mimitakoyaki

知ってるワイフのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

知ってるワイフ(2018年製作のドラマ)
4.1
日本でもドラマでやってるみたいですが、そちらは見てないので知りませんが、韓国版はチソンとハンジミンが夫婦役です。

妻ウジンは結婚した頃は可愛かったのに、家事育児のストレスから凶暴になっていって、夫のジュヒョクとの仲も険悪に。
ジュヒョクが初恋の女性ヘウォンと偶然再会したことがきっかけで、ウジンと結婚したことを後悔するようになります。

そんな折、ジュヒョクはウジンと出会った日にタイムスリップし、彼女との出会いを避けてヘウォンと結婚できたのですが、たまたま職場にウジンが異動してきて、ウジンの人柄に惹かれていくという話です。

韓国ドラマを見てると、強すぎる程の家族の絆がよく描かれてますが、家族と言っても大切にされるのは親であり、妻の地位は低くなりがちなんだと思います。

このドラマでも、夫は仕事で残業続きだったり付き合いで飲みに行ったりで毎晩帰りが遅く、妻は働きながらひとりで2人の幼い子どもの世話と家事でてんてこまいです。
共働きなのに家事や育児は妻の役目っていう意識が当たり前にあって、自分は「家族のために働いてるから」を免罪符にしてるんですよね。

過去をやり直したことで、ウジンと結婚相手ではなく別の形で再会し、人柄も良くて仕事もできるウジンの魅力に気付き、結婚してた頃には見ようともしなかったウジンの内面がようやく見えてきて、ウジンを恐ろしい妻にしてしまったのは自分だったのだとようやく気付きます。

根っこには対等な男女関係ではなく男尊女卑があり、ジュヒョクは優しいし女性を見下すような人では全然ないのですが、家事育児は女性の役割だというのが染み付いてるんだと思います。

また夫婦で共に家事も子育てもできるような労働環境にもなくて、これも全く日本と同じですが、日常的な残業に加えて、時間外なのに接待など仕事の付き合いがしょっちゅうあるとか、職場の同僚と仲が良いのは結構な事ですが、家族よりもそちらの付き合いが優先されたりが普通の事としてあるしで、こういう社会的な風潮が女性をワンオペ育児に追い込んでるというのは言えると思います。
飲み歩いとらんと、早よ帰って子どもを風呂に入れて寝かしつけろや!って思いますよね。

もう別の女性と夫婦になってしまったから、ウジンにどんなに惹かれても恋愛する事はできないしで、ジュヒョクも辛い思いをしますが、もう一度夫婦としてやり直して、今度こそちゃんと互いを尊重し幸せになるためにどうすれば良いかが描かれていて、コメディなので楽しく見れるし、とってもおもしろくて良い作品でした。

ただ、ひとつだけ決定的に受け入れ難い点があって、過去を変えた事でウジンと結婚しなくなったので、2人の子どもの存在もなくなるわけです。
そこがめちゃくちゃアッサリと描かれていて、信じられない…という気持ちになりモヤモヤを引きずりました。

そこさえ見なければ、チソンも優しくて誠実でめちゃくちゃ魅力的だし、ハンジミンも明るくて周りの人への気配りもできるとっても素敵な女性を演じてたし、親友であり同僚でもあるジョンフがまた最高で、こんな親友がいたら幸せだろうなと思える魅力がありました。

夫婦の事について、結婚について考えさせられるし、とっても楽しめるドラマでした。

6
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