おどろきの白鳥さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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私がやりました(2023年製作の映画)

4.3

すごい完成度のコメディ。
特にオデット役のイザベル・ユペールの怪演が印象的。

全体に、男性の既得権益的なところに乗っかった差別的でダメなところと、女性の強かなところをユーモアたっぷりに戯画的な強調(
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おしょりん(2023年製作の映画)

3.4

明治期、地場産業育成のために全財産を失いかけるほど眼鏡づくりへ投資した、今市町「増永眼鏡」創業者の増永五左衛門・むめ夫妻の姿を描いていた。
のちの世に生き、隣り町の鯖江町も含めた、福井全域での眼鏡フレ
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サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者(2019年製作の映画)

4.4

スーパーパワー・ヒーローの活躍という点で『バーフバリ』の後日譚、インド独立運動への連なりから考えると1920年代が舞台だった(80年の隔たりはありつつ)『RRR』の前日譚みたいな作り。
この2作のファ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.9

お仕事ものと思わせておいての、家族の話。
人を騙すクズばかりという嘘にまみれた世の中で、昔、家族がバラバラになった理由はよかれと思って父がついた嘘や、家族全員が黙っていたため。
だから、それを真っ向か
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唄う六人の女(2023年製作の映画)

3.5

森の迷家(マヨイガ)で、竹野内豊が蜂女、トカゲ女、蛇女、梟女などと絡むお話しでした。
さすが政府の男(違)。
自分勝手なところがある男が、自然の大切さや父親の優しさに気付いていき善人に変わっていくファ
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(2023年製作の映画)

3.9

『アウトレイジ 本能寺編〜ドキッ!ゲイだらけの首狩り合戦、きのう誰斬った?』

東京国際映画祭で一足先に拝見しましたが、笑いどころたくさんでした。
北野武監督作らしく、バイオレンス描写とコミカルなお笑
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.8

東京国際映画祭でひと足先に拝見。

P.A.WORKSが丁寧に作ったお仕事系作品の最新作。
実写向きな内容ながら、そのままの社名を出したりすると差し障りのある蒸留所の社名を変えたり、社長の趣味をバラ
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.1

催眠術や超能力を使い、人の精神を操る、記憶を操作するってあたりで、過去に山のように類似設定作はあり。
『インセプション』『シグナル100』『ヒプノティスト-催眠』など、思い返すと意外性はなく。

何度
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.9

ピンチにつぐピンチで、観ていて楽しいけど疲れました。
命がけで人質たちを救い出そうとする二人の英雄の姿を、スター俳優二人を組ませて描いた力作。
テーマはかなり重く、史実を下敷きにしているが、タリバンと
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おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

3.1

妙に雑に感じたのは、原作のせいなのか、映画スタッフのせいなのか?

党の重要ポストにある政治家にしては、自宅や家族の警備がザル。
犯人の隠れ家って、とっくに人手に渡ってないの?とかいろいろ矛盾と説明不
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

「東京国際映画祭(TIFF)」開催記念の、先行上映で拝見。
木漏れ日や、小さな木の芽を見て慈しむ男の過去に何があったのか。
全てが明らかになるわけではないが、語らず察してください、という作り。
毎日の
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

犬がかわいい。
パンフの情報によれば、主人公の役者さんが実際に飼っている本当の愛犬なんですって。

観ながら、犬と暴力でニヤニヤにたにた笑いっぱなし。
そして、全7章にチャプター分けしてるんですが、6
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.5

古さと新しさが同居するオリジナルSF作品。
物語として、わかりやすい。

まさに温故知新。
おそらくギャレス監督のこれまで観てきた好きなものが、すべて取り入れられています。
日本のアニメ・特撮が出て来
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.1

絶滅動物の擬人化がかわゆい。
いつもお客様の気持ちに寄り添って努力する秋乃を応援したくなる感じ。

接客シーンがメインで派手なアクションはほぼないのですが、動きがよかった。
秋乃の慌てる感じや、身の躱
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(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『舟を編む』の石井裕也監督だけあって、間や演技力を使い、セリフ過多にしない演出はよかったです。
役者陣の演技も素晴らしかった。
しかし、複雑かついろんな感情が同時に芽生える、異様な作品でした。

まだ
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.8

出だしから主人公カップルがロクデナシとわかるエピソード。
次々と襲い来る不快感。

他人から注目を集めるために、自分の身体を傷つけるという思考が全く理解できない。
しかし、山頂から生配信で滑落死したり
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春画先生(2023年製作の映画)

4.1

『黄泉がえり』系ではなく、半ばから『月光の囁き』モードの塩田作品へ。
エンドクレジットに喜国雅彦さんの名前を探してしまったくらいの、妄想全開なフェチ&ド変態映画でありました。

