Taka

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のTakaのレビュー・感想・評価

4.0
2ヶ月近く遅ればせながら鑑賞。

前作で世界に恐竜を大解放という映画的にワクワクする結末で終わってから早4年。恐竜と人間の共生という問いに明確な答えまでは出せなかったものの、シリーズ3部作、及びパーク含めた6作品の集大成を作り上げようとあらゆるサービス精神を見せた点は娯楽映画としては個人的に要素要素の総合点でワールドシリーズの中でもNo.1かな?とは思う。

というよりも観ながら終始、3部作としての軸、ビジョンがしっかりしてたのは良かったなと感じる。1作目で念願のテーマパークを開園し、客をパニックの渦に巻き込み、2作目でパークは崩壊、恐竜売買という恐ろしいシステムを高貴な屋敷のワンシチュエーションで魅せ、3作目で世界に解放された恐竜たちとの生物パニックものという流れは起承転結としてすごく自然であり、そこにブルーの成長譚や「恐竜と人間の共生」というテーマを持ち込んだ点も個人的にはパークシリーズよりも作品個々の独立性及び3部作の流れとしては完成されたのでそこは評価したい。その3作目が旧キャストの登場といったサービス精神ありきな点やテーマに結論を出せずに2作目からあまり進歩が見られずに風呂敷を畳もうとして150分はいかがなものか?と思うが、3部作に色濃く流れた人間の欲深きエゴ描写、物語が進むにつれて特撮怪獣バトルを彷彿とさせていく恐竜描写はあったので娯楽映画として、ジュラシックシリーズお決まりの展開を万遍なく注いだことは満足はしている。

満足はしているものの、あれだけの上映時間があれば、もっと大都市に恐竜が迷い込んで人々がパニックになるみたいな住民と恐竜の関係性を収めた描写は欲しかった(マルタの闇市場みたいなシーンはもう少し削れたのでは?)。エゴ描写に注力しても良いが、肝心のそうした描写はダイジェスト的に処理されてしまったのは消化不良。なので、今後、そうした人間社会、地球上に恐竜が住むことを描く様々な視点のアイデアを短編映画なりで紡いでいった先にジュラシックシリーズの新たなる方向性が生まれるのではないか?と思う。

まあ、完璧とまでいかなくとも娯楽映画としてはサービス精神満点で満足、同年から開始した同じく3部作の某惑星戦争よりかはビジョンがあり、シリーズ通しての整合性があるのでこの点数。トリロジーを作るならば、今後はこれを基本にするべきとまで言いたいくらいに流れは良かったのだ。

<雑文>
前作の「炎の王国」も本作の「新たなる支配者」もタイトルが回収しきれない邦題なのは宣伝損なのではないか?と思うのだが、明らかに同配給会社のワイスピの予告や内容を掻い摘んで判断するメソッドを活かしてるのだろうと観ながら考える。あれは本国のタイトルがシンプルすぎるからで、どこでもメソッド活かしゃ良いわけじゃないぞ…などと思う。
Taka

Taka