滝井椎野さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

滝井椎野

滝井椎野

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さがす(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

もう一度観たいとは思わないが、また観たい。何とも救いのない話で気分が沈み、どんよりとした気持ちで劇場をあとにしたのだが、こうして思い返してみるとまた細部まで見直したくなる。

山内は勿論、カエデの同級
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

映画というべきか何というべきか……。とにかく凄い体験だった。こんなにも映画館であることが悔やまれる作品も珍しく、作品内の観客同様拍手や歓声、手拍子が自然と胸の内から湧き上がってくる。
決して一人では生
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

エジプトの神秘と名探偵の組み合わせの何と良いものか。
前作オリエント急行は、豪華な列車旅とそこで起こるミステリーの見事な映像化に、何度も色々な媒体でみてきた作品ながら楽しく鑑賞することが出来、所々の改
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.9

オムニバス形式で進行していく本作、それぞれの話に記者による個性が溢れており、ジャンルの違いは勿論、こだわりやユーモア、視点等と記事の後ろの人物が見えてくるような作りが面白く、本当に一冊の雑誌を捲ってい>>続きを読む

グッバイ、ドン・グリーズ!(2022年製作の映画)

3.9

『宇宙よりも遠い場所』に続き、恥ずかしくも眩しい青春を堪能できた。
個人的にいしづかあつこさんの描くキャラクターはキラキラしすぎていて、初めはみていて恥ずかしくなってしまうのだが、話が進むに連れてキャ
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ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート(2022年製作の映画)

4.5

観るというよりは体験するといった表現が相応しいだろうか。画面の中への没入感は、これぞIMAXの醍醐味といえるだろう迫力のある音と視界いっぱいに広がるライブ風景で素晴らしかった。
初めて買ったCDがビー
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シラノ(2021年製作の映画)

3.8

とても綺麗な作品で、場面毎の白色の使い方が印象的だった。特に貴族の白粉、街並みの壁、戦場の雪、最後の修道女たちのベールが、同じ白でもそれぞれが全く異なる意味と印象を持っており、対比が面白かった。
シラ
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.6

とにかく静かな戦争モノでなかなか難しかった。
こういう史実ベースの作品全般に言えることだが、「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、スパイの暗躍や奇をてらった作戦等、深く掘れば掘るほど面白いも
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ゴーストバスターズの復活をスクリーンで観れる日が来るとは……。
前の2作(リブートなんて無かった)の頭を空っぽにして観れるコメディ路線からガラッと色を変え、本作はジュブナイルSFとして見事に生まれ変わ
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ロスバンド(2018年製作の映画)

4.4

心温まる青春音楽ロードムービー。
それぞれ悩みを抱える4人が旅を通して絆を深めていく。本編を通してそれぞれが悩みに向き合い、最初よりも少し大人になる様子が描かれているのだが、劇的な何かがあるわけではな
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.2

映画館でみて大満足のポップコーンムービー。

理屈抜きの派手なアクションにテンションが上がり、ゲーム原作らしくキャラクターの立った登場人物たちが、まるでゲームをプレイしているかのように感じられる謎解き
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ミラクルシティコザ(2022年製作の映画)

4.1

ネオン煌めく妖しくも熱気に包まれた過去のコザと、平和ながらも時間が停滞してしまっている現在のコザ、そしてそれぞれの時代を生きる登場人物たちの対比が効いており、それら全てが交わり未来への希望を歌い上げる>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.5

過去の名作がしっかりとアップグレードされており、上がっていたハードルをしっかりと超えてきてくれた。
内容や曲に関してはもはや言うまでもないのだが、今回素晴らしいのは細かなところの変更点や追加されたシー
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

-

何を言っても文句にしかならないのがこの作品の難しいところであるのだが、一つ個人的に良いと思ったのが、山田くんの乗ってるバイクが格好いい。
〜っぽさ(主にシン・ゴジラだろうか?)を限りなく薄く伸ばし、全
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グレート・インディアン・キッチン(2021年製作の映画)

3.8

かなり心に来る映画だった……。
まず凄いのが構成。劇的な何かが起こるわけではなく、同じ毎日をひたすら描いていくだけだが、それが何と酷なことか……。日常の繰り返しをただただ描いていくだけという演出だから
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.7

とても愛に溢れた作品で良かった。
ハンデを抱える家族とそうでない人との壁を見事に演出していた発表会のシーンにはハッとさせられた。これは映画館で見てこそ意味があるシーンだろう。耳が聞こえないというたった
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クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

3.9

クレッシェンドーー最後までみると、このタイトルに込められた想いと願いが重く心に残る。
イスラエルとパレスチナの問題は、正直なところテレビの中の出来事という感覚で、他人事ながら大変だな……くらいの感想し
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Pure Japanese(2022年製作の映画)

-

凄かった……。
何が凄いって、最初から最後まで全く解らないのだから凄いとしか言いようがない。
本作、アクションとメッセージ性の強い場面のみで構成されていると言っても過言ではないのだが、肝心のそのメッセ
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シークレット・マツシタ/怨霊屋敷(2014年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

