エソラゴトさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

エソラゴト

エソラゴト

映画(303)
ドラマ(0)
アニメ(0)

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

-

昨年のベスト映画にも選んだ『判決、ふたつの希望』に引き続き2年連続でまたしてもレバノン映画に大きく心揺さぶられました…。そして今作もまた今年のベスト映画に入る事間違いなしの傑作でした。

『判決…』で
>>続きを読む

マーウェン(2018年製作の映画)

-

『トイ・ストーリー4』
『チャイルド・プレイ』
…奇しくも同じ時期に人形という玩具を題材にした作品がここ日本では続々と公開されていますが、自分が選んだのはこちらの"大人"のおもちゃ映画ー。こう書くとな
>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

-

評判の高さで気にはなっていたもののなかなか予定が合わず諦めていましたが、ル・シネマでアンコール上映していた事もありやっと鑑賞出来ました。日曜日の最終回上映にも関わらずほぼ満席ー。評価の高さを目の当たり>>続きを読む

Girl/ガール(2018年製作の映画)

-

「大丈夫?」
「大丈夫!」

普段何気なく交わされているごく普通の日常会話。劇中でも親子の会話として幾度か描かれます。でもその心のうちは、大丈夫じゃない事を知っていて敢えて聞く「大丈夫?」だったり、大
>>続きを読む

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

-

「子は鎹」

…日本には古くからこの故事がありますが、あくまで親や大人の立場から発せられたもの。果たして「鎹」たる子供にとっては親とは一体どういった存在なのでしょうか?

今作で初監督の個性派俳優のポ
>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

-

今年度のアカデミー賞外国語映画賞を最後まで争った作品は奇しくも同じモノクロ作品。『ローマ』はアルフォンソ・キュアロン監督の幼少期の家政婦を、そして今作のパベウ・パブリコフスキ監督は両親をモデルに国や年>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

-

ある出来事がきっかけで物語の前半と後半でこの青年と少女の2人が送っていた日々の暮らしは全く別のものに変容してしまいます。複雑な心情と先行きの不安を抱えながらも、それでも青年は仕事に少女は学校に通うとい>>続きを読む

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(2018年製作の映画)

-

ここ最近、このテの映画の副題に「はじまりの〜」や「〜のうた」(しかも皆ひらがな表記)が乱発されていて食傷気味なのはさておき、ジョン・カーニー監督作品好きは勿論のこと、音楽映画好きにとってはやはり心地良>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

-

今作はトリアー監督前作『ニンフォマニアック 』の謂わばシリアルキラー版。それぞれのエピソードの章分けや、ブラック度数高めのコメディ要素、主人公ともう1人の男性との対話形式でストーリーが進む点も似ていま>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

-

予告編を見て自分の不得意要素がてんこ盛りな為鑑賞を敬遠していましたが、一足先に観ていた嫁さんが語りたがってムズムズしている姿や世間一般の評価の高さ、近場の上映が終了間近…等で鑑賞意欲がフツフツと沸き起>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

-

ユニバース物群雄割拠の中、唯一追えてるのはこの"モンスターバース"のみ!(といってもまだ今作で3作目なんですが汗)怪獣世代とはいえ、ゴジラよりもウルトラ系の方に思い入れがある自分でも今作は概ね満足出来>>続きを読む

イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語(2017年製作の映画)

-

『24アワー・パーティ・ピープル』
『コントロール』
『ジョイ・ディヴィジョン(ドキュメンタリー)』

…そして今作

物語の舞台は英国北西部の工業都市、マンチェスター。ニューヨークのマンハッタンやロ
>>続きを読む

誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

-

一人娘の誘拐事件の謎解きサスペンスものかと思いきや(勿論その要素も多分に含んでいますが)、親族のみならず村人達を巻き込んでの疑心暗鬼によるパワーバランス崩壊の一部始終をスリリングに捉えた、正に絵に描い>>続きを読む

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)

-

たまたまなのかもしれませんが、ここ最近、依存症やその治療施設・グループセラピーなどに纏わるお話(しかも全て実話)をほぼ連続で鑑賞しています。

実話である事からも主人公の過去の記憶を辿りながら物語が進
>>続きを読む

ガルヴェストン(2018年製作の映画)

-

殺し屋と少女の物語といえばまず思い起こすのは何と言ってもそう、『レオン』。しかしながら、全体的に静かな世界観やクールな肌触りは昨年観たホアキン・フェニックス主演の『ビューティフル・デイ』に近い感触でし>>続きを読む

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)

-

今作を鑑賞して真っ先に思い浮かんだのは2008年に公開された『潜水服は蝶の夢を見る』というフランス映画。どちらもある日突然身体の自由が利かなくなったある中年男性の実話を基にしたお話。

そんな惨めな姿
>>続きを読む

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

-

劇中に登場する彼等達のような技能や資格などは持ち合わておらず日々なんとなくボンヤリ過ごしていた学生時代の自分(汗)

そんな事からも彼等の思想や行いに対して全面的な支持や共感は勿論のこと、嫌悪感や不快
>>続きを読む

ビル・エヴァンス タイム・リメンバード(2015年製作の映画)

