40年前に母と弟と梅田OS劇場でドキドキハラハラしながら観たインディジョーンズの続編新作を、同じハリソン・フォード主演で観られるというだけで単純に感慨深いものがあった。監督は変わったけど。これから40>>続きを読む
訃報を機に中島貞夫初鑑賞というのがなんともニワカで。評判どおりシネマスコープの構図がめちゃくちゃかっこいい。まだまだ絶賛勉強中のチンピラという感じの菅原文太と川地民夫、菅原文太はあまり虚勢を張らずに負>>続きを読む
メーサーロシュ・マールタ初見から3本目にして今回やっとクズ男に腹立たなかった。というか登場する男性は十分にクズであり、でも肝心なのはそこじゃない感が強かったからかも。
そして完成度云々ではなく、個人的>>続きを読む
久しぶりですべて愛おしい。
ジョン・カサヴェテス作品自体が久しぶりで、あのブツ切りと超クローズアップも愛おしい。カサヴェテスの顔の皺をなぞる陰影、やっぱりかっこいいなぁ。ジーナ・ローランズの豊富な髪の>>続きを読む
初アンソニー・マン。撮影が大変よかった。撮影監督はジョン・オルトン。ノワールな陰影にもさまざまバリエーションがあるうえ、暗闇に外光が差し込む剝製屋での乱闘シーンはゴシックですらある。森の中のシーンもあ>>続きを読む
『マリとユリ』よりこちらの方が先に制作されていて、モノリ・リリとヤン・ノヴィツキが同じ役名のユリとヤーノシュで夫婦役となるが、別人として描かれている。こちらのヤーノシュの方があからさまにクズ男となって>>続きを読む
酔い潰れたマリが、ユリとその夫ヤーノシュに介抱されながら列車に揺られるシーン。自宅で酔い潰れたヤーノシュを罵倒するユリをマリがなだめ、二人で介抱するシーン。これらのシーンにみられる三方関係で、奇妙な均>>続きを読む
面白かったんだけど中盤のカーチェイスが続くところでまたも得意の寝落ちをキメてしまった。たしか『殺人者たち』でもカーチェイスで寝落ちした。先週観た『少年、機関車に乗る』でもガタンゴトンいう音で寝落ちした>>続きを読む
発端の速さはやはりドン・シーゲル。この殺人シーンでの恐怖する老人のアップ、入口の四角い闇で囲われた屋外に飛び出す家政婦もまた銃殺され、その構図が繰り返されるところ、捨てた銃の波紋に映る刑事の姿によって>>続きを読む
本日観たドン・シーゲル作品では群を抜いて面白く、最初から最後まで目が離せなかった。『夜の人々』『拳銃魔』『暗黒街の弾痕』といったボニー&クライド犯罪逃避行ものの系譜にあり、それらの中でも群を抜いてスピ>>続きを読む
桜丘のユーロスペースで初公開時に観た。30年前ですってよ…本邦ではVHSでしか観られない本作、追悼上映もユーロスペースだった。80年代初頭くらいの映画だと思ってたら1991年だったのか。
実は本作を観>>続きを読む
これまで何度も、数年前の追悼上映でも観ているのだけど、すぐそこにある内戦の存在が今日はすごく印象に残った。やっぱりウクライナの影響はあるのだろう。
当時のタジキスタンでリアルタイムに起きている内戦のも>>続きを読む
玄関やバルコニー、車内などのウインドチャイムや、オールドファッションな広告レタリングが鏡面に施された大鏡があちこちで登場する。ウインドチャイムの音はツトム・ヤマシタによる尺八などを交えた不協和音の劇伴>>続きを読む
普通に生きられなかった女性がどんどん怪物化していく。普通の人づきあいができない者にとって、これほど痛いものがあるだろうか…ある意味涙なしには観られないよ。それがまた滅法出来のよい作品となっているのだか>>続きを読む
神奈川近代文学館で本日最終日の「小津安二郎展」を観てきた。行ってよかった〜!大変充実した内容の展示で、気づいたら三時間以上居た。
フィルムが現存しない初期作品は、宣伝広告などでその様子を垣間見ること>>続きを読む
無性に好い。ショットとつなぎ方が矢鱈かっこいい。編集もリチー本人。
シンプルなボーイミーツガールが何だか好い。60年代の温泉地 熱海。険のあるムスッとした縄文顔の女性とどことなくムワッとした淫靡さのあ>>続きを読む
ヘルムート・バーガーの訃報を受けて、十数年ぶりにDVDをひっぱり出してきた。
ヴィスコンティの作品では一番好きかもしれない。
ダーク・ボガードの本作での凡庸さや哀れさも『愛の嵐』の次に好きだし、イング>>続きを読む
前半の緊張感に対して告発で瓦解してからの描き方はちょっと短絡的というか典型的というか、そういう勿体無さはあるなと思った。これだけ長いのだから後半も変にエモーショナルな演技を入れないで、前半の名状しがた>>続きを読む
