もものけ

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ガイ・リッチー監督が大好きなんです!

ロンドンの下町に住む四人は、互いに貯めた資金を出し合って賭けポーカーで一攫千金を狙っていたが、見事にイカサマにハメられて更に借金まで負ってしまう。
期日まで彼らは、50万ポンドもの大金を返すことは出来るのだろうか…。




感想。
お馴染みガイ・リッチー監督作品キャスト勢揃いで送るクライム・コメディ。

まだデビュー作品であり、練り込まれた脚本と登場人物が多いのに、ひと目で分かるキャラクターの相関図という上手さが冴えてる作品です。
個人的にはキャラクターの凶悪さが内に秘めた印象なので、その後の作品ほど恐ろしさは感じられず、ドタバタ・コメディといった感じの争奪戦。
ウイットに富んだトークも控えめで、下町の哀愁漂うポンコツ達の情けなさが全面に押し出された感がありました。

"2丁の骨董品銃"と"大麻"、"現金"を巡って奪い合う人々が、それぞれ別の思惑から棚ぼたに有りついて、破滅してゆくプロットが非常にまとまりが練り込まれております。

クエンティン・タランティーノ監督ではお馴染みの、三つ巴で全滅する銃撃戦もあって、荒削りな映像と演出ながらもセンスの良さが光ります。

個人的には「スナッチ」が至高の傑作なので、こちらの作品は「スナッチ」の元ネタ的イメージで観ておりますので、ガイ・リッチー監督の才能を知らしめた記念すべき一作目という感じでした。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、銃を構成する全て×2丁分というダジャレのようなタイトル。
これは町で借金回収をするクリスを表しているように思えまして、登場人物全員が騙し合って手に入れても、最後にはクリスの元へ集められる全てというメタファーのように感じます。

ラストの携帯を咥えて片手には銃、片手には命綱である橋。
そのどちらも手には入らないという皮肉にも取れる演出が、なんとも物悲しい現実のロンドン下町という這い上がれない貧困を表しているように思えました。

ガイ・リッチー監督クライム・サスペンス映画四部作の一つに、4点を付けさせていただきました!
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