なお

下剋上球児のなおのネタバレレビュー・内容・結末

下剋上球児(2023年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

TBS「日曜劇場」枠。

10年連続県大会初戦敗退の弱所高校・三重県立白山高等学校野球部が、2018年夏の甲子園に出場するまでの姿を描いた菊地高弘氏の著書「下剋上球児」が原案。

それぞれのコンプレックスや逆境を抱えた教師・生徒・そして三重の人びとが見せる「下剋上」を描くドラマ。

✏️日本一の下剋上
「日曜劇場」としての前作『VIVANT』が、ハラハラドキドキの世界を股にかけた大スペクタクル作品であったのに対し、その後を引き継ぐのが地方の弱小高校の野球部の活躍を描くドラマ~~~?
TBS、別班で息が切れちゃいましたかなァ~~~?

…とか思っててスミマセンでした。今回の日曜劇場もめちゃくちゃ良かったです。

最近なんでしょう、こういう「弱いチームが強いやつらをやっつける」みたいな展開に弱くって。
それこそもう、ポカリをこぼした後の手くらいベッタベタな展開が好みで、ちょっとしたことで目頭がアツくなっちゃうんですよねぇ…

鈴木亮平さんと黒木華さん始め、豪華キャスト陣の安定感のある演技はもちろんイイんですけど、やっぱり本作の主役である「球児」もとい、若手俳優陣の活躍、そして野球をプレーする時の一挙手一投足が光ってましたね。

野球の「バットを振る」とか「ボールを投げる(捕る)」動作って他のスポーツよりも「素人くささ」が出やすいスポーツだと思っていて、よくテレビ番組の再現ドラマで真っ白なユニフォームを着た俳優が素人っぽさ全開の「野球」をやっているのを見ると、結構それだけでゲンナリしたりすることがある。

あの若手俳優陣の中に何人野球経験者がいるか分からないけれど、ほぼ全員の投球フォームやバッティングフォームに違和感がなくて、しっかり作品の世界に入り込むことができた。

本作では弱小校から甲子園を目指すというテーマ以外にも、無免許でありながら教師をしていた南雲とか、以前勤めていた高校を淫行疑惑で辞めることになった山住とか、一筋縄ではいかない逆境を抱えた人物が多く登場する。

その分ドラマも横に広がりがちなんだけれど、それを最終的にきっちりまとめてられているのも高評価の理由。

☑️まとめ
野球経験者ながら野球を題材にしたドラマをほぼ初めてちゃんと見たけれど、ベタで王道で、でも人の心を震わす、そんなドラマが私は大好きですよ。

本作を完走して、今でも記憶に残っているシーンがある。
それは本作の最後の最後、甲子園に初出場を果たしたザン高が、甲子園初戦で11対0の大敗を喫するシーン。

これだけの大敗ながら、選手や監督、そしてスタンドまでもが、まるで勝利を収めたような拍手と歓声。
そうだ。これぞ「高校野球」だ。

ザン高は甲子園出場校の中ではまだまだ「弱小」。
ザン高野球部の下剋上はここからまた始まる。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

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