2023.5.14
久しぶりに観て圧倒されたので再掲。アルドリッチ監督の中でも群を抜いて容赦の無い作品だと思う。
手元にあるDVDのマスターフィルムはところどころ傷があり褪色気味なのだが、その赤みがか>>続きを読む
『ナポレオン』も『鉄路の白薔薇』『戦争と平和』も観ていないのだけどこれがあのアベル・ガンスの作品?と目を疑う。
しかし歪んだ鏡のトリック撮影のみに依拠して終わる出鱈目さ、極端さが後年の矢鱈と長い作品に>>続きを読む
『バルタザールどこへゆく』を元にしていること、そうした場合映されるのは必ず人間の愚行と虐げられるロバであることから出オチ感があるなと思ってはいた。
EOの主観視点、EOの主観ではないのだろうけど彼の>>続きを読む
十数年ぶりに観たニコラ・フィリベール作品。『すべての些細な事柄』も精神疾患のある人たちに取材したドキュメンタリー映画だった。本作ではセーヌ川岸に浮かぶ「アダマン号」という精神科デイケアセンターに通う人>>続きを読む
世論や弁護団の言い分が悉く反故にされて永年に渡って不当に拘束されたり人間扱いされない状況に陥るって、いまの日本でも起きてることじゃないのか。遠い国の過去の話として一蹴できない現実の恐ろしさ。
マスメデ>>続きを読む
原作の雰囲気を大事にした作画で好印象。安心して観られるし、原作しか知らない者からしたら上手く再現してくれて嬉しい。
小鉄とアントニオJr.の決闘シーンなども中割りがしっかりしてるのでスピード感あるアク>>続きを読む
ブレッソン『抵抗』と同じくらい面白かった!
脱獄シーンまでほぼ音楽なしで台詞も極端に少ない。クリント・イーストウッドの出自や収監理由も一切語られない。おそらく同じ場所での同じ構図も無い。商業映画の派手>>続きを読む
リー・マーヴィンとジョン・フォードが組んだ数少ない作品で、ジョン・ウェインとマーヴィンの殴り合いがたくさん観られるということで期待したが、エンターテイメントとしては若干複雑な気持ちで観ることとなった。>>続きを読む
これが噂の…はぁ〜なんとも興味深い!
リリアン・ギッシュ演ずるレティという女性の役柄にあてられた曖昧な性質が色々あだとなっている。後述するが男性の誠実さや正当性を浮き上がらせるための、脆弱さや不安定さ>>続きを読む
見入ってしまった。
レマン湖畔の風景はどれも美しい。ことに雪が降り積もったところ。それらのショットにベートーヴェンの弦楽四重奏などが重ねられ、これまた無条件に感動してしまう。Blu-rayの画質もとて>>続きを読む
布団の中で配信で観た。絶対途中寝るだろうと思ったら意外にも大丈夫だった。
アテレコなのか、誰がどの台詞を喋っているのかわからなくなる。ものすごく近くに聴こえたりもする。ジェラール・ドパルデュー演ずる>>続きを読む
真珠湾攻撃直後の志願兵をこんなにも軽いスラップスティックに仕立ててしまう、そういうバリエーションは戦中の日本映画では絶対に許されなかっただろうけどこの『ウィリーが凱旋するとき』も戦後の映画だからな。戦>>続きを読む
濃い陰影がことのほか美しい。船中は勿論のこと下船してからのしとどに濡れる石畳を行ったり来たりする陰影もまた素晴らしかった。全体に暗い色調なのでスクリーンで観られてよかった。殴り合いも相変わらず笑っちゃ>>続きを読む
素晴らしかった…今更ながら。アクションのキレと素早さを断絶させないショットが尋常でない。と同時にカタルシスよりもそこはかとない悲しさを残し、何度でも観たくなる作品だと思った。そしてジョン・ウェイン、ジ>>続きを読む
二十年以上前に桜丘のユーロスペースで観て以来だと思う。これが初めて観たゴダールだったかもしれない。記憶してたよりも横移動シーンの回数が多かった。ジャン=ピエール・レオ出てるのも忘れてた。
当時も面白い>>続きを読む
桜丘にあったユーロスペースで初公開時に観た。『少年、機関車に乗る』も勿論好きだけどこちらは特に好きだった。
2015年、フドイナザーロフ監督の訃報を聞いた。その名を聞くのも久しぶりで、そういえばタジ>>続きを読む
撮影がすごすぎる。さすがのヤヌス・カミンスキー。映画全体がロマン主義絵画のようなやや人工的に深い色味で、これはフィルム上映で観たかった。
騎兵隊シーンの馬の美しさ!このシーンの馬と騎兵隊の剣の連なりと>>続きを読む
泣いた。母としての愛情の物語というより、ひとりの人間の問い直し・再生の物語としてみる。
原題Pilgrimage(巡礼の旅)は、我が息子の戦没慰霊ツアーという画一的なパトリオティズム裡に押し込められた>>続きを読む