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世界大会の代表選考会を目前に控えたボクサー・泥川七音（池田エライザ）は、つぶれかけのボクシングジムで苛烈なトレーニングに耐える日々を送っていた。それに対し、七音のライバルである財閥令嬢の聖川愛花（山崎紘菜）は、恵まれた環境で鍛えられた上に、誰からも愛されるインフルエンサーとして活躍していた。生い立ちも性格も対照的な2人は、リングの上で激突するが、その勝負の先には思いも寄らない悲劇が待っていた……。

突如、選手生命を絶たれた七音は、現実を受け入れられず、自暴自棄になる日々。看護師の宮崎（内田慈）は親身になって寄り添おうとするが、それを拒絶する七音。そんな中、七音の事故を知った飛悟（矢本悠馬）と匠苑（一ノ瀬ワタル）は、七音のために作った義足をひそかに彼女の足に取り付ける。得体の知れない義足に戸惑いながらも、愛花に対する闘争心を糧に、七音は痛みに耐えながら必死に歩き始める。

義足のボクサーとしてリングに復帰することを望む七音は、入院して以来、一向に病院に姿を現わさない正治（平山祐介）の元を訪ね、トレーナーを継続してもらおうと考える。しかし、七音に再起の見込みがないと考えた正治は彼女を見限り、新たに有望な選手として幼い少女を迎え入れていた。その裏切りに激怒した七音は正治と拳を交える。一方、七音のことを「ドレミ」と呼ぶ謎の女性・鸞（霧島れいか）が病院にやって来るが……。

鸞に自身の出自について知らされた七音は、その愛情に触れ、硬化させていた態度を徐々に和らげていく。その後、鸞に連れられて生家に帰ってきた七音は、鸞の介護によって生活している父親・詩音（近藤芳正）と再会する。七音の身を案じる飛悟と匠苑は、しばらく泥川家の中の様子を探っていたが、家族水入らずの時間を過ごす七音の姿を見て安心していた。しかし、幼いころの記憶を取り戻した七音に、ある異変が起こり……。

飛悟と匠苑が暮らすガレージに連れて来られた七音は、2人のリーダーである瑛磨（田中俊介）と、彼らに違法な仕事を斡旋している橘（大迫茂生）に出会う。愛花との再戦を望む七音は、プロモーターの布部（池田良）に相談を持ち掛けるが、興行の運営に多額の資金がいると聞かされる。橘の勧めで裏のアルバイトに従事し始めた七音だったが、仕事の最中にある事件に巻き込まれたことをきっかけに、瑛磨と対峙することになり……。

七音の闘争心を見込み、地下格闘技の舞台に立つことを勧める瑛磨。しかし、あくまでボクサーとしての再起にこだわる七音はその誘いを断わる。そして、七音は愛花との再戦のためにためた金を全額、布部に渡すものの、彼女の希望は思わぬ形で裏切られることに。そんな七音に追い打ちをかけるように、世界チャンピオンの座を手に入れる愛花。復帰への道をことごとく閉ざされる七音のために、瑛磨たちは彼女をある場所に連れていく。

表舞台への希望を絶たれた七音は、地下格闘技のリングに立つことを決意する。しかし、義足姿の七音に対する観客からの期待値は低い。下馬評を覆したい七音だったが、対戦相手の安藤（阿見201）に劣勢を強いられる。そんな中、刑事の軍沢（古田新太）は、七音のひき逃げ事件に関して愛花の父・誠一郎（高橋和也）の元を訪ねる。一方、愛花とガン（金子大地）は、悪人をこの世から一掃するシステムをつくるため、行動を開始する。

地下格闘技の世界で順調に名を上げていく七音は、瑛磨がゆすりに利用するために手なずけた少女・小恋（宝辺花帆美）と出会う。そんな中、地下格闘技が行われていた倉庫が封鎖され、根城にしていたガレージを橘によって追い出されてしまい、行き場すら失くしてしまう七音たち。愛花とガンが始めた活動は想定外の反響を呼び、多くの賛同者が現われる。愛花とガンの“正義”が、皮肉にも七音の運命を更に狂わせていくことになり……。

愛花とガンの活動は着実に実を結んでいく。一方、空き巣に入った豪邸で小恋の誕生日を祝う七音たち。つかの間、平穏な日々が続くが、七音たちの犯行を知った愛花とガンが現われ、拠点にしていた豪邸からの逃亡を余儀なくされる。その後、刑事の軍沢と父・誠一郎の会話からある事実を知ってしまった愛花は、激しく感情が揺さぶられることになる。そんな中、七音たちの前に“ゆがんだ正義”を振りかざす者が現われ……。

負傷した瑛磨をアジトに連れ帰った七音たちは、愛花とガンが立ち上げたサロンの存在を知り、自分たちが狙われていることに気付く。一方、愛花とガンは、愛花のファンである慎二（小久保寿人）が犯した犯罪について糾弾する。その結果、愛花に突き放されたと感じた慎二は暴走し、七音たちの前に姿を現わす。七音は、自分を絶望のふちに追いやった事故の真相を知ることになり、その怒りを胸に慎二と対峙することになるが……。

慎二の逮捕が世間に衝撃を与える中、責任を感じた愛花は記者会見の場で、ガンとともに立ち上げた「ヤッター1」の解散を宣言する。メディアを通して七音に謝罪を述べる愛花だったが、すべての元凶が愛花だと考える七音は、その言葉に対して怒りをにじませる。飛悟と匠苑とともにガンを拉致し、愛花を誘い出す七音。お互いに一歩も引けない状況の中、七音と愛花は再び拳を交えることになる。――令和の“ドロンジョ”、ついに完結！