お巡りさん〜！私が見たかった岡田准一のアクションはこれで〜す！と言わんばかりの汚れ役の潜入捜査官としてヤクザ組織に潜入し、人をバンバン殺していくアクションが堪能できる点では大満足の一作。「検察側の罪人」の木村拓哉もそうだが、やはり、カッコいいジャニーズのアイドルがこうして役者として汚れ役をやる作品はあるほうが良いし、今回も岡田准一自らがアクションをデザインするなど岡田准一こそが日本のアクション映画界を前進させなければならない人物だと改めて思わされた一作だった。その上での坂口健太郎とのブロマンスコンビ芸、中盤で出てくる中島亜梨沙のアクションは良かったと思う。
ただ、やはり原田眞人監督の演出はクセが強すぎた。セリフ回し・画ヅラ・小道具や舞台芸術・編集や劇伴(劇中歌)に至るまでクセの説明をすれば、上映時間を軽く超えるくらいに強い。 グロさ以前に聞き取れない台詞・見えづらい画に耐えきれない、いわゆる監督の作品が苦手な人は今回も乗れないだろう。よりによって、深町秋生原作なのだから尚更だ。「渇き。」の中島哲也といい、こういう系統の映画監督との相性は良いのだろう。
クセがあるとはいえ、役者の意外な使い方は今回も相変わらず上手く、酒向芳などの常連組はもちろんだが、MIYAVIやはんにゃの金田哲といった役者を本業としない人でも重要な位置において浮き足が立っていないのは流石だと思う。東映配給なので実質東映ヤクザ映画の一種になるわけだが、そういう点が味を際立たせたとも思う。杏子や尾上右近、村上淳の使い方も贅沢すぎる。
オチがオチきれてないという不満点もあるが、とにかく、ついに人が血飛沫を上げながら殺めるというリミッターを解除した岡田准一のアクション芸は日本映画の未来のためにも一歩前進です。
