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イカゲームのyamadakabaのネタバレレビュー・内容・結末

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

無職、ギャンブル狂、借金まみれの男が、イカゲームと呼ばれる謎のゲームに参加。大金を得るために、生死を賭けたゲームに参加する物語。デスゲーム。

現実の経済格差や貧困問題を感じさせる設定や、主人公が勝つことや大金に喜びを見出せなくなる結末のメッセージ性などでNetflix1位を獲得した作品。

ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)は、仕事もなく、ギャンブルもやめられず、多額の借金を背負い、妻には逃げられ、たまに会う娘にも気を遣わせてしまう憎めないけど、ダメな男。お金欲しさに謎のゲームに参加すると、そこには同様に債務に苦しむ456人の人々。456億ウォンの賞金目当てに、ダルマさんが転んだや綱引き、型抜きなど懐かしのゲームに命を賭けて挑んで行く。

デスゲームという設定なら、生と死が目前に迫った異常な状況下でのみ見せる普段は見せない本性だったり、もしくは優しさだったり、人間の本質を抉り出すストーリー性があっていいような気がする。イカゲームでも、主人公のソン・ギフンが、幼馴染のサンウを信じられなくなったり、ビー玉勝負でおじいさんに嘘をついて勝ちにいったり、他の参加者も妻を殺したり、友情を感じた相手を殺したり、と出てくるけど、しかしひとつひとつのエピソードが弱い。死が目前の状況なら、もっとズルしたり、発狂したり、無様だったり、無力だったり、、いろんな人間の本質があぶり出されていいと思う。

ゲーム開催者側の、命を弄ぶ狂気や得体の知れない怖さもデスゲームを引き立てる要素のひとつだと思うけれど、満を持して登場したVIPの魅力はない。金持ちの道楽の域を超えないゲーム自体の存在理由も目新しくなく、既視感

ゲームと兄の関連に気づき潜入する刑事のサイドストーリーも、続編にのみつながる伏線。ギフンたちの葛藤や、黒幕のおじいさんのストーリーともっと絡めてもよかったと思う。

第5ゲームだけ、ガラスでできた橋渡りゲームだったのも、設定がぶれている。人数を減らすのに適した昔の遊びがなかったのかな?
VIP席からの角度だと、参加者がどちらのガラスを選んだのかわからないから、それもつまらなそう。
最終ゲームのイカゲームはルールがよくわからず、結局泥に塗れながらの子供のケンカみたいになっていた。そんなゲームでVIPは楽しめるのだろうか?

そんな映画だった。
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