なお

エコーのなおのネタバレレビュー・内容・結末

エコー(2024年製作のドラマ)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

昨年末配信『ロキ』(シーズン2)に続く、MCUドラマシリーズ。

生まれながらにして聴覚障害を持ち、そして片足は義足というハンデを背負いながらも、常人を遥かに凌ぐ身体能力、そして先祖から受け継ぐ異能の力を武器に戦うマヤ・ロペス/エコーが主人公。

2021年配信『ホークアイ』では「ジャージ・マフィア」のボスとして登場したことも記憶に新しい。
(自分はこのレビューを書くまで全く覚えてませんでしたが)

✏️その血の運命
率直な感想を言うと、面白くなくはない。
だけど手放しで褒められるか?と聞かれるとう~~~ん…と、なんとも返答に困る作品。

そもそもの設定や世界観、そしてマヤというキャラクターが持つ魅力が個人的に非常にぶっ刺さったのは間違いない。

まずアクションシーンにかなり気合いが入ってますね。
マヤを演じたアラクア・コックスは、役だけでなく私生活においても聴覚に障害を持ち、また義足もCG合成などではない。

「ダブル・マイノリティ」一般人からすればどうしてもハンデと受け取ってしまうこれらの身体的特徴を感じさせない切れ味鋭い肉弾戦シーンは本作の見どころの一つ。

またアイアンマンやキャプテン・アメリカなら絶対にしないだろう、生身の人間の頭を机に叩きつけ気を失わせる、などといったダーティーな戦闘スタイルも自分好み。

そして「先祖からの受け継がれし力」。本作の最大のテーマの一つ。
「ジョジョ」が好きな自分からすると、「受け継ぐ」とか「血統」とかそういうものにとてつもないロマンを感じてしまうのだけれど、本作ではそれがバシバシ描かれるからたまらない。

マヤの戦闘シーンでご先祖様の顔がフラッシュバックするところとか、最後にご先祖様が全員集合するシーンとかもう最高。

アクション一辺倒でなく、「先祖から受け継がれし力ってなんなの」といった若干のミステリ、スピリチュアル的要素を挟むことで、マヤというキャラクターひいてはドラマそのものに奥行きが出ていると思った。

ではなぜ決して高いとは言えないこの点数なの?というところなんですが…
いかんせん、ドラマ作品において肝心要のストーリーと人物描写が全体的に中途半端だったのかなぁ、と。

マヤというキャラクターの魅力はもう十分すぎるくらい伝わってきたんですが、マヤのおばあちゃんにいとこ、叔父さん、親友のボニー。
これらの主要人物たちの掘り下げが不十分に感じ、最終話でみんな仲良く集合して大団円…という流れはかなり消化不良感が否めない。

マヤの特殊能力が結局なんだったのかもよく分からないままだし(これからのシリーズで明らかになるのかもしれないが)、第1話でゲスト出演した彼らの存在が本作のピークだったかもしれない。

☑️まとめ
ハジけそうで、ハジけない…
というモヤモヤ感を抱えたまま完走。

前述の通り設定と世界観、マヤというキャラクターが抱える因縁みたいなものはかなり自分好みなので、もう1本ドラマシリーズか何かしらのMCU映画シリーズに出演させてくれないかしら…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

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