-

物心ついた頃からロック一辺倒だった自分にとってジャズは最も苦手としていた分野…。40代に入った頃、そろそろジャズでも…と思っていた矢先に耳ではなくまず目に飛び込んできたのが"美女の水死体"を思わせるモ>>続きを読む

ある少年の告白(2018年製作の映画)

-

思えば昨年の自身ベスト映画にも選んだシアーシャ・ローナン主演の『レディバード』には今作主演のルーカス・ヘッジズと前回投稿した『ビューティフル・ボーイ』主演のティモシー・シャラメが揃って出演していました>>続きを読む

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

-

今作を観てつくづく感じたのは、「親の心、子知らず」またそして「子の心、親知らず」ー。

それもその筈で、ドラッグ依存から立ち直ろうとする息子とその父親がそれぞれの視点でそれぞれに書かれた回顧録を一つに
>>続きを読む

マックイーン:モードの反逆児(2018年製作の映画)

-

自分が彼の名を知ったのはアイスランドの歌姫ビョークの3rdアルバム『ホモジェニック』のジャケデザインと「アラーム・コール」という曲のMVを担当した頃。

そんな仕事ぶりからかそちら方面のデザイナーもし
>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

-

副議長、副委員長、副幹事、副社長…今まで送ってきた人生の中で学校やサークル・会社などの組織内での副○○という役職は、何をしているのか分からないという役割の不透明性や何かの都合や変更で長の代わりを務める>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

-

スパイク・リー監督には約30年前に『ドゥ・ザ・ライト・シング 』でアメリカでの人種差別問題の現状とその根底を、黒人運動家はキング牧師の事しか知らなかった自分にもう1人重要な人物の存在を『マルコムX』で>>続きを読む

ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018年製作の映画)

-

つい先月鑑賞した『女王陛下のお気に入り』同様、英国を舞台とした宮廷物語。ランティモス監督特有のブラックユーモアや史実を大胆ににアレンジした変化球多様な(時にビンボール気味な)作風とは違い、こちらは勿論>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

-

予告編で流れていたような緊迫感溢れるクライムサスペンスものを予想していましたが、良い意味で裏切られました。

かれこれ10年も前の作品『グラン・トリノ』でも原案・脚本を担当したニック・シェンクは今作の
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

-

アカデミー賞効果もあってか劇場は立錐の余地も無い満席。コメディ作品故のゲラゲラ・クスクスといった笑い声、シリアスな場面での水を打ったような静けさ、2人が辿り着く旅の終着点では其処彼処からすすり泣く声…>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

-

バリー・ジェンキンス監督の前作『ムーンライト』とは時代・舞台設定は違えど、共通点として一人の人間としての成長譚・貫き通す純愛・頼れる守護者の存在が描かれており、今作ではある一人の女性の視点でストーリー>>続きを読む

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

-

原題は『Der Hauptmann(英題:The Captain)』、主人公ヴィリー・ヘロルトが偶然手に入れた軍服を着用する事で成りすました軍隊の階級「大尉」の意味だそう。

個人的には気に入っている
>>続きを読む

ノーザン・ソウル(2014年製作の映画)

-

若さとは年齢ではない。心のあり方だ!(『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』より)

今年新年早々、マイケル・ケイン御大から素晴らしい金言至言をいただいたにも関わらず、やっぱりそうは言って
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

-

ワンシチュエーション物の設定の斬新さや脚本力・演出力、演者の表現力は突出していてとても面白かったし十二分に楽しめました!

それと同時に自分の想像力をこれでもかと試される映画でもありました。普段から小
>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

-

原作未読な上、CGメインのアクション全開映画は目が追いつかずグッタリ疲労感を覚えるので最近は極力避けてきたのですが(汗)、公開初日に足を運んだのは勿論ジェームズ・キャメロンが製作と脚本に関わっていると>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

-

♪ウチら高貴なかしまし娘〜
♪ 誰が言ったか知らないが 〜
♪女3人寄ったら〜〜〜さぁてどうなる!?

舞台は18世紀初頭の英国王室。個人的にはこの時代の知識も見識も皆無な為とっつき難い題材ではあるけ
>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

-

過去2作共音楽に関連した作品を描いてきたデイミアン・チャゼル監督。次作は一体どんな題材で挑むのかとても興味津々でしたが、なんと大きく空に向かって飛び出し宇宙空間へ!人類初の月面着陸を成功させたまさしく>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

-

正直者は馬鹿を……みない!

無類の映画好きな人でも苦手だったり不得手だったりなジャンルはあるものです。自分にとってそんな無理めなジャンルは所謂 "お涙頂戴物"ー。

そういった区分けが正式に存在する
>>続きを読む

バハールの涙(2018年製作の映画)

-

ISのクルド人への極悪非道な所業は報道で伝えられる内容でしか知り得ませんでしたし、ISを含め諸地域の成り立ち・歴史的背景などは今作の中では特に語られてはいませんが、パンフには詳細が載っており補完する事>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

-

冒頭の数十分、裁判所でのある夫婦の離婚調停の審問が淡々と執り行われるところからこの作品は始まります。

ドキュメンタリーを思わせるこの第三者的視点や劇伴もなく生活音のみの音響演出は同じヨーロッパ出身の
>>続きを読む