TenKasSさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

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四角く区切られた映像を映画というのなら、それには同時に観ている者がいる必要があり、さらに彼らの意志と関係なく、当たり前だが映像は止まることがない。都市の風景が四角く区切られて、カラーでワイドな映画にな>>続きを読む

COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

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いきなり石橋蓮司みてぇなん出てきた思ったら本人だった

ドミノ(2005年製作の映画)

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トニー・スコットの根底にあるダークな部分がドミノ・ハーヴェイのコインの裏表に表される死生観とリンクしているのはいいのだけど、いくら何でも画面がやりたい放題すぎてせっかくのメキシカンスタンドオフも全容が>>続きを読む

トラック(1977年製作の映画)

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階級から脱落したという女が、ヒッチハイクしたトラックのドライバーに語りかける…という撮られていない映画の脚本が読まれる。そこに青いトラックを映した、またそのトラックの車窓から映された風景のイメージが音>>続きを読む

マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

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復讐劇でシンプルなお話。とはいえ画面は全然シンプルではなく、素人目にはよくこんなに映像をガチャガチャさせておいて必要な情報をしっかりと抜き出し、観る側に伝えることができるなぁ…と感心してしまった。
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(2021年製作の映画)

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一つの不確かさ(箱の中身)が更なる不確かさを生む。それが少年の内面の揺れ動きにも重なる。どこか引っかかるがやるしかない。何をするにも不確かさが常にどこかに存在している。

(2021年製作の映画)

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牛の視点を頑張ってつらぬくこと(カメラは牛にぶつかられたり、牛と共にトラックに乗せられたり、牛の頭の位置で前の牛の尻を追いかけたりする)により、物の見え方がかわってくる。カメラそのものの位置によって、>>続きを読む

私たちの永遠の夏(2021年製作の映画)

1.5

多分人はこんな理路整然に、説明的には回復しません。

エターナルズ(2021年製作の映画)

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尺が2時間30分以上もあるブロックバスタームービーに「長い」と文句を垂れる権利は、5時間を超えるドキュメンタリー映画を平気で観に行く自分にはないのかもしれない。しかしその「長さ」と「クロエ・ジャオ」「>>続きを読む

精神(こころ)の声(1995年製作の映画)

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映っている警備隊の兵士は皆死んでしまい戻らなかったという注釈に基づけば奇跡のようなカメラの潜入としか言いようがない。撮影に行った人たちのメンタル面が気になってしまう。
ソクーロフ作品特有の色使いによっ
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

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マジでトニー・スコットはいくらでも飲める美味い酒みたいな映画しか撮ってないのではないか。

引退するベテランが、一度死んだ息子同然のスパイを秘密裏に救出、生き返らせる映画。基本的には回想が主体の映画は
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夢のアンデス(2019年製作の映画)

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大地、記憶、出来事、故郷、個人、過去、現在等々、アンデス山脈というイメージを媒介に全て繋がる。壮大な、映画にしかできないこと。上手く言語化できないが本当にそういうこと。

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

全体的に軽やかだし、ズームによる妙もおおっと驚かされるし、しかもそれでいて爆笑が連発する緊張とその緩みとが何度もあって、最高だった。

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)

4.0

おもしれぇーで終わりでいいよ。体感時間30分。

めちゃくちゃ雑な解釈だけど、今見ると、ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンの対立が、トランプとオバマの対立に見えなくもない。
前者は核を発射する大
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洞窟(2021年製作の映画)

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アバンタイトルの約120mのビルと約680mの洞窟の対比。雑誌の切れ端に火をつけて投げ入れて最深部を目指す一向。
動物と対話(しているように見える)老人は、一向が洞窟の旅を続けるにつれて、体調を崩す。
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エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)

4.0

『カンバセーション…盗聴…』を下敷きに?もはや同じ役のハックマン。

カメラから逃げろ!という映画だからかいわゆるキマっている画面がほぼない。忙しなく動き回る。被写体になりたくなければ撮る側に回るしか
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ひらいて(2021年製作の映画)

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凄い技巧的に物語を積み上げる。巧い。
時制を司る黒板の文字、LINEと対比される手紙、視線の使い方、開かれる折り紙。
かまぼこを切る包丁と電子タバコだけで怖すぎる萩原聖人。

