のん

名探偵コナン ハロウィンの花嫁ののんのレビュー・感想・評価

4.2
久々にちゃんと面白い劇場版コナン


漫画原作の劇場アニメとして初の興行収入100億を目指していたのに、『緋色の弾丸』の公開が1年延期になってるうちに『鬼滅の刃 無限列車編』に記録を全部奪われてしまうという不遇すぎる劇場版コナンだが、25作目となる本作は、これまでのどの劇場版よりも原作とディープに関わる密度の濃い作品だ。

20年前の原作およびアニメでは二つ折りの携帯で萩原の携帯にメールを送っていた松田陣平がなぜか映画ではしれっとスマホをつついていたりと、なにげに整合性が取れなくなっているあたりに長期連載漫画の限界を感じて微笑ましくなる。

とはいえミステリー要素をほっぽってポリティカルサスペンスな展開をアクションでゴリ押ししていくスタイルの櫻井武晴の脚本と比較すると、ミステリー要素をきちんと軸に据えて、各キャラクターの見せ場も均等に作っている大倉崇裕のほうが、少なくとも現段階ではコナンの本質をよく捉えている。

20年振りくらいにボーカル入りのあの曲がクライマックスに流れるなど、きちんとファンが喜ぶ見せ場も盛り込みつつ、また大野雄二を引き継いだ菅野祐悟の劇伴もメリハリがありよかった。

出てきた瞬間「あ、犯人こいつだろ」とわかってしまう部分はあるが、個人的にはひさしぶりにきちんとコナン映画を楽しめた。

さてさて26弾。13が関連する数字ということで次回は…。
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