わかめ昆布

リアリティのダンスのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

リアリティのダンス(2013年製作の映画)
3.9
ここまでアートで美しく、かつシュールでカオスに、自分の半生を描けるのって天才的だな。

容赦なく人は死に、嘲笑され、殴られて…マジでボロボロだけれど、"生"に常に全力で向き合う人ばかりで、胸を打たれるし、全力過ぎて、たまに笑える。

そんなガチな生き様でありつつ、絵本の様な世界観なので、ページを捲る感じで次はどうなる?とワクワク。
不思議な気持ちを保ちながら、
最後まで興味深く楽しめた。

色の組み合わせも本当に素敵。
ホドロフスキーの膜を通して観られる世界の、摩訶不思議なファンタジーさはクセになりそう。

父が"兄弟"と椅子を磨くシーンからの
教会でイスを持ち上げて、心の底から幸せそうに歌う人達の流れの多幸感が、最高だった。

豊満な女性たちが魅力的なのも良い。
女性みんな敬意を持って神秘的に描かれてる。
勇敢で寛大でユーモア溢れまくりの素晴らしいママには、惚れました…好き。ダイナミック放尿もすんなり受け入れてしまった。

根本が演劇人なホドロフスキーだからこそ、芸術をずっと眺めている気分で目が愉しい。

ラストの詩に惹かれ、その場面だけ何回も観た。
エンドレス・ポエトリーもう一回観たくなったな〜!
わかめ昆布

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