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アイランドのbackpackerのレビュー・感想・評価

アイランド(2005年製作の映画)
3.0
RENOVATIO(リノヴァティオ):再生、復活(ラテン語)

ハリウッドの過剰演出王ことマイケル・ベイ監督のSFサスペンスアクション映画。
例によってFilmarksにあらすじがないので以下に記載。
ーーーー【あらすじ】ーーーー
大気汚染により世界が崩壊した2019年。
一部の選ばれた・救い出された人間だけが、外界から隔絶された高層コロニーで、体調から生活の全てに至るまで、完全な管理の下、清潔極まる生活を送っている。
そんなコロニーの住人たちは、唯一汚染のない理想郷"アイランド"に行くことを夢見て、アイランド行きの抽選に日々一喜一憂していた。

リンカーン・6・エコーは、そんなコロニーの住人の一人。
彼は最近、悪夢にうなされて過ごしている。
ある日、既に絶滅したはずの虫を捕まえたリンカーンは、コロニーへの疑念を深め、虫が飛んできた梯子を登っていく。
そこで彼は、人生の全てを根底からぶち壊す、驚愕の真実を知ることになる……。
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【以下ネタバレあり、ご注意ください】

『トランスフォーマー』シリーズを作り始める前のマイケル・ベイのためか、過剰演出まだ抑えめ。それでも上映時間120分越えとは、さすがベイ!特盛です!!

そもそも、本作までに彼が監督した映画で、120文を切ってる映画って……『バッドボーイズ』だけ!(それも118分ですが)


さて、2019年という"近未来"を描いていた本作、未来像は少し近づいてきたように思えますが、本作の根幹たる〈クローン技術〉については、本作ほど巨大な技術開発が行われているニュースは耳に入っておりません(専門の方、ご教示ください)。

「長生きするためには、古くなった臓器の代わりを移植する必要がある。そのために、自分のクローンを作って、保険とする」というのが、本作のクローン達の基本となる役割(代理出産等の用途もあります)。
(クローン作るより、人工臓器で借金まみれになる『レポゼッション・メン』の方が、幾分リアリティがあるかな?という気もします。)

このようなクローン人間の権利・心・人生を描くという点では、『わたしを離さないで』のような抑制的人間心理のドラマの方が、個人的には好きです。
(『シックスデイ』?知らない子ですねぇ……)

しかし、本作はアクション映画ということで、ジャンルが完全に異なります。
そのため、そもそも同列で語るべきではない、とも考えられますので、他と比較せず、純粋に「SFアクション映画(サスペンス含む)」として楽しむのが吉。
(『シックスデイ』?全然知らない子ですってば)

本作が描き出すコロニー内の未来感は、無機質でクリーンで謎に満ち、大変素晴らしい。
荒野との対比と、ちょっと薄汚い近未来都市の造形も相まり、作品全体の二面性が強調されているのも、なんともカッコいいですね。

ハイウェイでのカーアクションには、『バッドボーイズ』等の過去作と、『トランスフォーマー』等の未来の作品へと続く香りが、随所に感じられました。


まぁ、シナリオの荒っぽさ・大味さ・特盛感は相変わらずで、それに違和感を持ってしまう方には、向いていないかもしれません。

とりあえず、「マイケル・ベイ印の大作映画見るぜ!」という事を忘れずに見ていただくことが、最も重要なポイントです。
カッコ良かったりヘナチョコだったりの、ユアン・マクレガーの愛らしさを二人分味わえるのもポイントですかね。
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