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ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士ですのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.5
週末に一気に見ちゃいました。
涙なしには見れないハートウォーミングな作品でした。

20歳のグルはお父さんと一緒に遺品整理の仕事をしていましたが、お父さんが病死し独りぼっちになってしまいます。
その後、グルの後見人としてやって来た前科者の叔父サングと家族になっていくまでの物語です。

グルはアスペルガーなので、こだわりが強かったり、時にパニックになる事もありますが、お父さんはグルをいつも受容し認め愛情で包み込んでいて、その愛の深さに泣かされます。

叔父のサングは粗野な人で、子どもの頃から家庭に恵まれず、傷ついて孤独に生きてきましたが、遺品整理の仕事やグルとの生活を通して、人の優しさや温もりや愛を知り、憎しみや不信から解放されて変わっていくのが良かったです。

また、遺品整理士という仕事についても知れて、孤独死や殺人などの現場での仕事の大変さはもちろん、遺族が遺品受取りを拒むケースなど困難もありますが、どんな現場でも亡くなった人に敬意を払い尊厳を大切にする姿勢に心打たれます。

そして、ただ遺品を整理したり掃除をするだけでなく、亡くなった人が伝えたかった思いに寄り添い、遺された人に誠意を持って伝えるグルの優しさや純粋さに心洗われるようでした。
それぞれの死に家族の物語があり、尊い人生があったことを思わせてくれます。

各エピソードに、ブラック企業の労災事件、孤独死、デートDV、老老介護、同性愛、人権軽視の養子縁組、三豊百貨店崩落事故、貧困、虐待などの社会問題を取り入れていて、厳しい社会の中で埋もれてしまう立場の弱い人たちの事を浮かび上がらせてくれたのがとても良かったです。

「愛の不時着」ではマンネの北朝鮮兵士を演じたタンジュンサンが、アスペルガーのグルを好演してて、ほんとに可愛くて愛せるキャラになってました。
これからもいろんなドラマで活躍しそうで楽しみです。

遺品整理の仕事のエピソードが各話とても良かったですが、さらにグルとお父さんの親子の物語、グルのお父さんとサングの兄弟の物語も詰まってて、韓国らしいドラマチックな家族の物語に涙を搾り取られました。

イジェフンはともかく、他のキャストは地味なのですが、ほんとに心温まる素晴らしい作品だったし、1話が60分以内で10話完結というのも良かったです。

そうそう、ヴィンツェンツォのクムガプラザとの再会はテンション上がりました!

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