Jaya

ナイロンのクリスマスツリーのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

やっとトビリシから出発したバスの中の人たちのわちゃわちゃした様子を描いた不条理密室劇映画。ジョージアのクリスマスは新年のあとらしい。

風刺的に描かれるバスと人々。停滞著しいバスの中、行く先も判然とせず、苛立ち衝突する人々。しかし不条理の色が上手く描き出されているようには感じず、会話の不成立があざとかったです。中盤は教条的にも感じて眠い。ケタケタ笑う女の声は単純に不快でした。

陳腐な劇伴や、山賊みたいなシュールな装置は面白かったです。追い出される道具がタバコとは芸がない。最後に落伍者を拾いに行く合意形成がなされ、仮初のクリスマスツリー、という流れも楽観に過ぎてイマイチでした。

映画というよりも舞台劇の雰囲気がかなり強く、もう少し愛すべき人や諧謔があればもっと面白かったんだろうなあと感じた作品でした。
Jaya

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