mimitakoyaki

セックス・エデュケーション シーズン3のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.7
ほんとに愛に溢れた神ドラマ!
登場人物の一人一人が多面的に丁寧に描かれていて、濃厚な人間関係の中で、自分自身を見出し、変わり、成長していく過程が感動的であたたかいのです。

心から好きだと思える人と出会えて最高に幸せと感じていても、別の誰かに惹かれたり、折り合えない事があって、相手を傷つけてしまうけど、それでもいっぱいモヤモヤして悩んで葛藤しながら、自分に正直に、相手にも誠実であろうとする姿がとても愛おしかったです。

家父長制的価値観の塊だったアダムのパパだって、男は強くあるべしと刷り込まれて育ち、弱さや感情を表に出さないようにして生きてきて、人の上に立つ事や従わせる事が強さだと思ってきたけど、その「有害な男らしさ」が自分も周りも傷付けていることに気付き、そこから脱却しようと自分を見つめ直し、人に相談しながら自分を受容できるようになっていくのもとても良かったです。

また今シーズンではノンバイナリー(性自認が男/女に当てはまらない)の子が登場し、男女という2種類しかない社会にある障壁(更衣室とか)や、恋愛における葛藤も描いていて、多様なセクシャリティに触れながら、その当事者視点を知れるようになってるのも素晴らしいです。

好きなところを言い出すとキリがないくらいだけど、アダムが父親に抑圧され「有害な男らしさ」を刷り込まれて、自身がゲイであることを受け入れるのにも相当な葛藤があったけど、それを支えるエリックや、自分を表現する大切さを教えてくれた先生や恋敵のラヒームの存在があって、アダムがどんどん変わっていくのもとても感動しました。

オーティスとメイヴはずっとタイミングがすれ違ってしまってヤキモキするけど、この子達だけじゃなく、性に奔放でやりたい放題に見えても、どの子も繊細でピュアな内面が描かれているのが良いし、ダメなところも過ちも引っくるめて、どの人物の事も肯定的に温かく描いているのが大好きです。

あの管理的な新校長のやり口に対して、ムーアディール高の生徒達は鮮やかに反撃したけど、日本ではあの新校長みたいなのが通常で、「下着は白」とか訳のわからん校則もあって、今はブラック校則に声を上げようと頑張ってる子もいるみたいですが、日本の教育や社会の遅れを痛感させられます。

自分を見つめ大切にし、相手と対話しながら自分と相手のことを知り、自分を表現し、関係を作ることこそ、日本でも子どもたちにちゃんと伝えていって欲しいと思いました。

シーズン4もあるみたいだし、ほんとに楽しみです。

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