ポスターからにじみ出る"明るく楽しいハートフルストーリー"みたいのをイメージしてたら意外と重かった。
後半は話が急展開するし、どうなるのかと思ったら、結構放ったらかしのままで突き放された感じ。
でも寺>>続きを読む
人生ってこんなもんだよなぁ。
真面目ぶって難しい話ししてても男は可愛い女の子に目が行ってしまうし、ほんのチョット気を許せば足元すくわれるし、面倒臭がればいつまでも後悔の念が消えないし、意を決したらすで>>続きを読む
イタリアの片田舎の美しい風景の中で、こんなに美しく息苦しく、純粋でじれったくて、悲しくも幸せな物語が繰り広げられようとは思いもしなかった。
静かな風の通りゆく中、自転車のサドルから伸びる長い脚を窮屈>>続きを読む
『上の句』『下の句』がとても良かった。出演者が皆みずみずしくて、物語も定石を外さず、キッチリと盛り上げてくれた。なにより「百人一首」というカルタのルールを丁寧に教えてくれたし、おかげでワタシもカルタで>>続きを読む
鹿のツガイ。
息遣いの聞こえてくるような生々しさ。そっけなくも優しさに満ちた二頭の距離。
いやこれはスゴイ。
しかもそれが夢の話で、身も知らぬ男女が夢の中で鹿になって交流しているという。
益々スゴイ>>続きを読む
美しい自然、美しい映像。光に対するこだわりが随所に感じられる、どこに出しても恥ずかしくない映像作品。
でも、です。
いいロケーションを見つけた時点で良い画を切り取る権利を得たようなもので、それを上>>続きを読む
日本に巨匠と呼ぶにふさわしい映画監督などとっくの昔にいなくなってしまったとばかり思っていた。
一見、小手先のマジックに見えてしまうフィルムの継ぎ接ぎと、青少年向けの気恥ずかしいストーリーと、アタリを>>続きを読む
今は昔、品川区大井町駅近くに「大井武蔵野館」といふ名画座ありけり。駅を降りて線路をはさみ競馬場とは反対方向に狭い路地をてくてく歩いていくと、年老いた洋館のような建物がひっそり佇んでいた。記憶は美化して>>続きを読む
「なんか、アタマを空っぽにして映画を観たい...。」そう思って『レディ・プレイヤー1』とコレをハシゴしてみた。
『レディ〜』は睡眠不足から半分以上寝てたが、コッチはギンギン。おかげでアタマがスッキリし>>続きを読む
半分くらい寝てたので感想もクソもない。それが作品のせいではなく、日頃の睡眠不足にその原因があることだけは確かなので、あえてスコアも付けない。
ただ、見てない部分を回収したいとも全く思わないのも確かであ>>続きを読む
ミヒャエル・ハネケ監督作品というのでちょっと心のヒモを固くして行ったのだが、かなりやんわりとした出来で少し肩透かしを喰らった気分。
『ピアニスト』のようなエグく突き刺さる表現はなかった。
実におだや>>続きを読む
本当に立派な作品だと思います。大林監督、ありがとうございました。
「戦争三部作」の2作目。前作『この空の花 長岡花火物語』があまりに素晴らしかったので、『花筐 HANAGATAMI』を楽しみにしてい>>続きを読む
怪しい商売で一山当てた兄(新井浩文)が弟(窪田正孝)に、日頃のお礼にと高級車をプレゼントする。しかし弟は「いらない」と渡された鍵を放り投げて返す。
良かれと思ってしたことが通じなかった兄の、怒りと失望>>続きを読む
キャスティングは全てドンピシャ。
刑事役の松重豊との絡みをもっと見たかった。
峯田和伸はまたまたおいしい役で登場。
アラーキーの菊地成孔も母役の尾野真千子もダッチワイフ職人の嶋田久作も、とても良かっ>>続きを読む
前編を「新宿新次編」とすれば後編は「バリカン健二編」。
新次との数奇なつながりが発覚し、それまで兄弟のようだった二人の関係に微妙な変化が生じる。
「人生は他人が肩代わりすることができない」
健二は、>>続きを読む
撮り溜めていた全6話からなるテレビシリーズを2回に分けて視聴。
あぁ、劇場で見とけばよかった。できれば前後編一気に。それほど濃密な6時間。映画とTVとどこが違うかわからないが、映し出される登場人物に>>続きを読む
鑑賞後、まずは「疲れた」。
映画を観た、というより芝居を見たという感じのほうが強い。
ドキュメントと虚構とが入り乱れながら、休む間もなく次の展開を提示してくる。
でも、ハプニングを期待する芝居のライブ>>続きを読む
ヤスケンの単独主演作品ってだけでこじんまりとしたゆるい映画なんじゃないかと心配だったが、まあ、そうでした。
こういう粒の細かい作品でも、身がしっかり詰まっていれば劇場まで足運んでカネ払って観ても、充>>続きを読む
