mimitakoyaki

それでも僕らは走り続けるのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

それでも僕らは走り続ける(2020年製作のドラマ)
3.9
大きな盛り上がりはないけど、主人公たちが、人との出会いによって、自分の中に欠落したものや心の傷、諦めなどを癒しゆっくり埋めていきながら、自分の望む人生を生き始めようとするドラマです。

話の噛み合わない天然でズレた感じが上手いイムシワンが主人公のソンギョムを演じていて、いつも自分の事をさて置いて、周りを気遣うばかりで、自分の気持ちを表に出せなかったけど、だんだんと人間味が出てきて、朴訥とした温かさや優しさがとても魅力的でした。

女性に対しても、自分の思いや価値観を押し付けることはないし、相手の意思を聞くのが対等で良かったです。

またミジュ役のシンセギョンがまあ美しいこと。
「新米史官クヘリョン」も大好きでしたが、あの可愛い子ぶらない低い声と話し方が素敵だし、翻訳家として、良い翻訳とはどういうものなのか考えながら、最良の仕事を目指して頑張るところも好きでした。

それに、わたしの好きなイボンリョンさん演じる配給会社社長でミジュの同居人のメイがアセクシャルという設定なのも、ごくさりげなくて自然だし、ミジュとの関係も家族のようで、血のつながりなんてない他人同士なのに、一緒にご飯作ってお酒飲んで、何でも話せて一緒にお出かけもして、安心できるあったかい関係がとても良かったです。

あと、女優であり国会議員の妻でもあるソンギョムの母親が、人生の主人公は自分なんだと言い切り、夫に仕え支える役をキッパリと断るところがカッコ良くて、女優業も忙しくて子ども達に母親らしい事をしてやれなかった事を後悔し、母親としての不出来を思いながらも、それでも自分の天職である女優を誇りを持って続けていくのが良かったです。

それぞれが、自分を縛り付けていたものを少しずつ解きほぐし、自分の人生を模索しながら歩み出すのも、みんな幸せになって欲しいなって応援したくなりました。

44
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