モモモ

ガンニバルのモモモのレビュー・感想・評価

ガンニバル(2022年製作のドラマ)
4.2
1話(4/10)
長回し1カットスタートの時点で「邦画特有の貧乏くさいドラマ」から一線を画す。田舎ハラスメント(嫁の巨乳指摘に酒強要なので田舎特有ではない気がするが)を散りばめたドラマ1話としての種蒔きに従事した物語運び。銃を向けられてもホルスターに手をかける気概、熊に襲われて滅茶苦茶にされるが顔面を殴り射殺後は安堵の笑顔、そして供養の熊生食いを咀嚼途中で拒否。この攻撃性と反骨精神、既に暴力警官の気配ムンムン。すごく丁寧な実写化だな、というしょうもない感想です。

2話(4/12)
ボケカスがぁ!!1話と2話で1セットだな。暴力警官大爆発。煽られて即暴力で黙らせる小気味良い爽快感。「後藤家のあいつはなに?」「人食いってなに?」の促進力が確かな一級ミステリー。クリフハンガーとしても完璧。墓前のシーンが「邦画特有の貧乏くささ」から完全に逸脱してて最高。劇伴も良いね。

3話
襲撃からの襲撃と回想。原作からの脚色が上手いな。構成かえるだけで如何に「暴力野郎なのか」が際立つ。純な女が言う「誰かが優しくしないと」は正論なんだが犯罪者相手にはなぁ。このドラマのテーマになるかもしれんが、そんな純な正論が。冒頭が完全に「その男〜」オマージュで良い。「アシュラ」的車内カメラワークを披露してくれたので、超絶カーチェイスが見れるかと思いきや、そこのVFXは少ししょぼく。的確に扉の下から撃ち抜く暴力警官は良い!

4話
後藤家やべぇの次は「田舎民もやべぇ」回。過剰なまでの「美しい田舎」コミュニティをBBQというコレまた根暗が嫌がる場で披露して。ガッツリ盗聴からの「盛った噂話」「目上が絶対」「新参は勝手なことするな」村八分三昧。早く田舎民も暴力でなんとかしてくれ。「めんどくせえ」の一言で爆発までの余波が見えるので期待大。娘が懐く存在が邪悪という救いのなさ。精神を病んだ母親の演技がベストアクト。ニゲロ、のカットバックも良い!

5話
今回も暴力爆発ならず!が、既に「暴力振るっても良いよな」という状況を整えているので「爽快感への予兆」がビンビンです。もう「駐在!」って呼び方が最高にムカついていい。蔑称になってるというか、下に見てないと出ないニュアンスが。何でもかんでも「何喋ってた?」とかいう中学生みたいな陰湿さに。酒かけてきて、圧をかけてくる馬鹿どもに。早くボコボコにしてくれ!!!!

6話
暴力警官、軽めに田舎民をボコってスタート。まさかのお馴染みの柔道技が効かない上位互換暴力野郎に屠られてエンド。最終話に向けての助走ですね。同じデコの傷は「主人公と同じである」現れか。意を唱えたのは、笠松新当主なのか。人食いで気が違わずに適応したら…?子供を家畜にしていたら…?という「予想を裏切らない」展開ではあるので、もう一捻り欲しいところだが。頑張れ、暴力警官。VS血統主義。VS日本の家族観。

7話(4/14)
クリフハンガーで終わる最終話。暴力警官の爽快感は持ち越しへ。妻と娘の安否も、本当に信用出来る人物なのか曖昧な署長も、そして決着も曖昧。田舎全てを主人公が燃やし尽くさないとどうしようもないだろ。何故、当主が習慣に従うのか=マザコン故という種明かしも済んだので、キャラクター描写という点では手がないんですよね。ラストエピソードとして2時間の完結劇場エピソードがちょうど良いのだろうが、ディズニープラスだしなぁ。これでシーズン2も曖昧なのはギャンブルとしては好き。あと「まあ死んだら口実が出来て警察突入できるでしょ」とかいうドライな先輩刑事も好き。
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