平坦な戦場で、僕らはパトロールを続ける。何も変わらないのを確かめるように。
ちょっとでも動くものを見つけたら一斉射撃を浴びせ、荒れた地を均すことに腐心する。
今も昔も、血を流すものは過去に流され、失>>続きを読む
ちょうど、ワタシが再び映画館に足を運び始めた頃、劇場でロングランを続けていたので、かなり気負って観に行った。
内容はシリーズの1〜3をごちゃまぜにして、全く新しい世界を作り上げていたので予習・復習な>>続きを読む
「イーストウッドは攻めているらしいですよ」
先日、『15時17分、パリ行き』について友人から聞いた話。
何がどう攻めているのか詳しくは聞かなかったが、見た上であらためて思った。
「イーストウッドは攻め>>続きを読む
ジャン=ピエール・ジュネの『ロスト・チルドレン』を思い出す映像。
しかしやり過ぎだろうと思わずにはいられず、最後までそれは抜けなかった。
おそらく、他者とのコミュニケーションとはこんなもんじゃない。>>続きを読む
テレ東の『その「おこだわり」、私にもくれよ‼』に登場したときの斎藤工の堂々たるシネフィルぶりに、ワタシは狂喜した。
レポーターの松岡茉優と伊藤紗莉にヘッドホンを装着させて視覚・聴覚の自由を完全に奪>>続きを読む
とてもお金のかかった中国版の大河ドラマ。
万人に理解できるように、物語を丁寧に説明してくれる絢爛豪華なCGが次々に挿入される。それでも鈍感なワタシには、怪しさも妖しさも、謎めきも、怒りも憎しみも伝わ>>続きを読む
吹雪に晒されながら、ボンデージファッションに身を包んだ女は、自ら身体を亀甲に縛り上げた長年のパートナーをムチで叩く。
何度も何度も「この変態野郎!」と罵りながら、長年の不倫相手にムチを叩きつける。
妻>>続きを読む
昨年、ユーロスペースで見た『侠女』と『残酷ドラゴン・血斗竜門の宿』があまりに良かったので、キン・フー監督作品をもっとじっくり堪能したいと思いDVDレンタル。
ああ、ため息が出るほど素晴らしい!
ノ>>続きを読む
公開当時、「ジョン・カーペンター監督が『E.T.』みたいな映画を撮った」というので超期待して観に行った。中学生の頃だった。
こんなドンパチもなくモンスターも出てこない"愛"の物語なんぞ理解できるわけも>>続きを読む
映画の内幕ものというのはそれだけでグッとくるものがある。
銀幕、カラカラと音を立てるフィルムの映写機、熱気溢れる満員の観客、テケツ、もぎり、緞帳、2階席、タバコの煙...。全て過去に追いやられてしま>>続きを読む
ジョン・ウー監督の最新作が、健さんの『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイクと聞いたとき、かなり複雑な心境に陥った。アレ、あんまりオモシロくない。
『君よ憤怒の河を渉れ』は健さんの最後の活劇だと思っている。こ>>続きを読む
タランティーノの作品を腰を据えてじっくり見るのは久しぶりだった。
『イングロリアス・バスターズ』は3.5inchのケータイにダウンロードしたものを通勤の行き帰りで見たので、オモシロかったけど"見た"と>>続きを読む
深く考えさせられる映画を見ると、しばらくそこから離れられなくなり思考が立ち往生してしまう。ましてやその映画について何かを語ろうとすると考えがまとまらず支離滅裂になってしまう。例えばこの作品がそうだ。>>続きを読む
込み入った筋を追うのが最近とても煩わしくなった。すこぶるシンプルか、もしくは巧みに引き寄せてくれるか、どちらかでないと、すぐに睡魔が襲ってくる。
この作品は、アクションシーンがとても良くできていて感>>続きを読む
永作博美がいつ爆発するのか、そればかりを追い続けてしまった。
「いや、いないだろうこんなやつ」ってキャラクターばかりが派手に暴れまわる中、終始受けとして虐げられ、邪険にされ、バカにされ、それでもニ>>続きを読む
『桐島、部活辞めたってよ』『美しい星』『クヒオ大佐』がいずれ劣らぬ怪作だったので、吉田大八監督にしては結構普通な作りなのかと、これまで少々敬遠していた。しかし『羊の木』の素晴らしさに矢も盾もたまらず自>>続きを読む
吉田大八監督は、映画とは見世物であると言う事をよく知っている。
『美しい星』では宇宙船、『桐島、部活辞めるってよ』ではゾンビ、『紙の月』では消える三日月、そして今回の『羊の木』ではおろろ様といった、>>続きを読む
「人間ができる唯一の優しさとは、相手を許すことだ。」
こんなことを色川武大の本でよんだことがあった。
ずっと頭に残っていて、おそらくそうなんだろうと思いつつも、自分と違う手法で答えを出す者を受け入れ>>続きを読む