日本有数の大企業・八神製薬の社長令嬢・八神結以(桜田ひより)の20歳のバースデーパーティーが、都内のホテルで盛大に開かれている。母を早くに亡くし、父である八神製薬2代目社長・八神慶志(北村一輝)のもとで大切に育てられてきた結以。少女の面影を残しながらも、集まった政財界の重鎮らを前に堂々と壇上に立った結以は、自ら発案した『給付型奨学金プログラム』の設立を発表。結以の気構えと気品あふれるたたずまいに、列席者からは賞賛の声と惜しみない拍手が送られる。父の慶志はその姿を祝福し、この日のために準備していた結以の生まれ年に作られたワインを振る舞う。
パーティー終了直後、結以は慶志の秘書で目付け係でもある万代詩乃(ファーストサマーウイカ)に付き添われてホテルの控室に戻る…緊張が解け、一息ついた瞬間・・・事件が起こった!結以の部屋に潜んでいた清掃員に扮した2人の男が襲い掛かり、抵抗空しくスタンガンを当てられ、誘拐されてしまった!!
誘拐犯は、結以とは正反対の、日の当たらない世界を生きてきた林田大介(佐野勇斗)。仲間の山口健二(結木滉星)と共に結以を寝袋に隠すとランドリーカートに入れ、主犯格の斎藤丈治(飯田基祐)が用意した車でホテルを去る。
一方、結以の控室に食事を運んだ万代はその異変に気付き、即座に慶志に連絡。彼女の手元にはなぜか結以の位置を示すGPSが表示されており、その移動速度から車で連れ去られたことを察知したのだ。誘拐疑惑の知らせを受けた慶志は思うところがあり、パーティーに参加していた結以の叔母である霧生京(富田靖子)に電話をかける。嘘の忘れ物の話から京の所在を探る慶志。京はそんな電話を隣にいた夫の霧生忍(神尾佑)と共に訝しむ。慶志と京の間にはパーティーの時からただならぬ空気感が漂っていた。それには八神製薬の“血”が深く関わっている。八神製薬の本来の血筋は創業者で故人の八神恭一(間宮啓行)の娘である京だったが、慶志は恭一に認められ養子縁組をする形で会社を継いだ後継者だったのだ…
そんな慶志の元に、秘書の藤颯太(田中俊介)から『八神結以を返してほしければ今日の18時までに3億円用意しろ』と身代金の要求が届いたことが知らされる。誘拐された結以は、犯人グループによって山間の空き家に運ばれ手錠で拘束されていた。山口は身代金の受け渡し場所に向かって車で出発。目を覚ました結以は「お金が必要なんですか?もし力になれることがあれば……」と犯人たちへの説得を試みるが、斎藤はその言葉を遮り「金じゃない。あんたの父親を苦しめたいだけだ」と返す。その答えに驚きを隠せない結以。その頃、空き家の表にはGPSを追跡してきた万代とセキュリティーガードたちが到着。結以を救うべく突入を開始!不意の出来事に慌てる誘拐犯グループ!斎藤は大介に結以を連れて逃亡することを指示した直後、持病の心臓の発作が起きて倒れてしまう。手錠でつながれたまま車に乗り込む結以と大介。誘拐計画は急きょ中止に…!今さら後戻りできない大介…。結以もまた、人には決して言えない秘密を抱えていて…。
“絶望”から逃れようとする2人は、そのまま逃亡を開始!運命にあらがうように、2人は行く当てもなく自由を求めて走り出す!計画が失敗したのは大介の裏切りだと勘違いして憤る山口、結以が拘束された空き屋に偶然居合わせた従姉弟インフルエンサー・大西真咲(加藤千尋)と大西岬(髙塚大夢)、大介と過去に因縁のある少年捜査課の刑事・小宮山拓(松尾諭)、近くを通る警察車両のサイレンに不敵な笑みを浮かべる謎の女(志田未来)、以前より八神製薬を嗅ぎまわっている週刊誌記者・白木広太(山口馬木也)…。さらに、結以と大介の行く手を阻もうとする者たちが、それぞれに動き始める!!生まれも育ちも正反対、出会うはずのなかった結以と大介。けれどこのめぐり合わせが、2人に関わる人々の運命を変える事になる…!現実を変えようと抗う逃亡の果てに、2人を待ち受ける運命とは――!?
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