Sの開花とMの正体ばれ
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.2

岩井俊二はぶれない。
クオリティは高い。

何はともあれ、広瀬すずちゃんはかわいい。
どうやったら、樋口真嗣さんから松村北斗くんのような息子が生まれるのか、遺伝子を無視した配役に感心しつつ。
キリエ役
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.6

あそこまでマッチョだと、イギリス諜報員に見えないステイサムですが。
ガイ・リッチー監督が、『スナッチ』みたいなコメディ方向に振った印象はありつつ、まぁいつものステイサム無双。
『M:I』シリーズより、
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.3

原作通りではあるんですが、重たく見ごたえのある文学作品に仕上がってたなというのと。
最後終わり方が、原作からわずかに変えていて、これが実は原作に感じていた不満を解消するものだったので、実によかった。
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.0

「すごくタートルズが好き」っていう作り手の思いがあふれていた印象。
過去の漫画、アニメ、映画、おもちゃの『ミュータント・タートルズ』で育った人たちが大人になって、愛を持って作っているように見えましたね
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

4.3

朝ドラ『らんまん』の、主人公・万太郎と田邊教授との確執時代を思い出して重ねて観てしまいました。
本作は、難病に苦しんでいることや、中年女性であること、権威ある大学を出ていないなどというレッテルで、他人
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沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.4

原作単行本1〜3巻を比較的忠実に再現した内容。
どこが「比較的」と言わなきゃいけなかったかというと、(尺か予算かが理由かわかりませんが)かなり端折らざるをえず、わかりにくさを伴っていたのでした。
妙に
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ハント(2022年製作の映画)

3.0

これ、1980年代韓国の歴史と国家体制知らないと、まったく面白くないはずですよ。
粛軍クーデターによる、韓国の軍事独裁体制と、国家保安局によるナチやKGB並の「疑わしきは逮捕して拷問死」時代という基礎
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.2

爽快。
楽しい。
マッコール(デンゼル・ワシントン)は優しいからこそ、怖い。
今回も『ザ・ハングマン』というか、『ブラック・エンジェルズ』というか、『桃太郎侍』というか、『必殺』というか。

あと、ダ
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ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

4.4

制作に2年かかるのも納得の雪山決戦!
特に急斜面での攻防戦がすさまじかった。

そして、全体を通して、効果音や音楽の設計が素晴らしく。
加えて、亡くなったあらひろこさんの奏でる、継続高校ミカのカンテレ
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.4

怖かった。
実話まんまで脚色なしらしいが、これはもはやサスペンスやスリラーを通り越して、ホラーでした。

黒人の老人の使っていた医療用通報装置が誤動作し、契約の保安会社が、救急隊ではなく警官に安否確認
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ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

2.4

ドキュメンタリーって監督のドラマ性というか、創作性が発揮されるから、物語的になることが多いのですが……
本作は分析のカタログ的な「並び」でしかなく。
ヒッチコック自身の遺した書物や、いろんな評論家が語
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.9

原田眞人監督作品だけに、背景に自然音まで入れつつ、こもったように入れているセリフの1/4くらいは聴き取れない。

という外回り情報とは裏腹に、中身は極めて真っ当かつ良い出来。

安藤サクラの、事務的な
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.4

こえーーーー!
史実をなぞったノンフィクションが原作なのに、しっかりスコセッシ映画になってました。

あっという間の3時間26分、一瞬たりとも見逃せない緊張感。
誰一人としてまともな白人が出てこない。
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ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ただただ、猫目線で子猫ちゃんの成長を見守る映画。
「かわいい」しかなく、逆に言えば「他に何もないほどスカスカ」だったり。

実際に猫を飼っている人たちにはおすすめしません。

ネタバレになります
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.3

いくら熊でも、あんなkg単位のコカイン食ったら、ショック死するでしょ!
とかありえないことだらけ、バカシーン多数。
冒頭に「実話をもとに」とあったが、熊が落ちたコカインを食べた以外に事実はなく、完全な
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.2

演出含めいろいろな工夫が巧みで、かなりの傑作の類だと思いました。

ケイト・ブランシェットの、とても『TAR ター』と同じ女優さんとは思えない(いや彼女だからこその)憑依したような演技は生き生きキレキ
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ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン(2018年製作の映画)

4.0

ウクライナらしさ、お国柄みたいな要素は少なく(あったとしても私程度の知識では気づけず)、昔々ある国でという感じ。
なのに、フランスって具体的国名の出てくるセリフもあり、リアリティラインや現実世界との関
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コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.9

前作スルーでいきなりこの続編映画を観ましたが、問題なく楽しめました。

北のイケメン・ハイスペック将校捜査官と、南の情に厚い熱血系おっちょこちょい刑事が共に巨悪の陰謀に挑むシリーズ第二弾。
まぁ、違う
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

犬が二匹出てきたから傑作。
このシリーズで重要なことは……
犬と家族に優しい奴は、みんないい男だってことです。
ただし、みんな殺し屋だけどね。

キアヌ・リーブスに加えて、W主演だったんじゃないかと思
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