なお

ミズ・マーベルのなおのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
3.8
"オタクにヒーローは難しい"

MCUテレビシリーズ第7弾。
MCUとしては珍しいイスラム圏にルーツを持つヒーローであり、またピーター・パーカー/スパイダーマンと同じティーンエイジのヒーローでもある<カマラ・カーン>が主人公。

根っからのアベンジャーズ・オタクであるカマラは、学業に進路に恋に大忙し…(?)の高校生。
特にキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルに並々ならぬ憧れを抱く彼女だが、ひょんなことから曾祖母が遺したバングルを手にしたことにより、摩訶不思議な力を得る。

カマラはこれをきっかけに、自らがずっと憧れてきたスーパーヒーローになるという「未来への道」を切り開き、また逆に祖先が一筋縄ではいかぬ経緯で切り開いてきた「過去の道」を知ることとなる。

✏️感嘆
ちょっと自分が予想していたような作品内容とは違ってしまったかなぁ、そのギャップのせいで今一つ楽しめなかったかなぁ、と感じた。

ザ・ウィークエンドの「Blinding lights」にノせて我々の元にお届けされた本作のティザー映像。
これを見る限り、カマラが恋に学業にヒーローに大忙し…!青春満開…!な内容かと思っていたのだけど、フタを開けてみると意外とそんなことはなく。

一介のアベンジャーズ・オタクであるカマラ。
カマラの数少ない理解者であり、親友でもあるナキアとブルーノ。
スクールカースト上位のインフルエンサーであるゾーイ。
そしてカマラが密かに想いを寄せるカムラン…

これだけ見ると「いまいちパッとしない女子が不思議な力を手に入れて、自分の学校生活も世界も救っちゃうゾ!」的な土台は完全に出来上がっているのだが…

第1話の時点では、ポップでグラフィカルな映像表現も目に楽しかった。
だが、カマラとその母、そして曾祖母であるアイシャの過去とルーツを巡る展開になってからはストーリーが小難しく、辛気臭い内容にシフト。

アクションシーンも他のMCU作品と比べると派手さと爽快感に欠ける。
バングルによって得られる力を除けば、戦闘能力も身体的能力もふつうの人間となんら変わりないカマラであるので仕方ないかもしれないけど。

敵対する組織が「警察」である点も、カマラたちが高校生であることを考えれば致し方ないかもしれないが、やはりスケールの小ささが目立つ。

☑️まとめ
と、どちらかというと賛否の「否」の方が若干強めのレビューになってしまったが、今後のMCUの作品展開になくてはならない重要なピースであるのも確か。

最終話にサプライズ登場した”彼女”の意味。
そして「will return」へ抱かざるを得ない期待感。

驚くべき力(marvel)を手に入れたカマラは、そのまばゆい光で真に世界を救う日はやってくるのか。

世界を救うヒーローは、肌が茶色でも黄色でも、何色でも関係ない。
なお

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