わかめ昆布

ロストパラダイス・イン・トーキョーのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

3.8
B級的雰囲気だからこそ作り出せた、
"アイランド"程の小さい世界観だけれど、でもあたたかくて、何処か笑えて、胸がキュッとなる、カワイイ作品でした。

内田慈 さん演じる "まりん"が主人公の生活に入り込んで来ることによって、それまで超現実だったリアルから、一枚膜が張られた空気感に包まれていく。
だからこそ、紆余曲折ありつつラストがファンタジーよりだったのにも、納得。

マリンというよりマリア様みが深すぎた。

徐々にファンタジーみが増してくる三人の関係が、微笑ましくて、幸せ。

天使にしか見えなくなってくるマリンの力で、あたたかく優しく、光が入っていく。

三人でダンス踊るシーンの、美しさとあたたかさには、思わず自然と涙が…

セックスシーンの慈愛に満たされる雰囲気もステキだった。映画のセックスシーンの中で、上位に入るくらい自然な魅せ方で、好き。

マジでこのままで終わらせるな、頼む…と画面に念を送りつつラストを待ったが、そこは流石の白石監督でした。

こういう作風の映画は他にもあれど、なかなかに良い終わらせ方で、安心してなんだか嬉しくて、また泣けた。

ドキュメンタリー大好きだからこそ、スタッフのヤバイ描かれ方は気になった。
酷すぎて呆然とした。これから少し違う見方も加えてドキュメンタリー観る事になりそう。

アキバについては、その当時の禍々しい、カオスで何でも違和感なく馴染む、その雰囲気がうまく切り取られていた気がした。

お兄ちゃん役の演技も良くて、気持ち掴まれた。
わかめ昆布

わかめ昆布