む
3人の女性を軸に立場や置かれた状況は違えど自分達のやり方で信念を貫き世間に風穴を開けるという実話を基にしたお話には、題材や時代背景は異なりますが『Hidden Figures(邦題:ドリーム)』を思い>>続きを読む
全編ワンカット(風)な作品といえば、同じくアカデミー賞の撮影技術に関する賞のみならずあらゆる部門を席巻した『バードマン あるいは
(無知がもたらす予期せぬ奇跡)〈2014〉』をまず思い起こします。神の>>続きを読む