とりん

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツのとりんのレビュー・感想・評価

4.2
2023年18本目

"そして僕たちは大人になった"という言葉がふさわしい作品。決してこんなセリフはないけれど。
世界的ベストセラーの実写化で大ヒットシリーズであるハリーポッターの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の公開20周年を迎えて作られたドキュメンタリー作品。
主要キャストやスタッフたちがホグワーツなど魔法界の世界観のセットに再び帰ってきて、映画の本編やメイキングを交えながらのインタビュー、座談会が行われた映像である。
ハリーポッターシリーズは好きなシリーズのひとつではあるけれど、特別大好きというものでもない。でも思い入れは少なからずあると思う。俳優の名前とか意識してしっかり覚え出したのもこの頃だし、何より自分と同世代の子たちが憧れたファンタジーの世界で暮らし、活躍する物語というのはとても夢があるし、勇気や元気ももらえた。
特に1,2作目は何度も観たし、後半も観返した作品は多い。あまり受け入れられなかった作品もあるけれど、それでも改めて振り返ってみると、あの時代によく企画を打ち立てて、ここまで映像化できたよなって素直に感心を抱いてしまう。
本作で語られるキャストたちのインタビューや座談会にあがる言葉の節々に、作品への並々ならぬ愛や思い入れの強さを感じる。それもそのはず、ハリーたち演じた子役たちは一番多感な10代全てをこの作品に注いでいるのだから。やはり特にハリー役のダニエル・ラドクリフ、ロン役のルパート・グリント、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンの3人の絆の深さを改めて知ることができたのはとても良かった。
これだけのものを見せられると同世代の自分にとってはとてつもなくくるものがあるし、なんなら本編よりも感動したかもしれない。それほどこのドキュメンタリーは観る価値があったし、青春時代=ハリー・ポッターとも言える彼らの愛ある言葉たちを強く受け止めることができた。
今思えば子どもたちの周りを固めた大人の俳優陣もとてつもなく豪華だったし、当時自分も子どもだったからそこまで意識したなかったよ。ヘレナ・ボナム・カーターは知ってたけど。ダニエルが恋心抱いてたのも面白かった。シリウスがゲイリー・オールドマンだったのが一番衝撃なんだけど。
このドキュメンタリーで全作品の監督がちゃんと出てくるところも素晴らしいし、俳優陣がしっかりそれぞれの監督の良いところを捉えて、想い出も語っているのが非常に印象的。他にも美術担当の方の名前があがったりというのも。
どの俳優さんも並々ならぬ想いはあるけれど、やはり誰よりも強い愛を感じたのはエマ・ワトソン。降板するかもなんて報道もあったほど、当時は悩んでいた時期もあったし、シリーズが終わった後は燃え尽き症候群で俳優を止めるとも言っていた。それほど強い想いを持っていた彼女の口から語られる言葉はより刺さるものがあった。俳優陣や製作陣はそれぞれが本当に強い絆で結ばれているのがわかったし、家族のようなつながりだったんだなと知ることができた。
またシリーズを観返したくなったし、その上で再度この作品を観てまた浸りたいところだ。
とりん

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