なお

おかえりモネのなおのレビュー・感想・評価

おかえりモネ(2021年製作のドラマ)
3.8
NHK2021年度・前期朝ドラ。
多くの人の人生や価値観を大きく変えてしまった、東日本大震災。
いわゆる「3.11」から10年が経過した今だからこそ描くことのできたドラマ。

また、近年の気候変動により、もはや珍しくもなくなってきた「◯年に1度の異常気象」といかに向き合い、共生していくべきかというテーマにも重きを置いた内容だった。

以前、本作と同じく3.11後の宮城県を舞台とする映画作品『護られなかった者たちへ』のレビューにも書いたが、私も宮城県生まれで、かつ2011年に現地で震災を経験した。
また、父が気仙沼生まれ、かつその祖父が気仙沼でマグロ漁船の漁師をしていたということもあり、本作は特別な思い入れが残る作品となった。

そんな自分なので、物語の内容やメッセージ性というよりも、
「宮城が舞台の・宮城で生まれた主人公の朝ドラ」として最後まで見てしまった。

主人公・永浦百音(モネ)を取り巻く人びとが話す、「宮城のことば(方言)」もなんだかすごく懐かしかった。
コロナのアホンダラのせいで、もう2年も故郷に帰れていないせいもあってか、心にジーンとくるものがあった。

宮城県出身の俳優さんが出演していたのも良かった。
モネの母、永浦亜哉子を演じた鈴木京香さん(富谷市出身)始め、サンドウィッチマンのお二人(仙台市出身)、山寺宏一さん(塩竈市出身)など、宮城が生んだスターたちが名を連ねる。
宮城出身でない俳優さんたちも、宮城のことばを習得しようときっと努力されたのだろう。役者ってやっぱりすごい。

モネを演じた清原果耶さんもこれを機に、『あまちゃん』ののんさんのように、たまにでいいので宮城県のことを思い出してくれる俳優さんになってくれたら嬉しい。

天気との出会いが転機となったモネが、完全には癒えることのない震災の傷跡を持った人々の転機となる。
天気と転機。どちらも人間風情にはコントロールできないものであるが、それでもどこかで折り合いをつけて強く生きていく。

モネたちの進む前途は、きっと明るい。
なお

なお