評判が散々なので身構えて鑑賞したが、そのおかげか予想よりは良かった。
基本的に広告通り、お手本のようなB級ホラー映画。ビビリの私からすれば、でかい音ドーン! 急な幽霊バーン! をされるとどんなモノでも
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あの時にもう一度(2016年製作の映画)

4.0

歌って踊ってカラフルな作品。
人生の中で大切なものは数あれど、そのバランスが大切なのだというテーマが分かりやすくて良い。
内容に関して目新しいものは無いものの、その分余計なノイズがなくて非常に見やすか
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.3

まるで人生の余韻のような映画。
イーストウッドの厳しさと優しさが合わさった絶妙な演技は相変わらず見事で、渋さと格好良さとはこういうものなんだと改めて感じさせられた。今の時代、往年のカウボーイやアウトロ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

良いブラックコメディ映画。
大統領を筆頭に上級国民が己の利益のためだけに突っ走り、専門家の意見を蔑ろにする様は皮肉が効いており、あながちあり得ないことではないと思えてしまうのが怖いところ。
ところどこ
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大いなる力には、大いなる責任が伴う。スパイダーマンであり続けるというのがどういう事なのかを描いた作品だった。
これを作るまでに想像もできないほどの困難があったことだろう。この映画に携わったすべての人た
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鼓動を高鳴らせ(2015年製作の映画)

4.1

これは良い旅行映画。
美しい情景や登場人物達の客船内での様子等、上映時間の長さも相まって、一行の旅に観ているこちらも参加させてもらえてるような感覚になれる。所々で挟まれる歌と躍りも楽しそうで実に良い。
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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.3

気持ちの良いドンパチ映画。
どこかでHEATが引き合いに出されていたが、終盤の市街戦で納得。これは確かにHEATだ……。
そこに我らが最強の男、ドニー・イェンのアクションまでが合わさっているのだから、
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シャウト・アウト(2020年製作の映画)

4.1

タイガー・シュロフのスター性はやはりピカイチ。
タイガーの超絶アクションを期待して観に行った身としては、ランボーもびっくりの超絶怒涛アクションに実に満足。それ必要かな……? と思ってしまうような決めポ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.8

なかなかにツラいところが多い作品。
下げてさげて、さらに下げて……最後にやっとエヴァンがスタート地点に立てたところで作品が終わる。
歌は勿論素晴らしいのだが、バックがあまりにもシリアスで素直に感動でき
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囚人ディリ(2019年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

主人公ディリの圧倒的な強さと、それを魅せるための下地づくりがメインになっている。こう言うとストーリーのない単調な作品かのように聞こえるがそんなことはなく、例えるならば超大作アクション映画を4、5本程詰>>続きを読む

ARIA The BENEDIZIONE(2021年製作の映画)

5.0

蒼のカーテンコール、ラストは姫屋の物語。
このARIAという作品には様々なテーマが詰まっており、その内の一つが時間の流れと、その途中途中にある人達の想いだと思う。
1期の12話なんかはその象徴的な話で
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

4.6

これはもっと世に広まってほしい大傑作。
伏線を理解したうえで観るととても綺麗なストーリーラインで、物語の起伏が上手い。

この作品で凄いのが、突然のミュージカルパートや不自然なシオンの喋り方等の基本的
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前作に続き、エディとヴェノムのコンビはなんとも微笑ましい。
ヴェノムのキャラが相変わらず。喧嘩別れをしたあとも結局相手の事を考えてしまっていたりと、しっかりとしたヒロインポジションに収まっている。前作
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

スピード感が凄い。ジェームズ・ワンの関わっている映画すべてに言っている気がするが、ジェットコースターのようなアトラクション的ホラー映画で、結構定石通りに作られているのだが、それでいて唯一無二の個性が出>>続きを読む

ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

4.3

圧巻……ただただ圧巻だった。
内容なんてものはこの作品の前には意味を成さないと思う。一つ言うなら、ブチギレたおじさんたちが争い、叫び、牛を追うだけの作品……だがそれがハチャメチャに面白い。
最後の、さ
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.3

表現する者の苦悩と爆発、そして再び鉛筆を削るまでを描いた傑作。曲もストーリーも素晴らしかった。
タイトルの通り、刻一刻と迫ってくるタイムリミットに対する緊張感が素晴らしい。それが何に対してのリミットな
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ノマドランドの監督と聞き、MCUとの相性はいかがなものかと少し身構えていたが、フタを開けてみるとどうして、シャン•チーに続き、期待を軽く超えてくれた。
主要キャラの多さや、あちこちに飛ぶ時間設定、それ
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.7

主人公を演じるビーニー・フェルドスタインは以前やっていた「ブックスマート」で知った女優さんだが、あのパワフルな演技は好感がもてる。
作品の内容はスカッとする内容を期待して観に行った分、少し肩透かしを食
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