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

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顔の映画。
アイダが群衆から個々人(家族)を見出すところから始まる。
通訳ゆえ事情を完全に察してとにかく家族だけでも…と奔走するが、その帰結の虚しさたるや。
一人の人間にできることの小ささを思い知ると
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

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勝手にドキュメンタリー作品を作る上での、ファクトの匙加減を巡る映画なのだと思っていたらそうではなかった。
むしろ観客に対してファクトを提示しないこと(決定的証拠の動画の内容などを見せない)で、それぞれ
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

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リドリー・スコットの映画、画面においても物語においてもとにかく充実感しかない。

ザ・ファン(1996年製作の映画)

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『ラストボーイスカウト』と反対の意味で使われる球場とそのモニター。

デニーロの出ている『タクシードライバー』系統の映画って一体幾つあるのだろう。

レジェンド/光と闇の伝説(1985年製作の映画)

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美術の貢献度だけ異様に高い。
ほとんど何やってんのかわからん

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

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胎内回帰の欲求が果たされず、反成長を果たしたオスカルの欲求の元凶には人間の醜悪さがあって、その局地として全体主義と戦争が…。
移ろう時代の中で太鼓が暗示になってるのか。
内容からして子供にある種の無垢
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ラスト・ボーイスカウト(1991年製作の映画)

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最高!とまではいかないけれど、映画の通奏低音として「人生はクソ」という観念がありながらここまでの娯楽作になっているのは流石。その「人生はクソ」具合が、単に社会から虐げられているのではなく、「自分にとっ>>続きを読む

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

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素晴らしい!全く中身がない!!!
でも映画の腕だけは確か!職人!!!
大胆な省略!!大群衆!カッコいい陰影!!オレンジ色!!大轟音!!車!車!車!ド派手な事故!!!

ロバート・デュバル!最高!トム・
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ビバリーヒルズ・コップ2(1987年製作の映画)

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予算が増えまくったのか、火薬の量とぶっ壊れる車の量がやたら増え、何故かポップカルチャーネタ(字幕でForceを理力と訳してた)も増え、オマケに撮影も良くなった。最後にもうもうと赤い土煙が立ち、馬が出て>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

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今見るとエディ・マーフィが不当な理由で逮捕されるシーンで(理由以外の扱いはポライトにも関わらず)ヒヤヒヤしてしまう。

画面奥の活かし方が上手い場面がいくつかあって驚く。

ジョナサン・バンクスがマイ
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ハンガー(1983年製作の映画)

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千人くらい既に言っていそうだけど、自身の人生を自分で絶ってしまった監督の最初の長編が、永遠の命からくる孤独とそこから逃れたいが為の渇望を描いていることにちょっと感じるものがある。
耽美的な映像もグロテ
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デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)

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名誉アディクション
守るものが増えていくと共に増えていくサブリミナル。無敵になっていくハーヴェイ・カイテル。
顔の映画。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.0

理想のデューンは存在しない。
これなら原作を読めば良い。
イメージの肥やしとしての2時間半。

映画の遅さ、スペクタクル性の無さがブロックバスターとアートムービーの垣根を越えている部分に感動するし、デ
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

相当面白い。初志貫徹ぶりが凄まじい。決闘と男性社会の欺瞞。
実際この映画の場合は、真実は明確にそこにあり、「どれが本当か」というものではない。というのも三つの物語の差異は男性にとっての虚栄心がどこでど
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

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冒頭、鈴木が流した歌の届く先に小野田がおり、その歌から彼が過去を思い出し始める流れのスマートさから惹き込まれた。
現代にこの映画を投げかけるのはやっぱり、ポストトゥルースや陰謀論を絡めた議論を呼ぶから
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

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市庁舎の映画ではあるのだが、例えば『ボクシングジム』のように一箇所に留まり場所を撮るのではなく、市庁舎の仕事を撮る映画という印象で、トランプ政権時代における反トランプ側の模範的な民主主義の実践、多様性>>続きを読む

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

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対話に徹する二人の外側に2010年のセクシャルマイノリティに対する不当な視線。その不当さの示し方が、映画的な方法(画面外の音、画面外に向けられる目線)によっているため、単なる話すばかりの映画と完全に一>>続きを読む

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

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冒頭の身体動作の捉え方からミランダ・ジュライの映画だ…という謎の感慨があり、映画が終わる頃にはミランダ・ジュライの創作物だ…というより大きな感慨に。小説読んでいる時も映画観ているときも同じ気持ちにさせ>>続きを読む