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ザリガニの鳴くところのYYamadaのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.5
【ミステリー映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 作中の謎を推察
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
ザリガニの鳴くところ (2022)
◆ミステリーの要素:
 死亡事件の全容解明にて明らかになる
 孤独な少女の半生

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ノースカロライナ州の湿地帯で、将来有望な金持ちの青年が変死体となって発見された。犯人として疑われたのは「ザリガニが鳴く」と言われる湿地帯で育った無垢な少女カイア。彼女は6歳の時に両親に捨てられて以来、学校へも通わずに湿地の自然から生きる術を学び、たった1人で生き抜いてきた。
・そんなカイアの世界に迷い込んだ心優しい青年との出会いが、彼女の運命を大きく変えることになる。カイアは法廷で、自身の半生について語り始める…。
〈見処〉
①事件の真相は、初恋の中に
 沈んでいる——
・『ザリガニの鳴くところ』は2022年に公開された文芸ミステリー。
・本作は、米国では2019-2020年の2年連続で最も売れ、日本でも2021年に本屋大賞翻訳小説部門で1位に輝くなど全世界で累計1500万部を売り上げたディーリア・オーエンズの同名ミステリー小説を映画化したもの。
・監督は女流映像クリエイターのオリヴィア・ニューマン、製作は女優のリース・ウィザースプーンが手がけ、音楽は『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』でアカデミー作曲賞を受賞したマイケル・ダナ。テイラー・スウィフトが本作のためのオリジナルソングを書き下ろしたことでも話題を集めた。
・主演は、ドラマ『ふつうの人々』で注目を集めたデイジー・エドガー=ジョーンズ。

②結び…本作の見処は?
期待感は高かったが…少々拍子抜け!?
◎: 差別と偏見が色濃く残る60年代のアメリカ南部に置かれた、主人公カイヤの閉め苦しいほどの孤独感が描かれ、非常に没入感の高い作品として仕上がっている。
▲: とはいえ、長期にわたる数奇な人生を描く作品としては『きみに読む物語』や『ベンジャミン・バトン』のほうが数段上。主人公カイヤには同情はするが、共感は抱けない。キスシーンが多すぎるかな。
✕: ミステリーとしても、「本作の結末をどのように思うかは鑑賞者の判断」と思わせ振りなラストシーンとしながらも、そもそも作中では、有罪/無罪を左右するような論点描写がなく「どんでん返されない」作品といえる。
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