Taka

アバター:ジェームズ・キャメロン3DリマスターのTakaのレビュー・感想・評価

4.3
初公開当時は9歳。父親を連れて近くの映画館で3Dを観たことを今でも覚えている。冒頭、ジェイクが目を覚まして無重力空間(宇宙ステーション)に解き放たれる瞬間の奥行きに「これが3Dか!」と3D初体験の感触を今日、鑑賞して改めて思い出した。

もちろん、4Kリマスター化されたことによって映像は鮮明になったが、そんなことより記憶が鮮明に蘇っていく体験に感動した。リバイバル上映で初見時が映画館ってことが今までなかったから観ていて「あぁ、ここの3D良かったんだよな…」「そうだ、写真にまで奥行き持たせてたっけ…笑」って感慨に耽ていた。

物語自体は数年前に観たときも今もハリウッド版「もののけ姫」だな…とは思ったけど、ジェイクがナヴィのコミュニティに浸透していく中で起こる要所要所の出来事が2時間40分あっても飽きさせないな…と思い、一度コミュニティから拒絶されてもまた信用され戻ってくるって昨今は拒絶されたらそこまでというか、他所者が入って邪魔なことしかしないし良いことないやろ!いい加減にしろ!な映画もある中で民族描写の解像度が高くなくても娯楽映画としてここまでのラストに持っていけるのはキャメロンの手腕だな…とは改めて思った。

「アバター」が公開されたことで3D映画が世界中に普及したものの、純粋に3Dの素晴らしさを伝聞できた映画は本作より右に出たものは今日までなかった。それどころか、それにハリウッドのスタジオや観客も気づき、3D映画はいつしか減少の一途を辿った。そして、2022年。「アバター」の続編が公開されることで人々は改めて3Dの素晴らしさを体感する瞬間は訪れようとしている。エンドロールの途中で挟まれる特別映像からも再び観客を惑星・パンドラの世界へ誘う準備、そして、肝であろう水中、水面描写に力を入れていることが伝わる。唯一懸念点を挙げるとすれば、1ヶ月前に公開される「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」でも同様に水中描写に力を入れており、かつ民族描写においてはおそらくそちらのほうが解像度が高いだろうし、公開前の期待度においても現在のところはこちらに軍配が上がっている状況だ。しかし、「トップガン マーヴェリック」のように映画館だからこそ味わいが増す映画体験は配信サービスの勢いが上がる今でもなお劣えることは全くないことは証明済みだ。「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」が再び、世界中の観客たちを引き寄せる映像体験になることを願い、そして、映像体験として今でもなおパンドラの世界観を作り上げた革新性があることを評価し、この点数とさせていただきます。

<雑文>
IMAXで観たけど、戦闘シーンの轟音からキャメロン監督の戦争映画を観てみたかったな…と思った。もう、キャメロンも70だし、人生長くないから、もう「アバター」シリーズに自らやりたかった要素、全部ぶち込んで欲しい。あと、ミシェル・ロドリゲス姉貴(私は彼女以上に姉貴と呼びたい人を見たことはないです)、最高。
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