わかめ昆布

バブルのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

バブル(2022年製作の映画)
3.2
オープニングからなんだか懐かしい雰囲気が漂っていたが、ラストの締め方含めて一時代前のセカイ系っぽいと感じた。
音楽からも昔の好きな時代のアニメ作品の空気が漂ってた。ノスタルジー…

映像は本当に丁寧に気合い入れて作られていて、そこに関しては文句の付けようが無い。
スクリーンで観たら更に美しくなるんだろうなと。スクリーン映えしそう。

ただ…製作陣が豪華なので、ストーリー面で期待値高めの人が多いと思うのですが、そこは見事に裏切られることになりそう。
主人公のキャラに多様性があったのは現代っぽいし王道ヒーロー的じゃなくて良いなと思ったが、イマイチノれないストーリー展開。
映像が完成度高いのに、なぜこんなに話に入り込めないのか…と困惑した。
ワンクールアニメとして観たら充分楽しいけど、映画と意気込んで観るとうーん…?
表現が観念的だからストーリーで導いていこうという気持ちが希薄。
考えるより感じろな世界観。

アクションはスピード感や疾走感があり、だからこそそこばかり気合が入り肝心の脚本は置き去りな雰囲気。アクションにはプライドを感じるが、セカイ系な空気と噛み合わないし、このシーンを魅せたいばかりに感じる。

【ここから微妙にネタバレなので未鑑賞の方は読まないでください↓】

終わらせ方がまさに昔のアニメの域を出ず、少しアップデートが必要な気がした。
あんなラストにしといて、エンディング曲のじゃあねまたね♫はサイコパス過ぎて焦る。
サラッとキャラクターを殺して、その後死から学びを得て強く生きていく人々…!みたいなあるあるな流れが苦手で重みを感じない。
不条理なラストも好きだけど、ちゃんと血の通った真摯な流れにしてほしい。ここを軽薄にすると作品に対する信頼度が急降下する。

ひたすらにアニメーションは美しくて素晴らしかった!終始映像に愛情を持って作られてるのが伝わってきた画面だったから、ラストとストーリー展開がもっと洗練されたら…!と非常にもどかしい気持ちになりました。
映像美堪能したい人なら、スクリーンで観るの一択!
わかめ昆布

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