真田ピロシキ

キングダム シーズン2の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

キングダム シーズン2(2020年製作のドラマ)
3.8
GoTは権力闘争とゾンビの比率が8:2くらいであったが本作は6:4くらいのドラマと思っていたので、ゾンビ成分が少なめになった時には少し物足りなく感じていたのだが漢陽に乗り込んでからのゾンビパーティーには大満足。人間側の攻撃力が圧倒的に足りないのに相手は全力疾走ゾンビという無理ゲーを地の利を活かしたトラップや囮作戦で打開する戦術的な展開が緊迫感あってゾンビアクションドラマとしての楽しみを十分に提供してくれる。何と言ってもゾンビ君の物量が素晴らしい。服を血で染めた赤い波が生者を呑み込まんと押し寄せるその迫力!

人間パートは悪役であるチョ親子との戦いとなるが、大者オーラを出していた父親の大監は利用した者に足元を掬われ、トドメは侮っていた者に刺されるというますます持ってGoTのタイウィン染ている。そうすると娘の王妃はやっぱりサーセイ?という話なんですが、ある一点で生き汚さもとい死に汚さが上回った。まさしくアレは権力の亡者。決して何者にも玉座を渡しはしないという執念の権化だ。それとチョ一族で気になってたのは憎めないキャラしてる府使様でここは現実は非情に特に見せ場もなく殺されるんじゃないかなと思ってたのだがその辺は結構優しくて、チャン世子が王族キャラでありながら皮肉の全く込められていない真っ当すぎるヒーローしてる事と合わせて原作がそういう作風なのだろう。韓国版GoTと思っていたが本シーズンでは違いがハッキリしてきたように感じた。

それで悪が滅した時点でエピローグみたいな雰囲気だったのでもう完結だと思ったんですよ。私はアメドラのクリフハンガーを繰り返してダラダラ続ける下品な商法が嫌いなので、この短さで終えれる英断は流石韓国ドラマは違うと好印象を抱いていた。なのにねえ。ゾンビを生み出す生死草にはまだ隠された秘密があってという展開は人気が出た漫画の引き伸ばし展開を彷彿とさせて楽しみよりもメンドクサーという思いが強い。続きは多分見るとは思うけれど蛇足にならないと良いなあ。