モモモ

ツイン・ピークス シーズン1のモモモのレビュー・感想・評価

ツイン・ピークス シーズン1(1990年製作のドラマ)
4.1
1話(11/10)
映画1本分に序章。だけど構成はドラマなのでキャラクター描写に配分と焦点を。川辺で見つかった女子高生の遺体。恋人はウェートレスと浮気し、ウェートレスは旦那持ちで、ガソリンスタンドの気の良い店主も浮気していて、最後には主人公側の警察官も未亡人と恋に落ちている。閉じた田舎の閉じたコミュニティでの色恋沙汰。亡くなったパーマーにも2人目の恋人がいて、容疑をかけられた彼を想うのはパーマーの親友。見返すとあまりにも痴情が持つれていて参ってしまう。FBI捜査官の主人公の「先を行く」洞察力と、パーマーが隠していた何かと連なる犯人。ネックレスの欠片を持ち去るクリフハンガー。面白いなぁ!!

2話(11/7)
更に深まる痴情の縺れ。変人だらけの街での、変人捜査官による、会話劇。前話のクリフハンガーを即回収。深まるローラの謎。あちこちに繋がりがあり過ぎるローラ。二面性、三面性。ご飯が食べたくなるドラマ。クーパーの鋭さが良い。

3話(11/8)
Jの綴りの容疑者が多すぎる町、ツインピークス。ローラの貸金庫の謎は解けたが、更に謎は深まる。性に薬に、怪しい連中のオンパレード。あまりにも疑わし過ぎて逆に疑わしくないDVドライバーとイケイケ彼氏の接点、その裏にいる影の男、ぶっ飛んだクーパーの操作術、そしてラストの赤い部屋。ここからリンチ作品としてのギアがかかる。とにかく濃い登場人物。ツインピークス最大の面白さは「そんなやついないだろ」な面々にある。

4話
母以上に壊れていく父の魂。とち狂った操作手法を受け入れる地元警察。秘密結社で、森に潜む「何か」と闘い続けている彼らがそうした手法を受け入れるのも自然の流れ。ローラは麻薬漬けで、そもそも高校が麻薬まみれで。平穏な街の事件ではなく、平穏に見えた街に暗部に侵された事件。超常の類。フルソロットル!!

5話(11/18)
キレのある撮影とカメラワークが多い1話。狭い街での人間模様は更に複雑に。1つの謎が解けたら、一つの謎が増える。ワンアイジャック、放火。ローラは街の暗部の象徴。各々の思惑が絶妙に噛み合わない。ろくでなしだらけの街。

6話
面白さは加速するばかり。暴力としての頂点にいたレオを越える男が仮出所。寝不足のクーパーはイライラしてるが、有能な一手を尽くし続ける。ラストがいい。イライラで帰宅、部屋への侵入者に気付いて即銃を抜く。この手捌きよ。加害者だと思っていた者たちが実はパーマーに強要された被害者であることが明らかになる反転。放火にも更なる裏があり。人間模様は複雑になれど、事件を進めていくのは夢の力。根底がファンタジー。そこが最高。

7話(11/20)
やはりクーパーは大人です。一安心。銃撃は未遂、鳥がヒントを喋り、ワンアイズジャックに潜入。放火には裏の裏が。コカインをバイクに仕込んで。先生は騙されて。シーズン1フィナーレに向けての助走に徹する。クーパーの影が薄い回。

8話
絶妙にすれ違うシーズンフィナーレ。思惑と思惑がぶつかりあい、犯人の一端に過ぎない男は死に、もう片割れは撃たれ、クーパーまでもが…なクリフハンガー。陰謀と策略が炸裂して、そのまんまな「次を観たいと思わせる」ドラマ構成。本当に何も解決してないどころか、複雑になって終わってますからね。最高!
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