YYamada

アイアンクローのYYamadaのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.6
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ
◆作品名:
アイアンクロー (2023)
◆主人公のポジション
「呪われた一家」を背負う
 次男プロレスラー
◆該当する人間感情
 家族愛、嫉妬、絶望

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1980年代初頭、元AWA世界ヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリックに育てられたケビン、デビッド、ケリー、マイクの兄弟は、父の教えに従いプロレスラーとしてデビューし、プロレス界の頂点を目指していた。
・しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けた三男のデビッドが、日本でのプロレスツアー中に急死したことを皮切りに、フォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われ、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになっていく…。

〈見処〉
①人生をかけて闘え——
・『アイアンクロー』は、2023年に製作された人間ドラマ映画。配給は、A24(米国)&キノフィルムズ(日本)のスベラナイ両社が務めている。
・日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、プロレスの道を歩むことになった兄弟の実話をベースに描いたドラマ。
・次男ケビン役をザック・エフロンが務め、三男デビッド役を『逆転のトライアングル』のハリス・ディキンソン、四男ケリー役を配信ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』で第80回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞したジェレミー・アレン・ホワイトがそれぞれ演じた。
・米プロレス団体AEWのマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンが製作総指揮、元WWE王者のチャボ・ゲレロ・Jr.がプロレスシーンのコーディネーターを務め、それぞれレスラー役で劇中にも登場。監督は『不都合な理想の夫婦』のショーン・ダーキン。

②本当は6人
・史実に基づく本作ストーリーであるが、日本のプロレスファンでも知名度の高いフォン・エリック家は、史実では「6人兄弟」。
・本作では、六男クリスのエピソードを五男マイクに置き換え「五人兄弟」として本作は描かれているが、これは「クリスが他の兄弟との年齢差があり、兄弟の青春ストーリーに登場させづらい」「6人分の悲劇を描くと多くの観客の心が耐えられない」が真実であるようだ。

③結び…本作の見処は?
◎: 本作の撮影はデジタルではなくフィルムで行われ、80年代の空気を見事に映し出した映像美は「子供のときに見た風景!」
○: 鶴田、天龍、藤波らと対峙した「日本遠征」は描かれていないのは残念であるが、ブルーザー・ブロディ、ハリー・レイス、テリー・ゴディ属するファビュラス・フリーバーズ、そしてリック・フレアー…。世界を股にかけたレジェンドレスラーが「似ている/似てない」は別として、その姿を目撃出来るのは、往年のプロレスファンにはたまらない。
○: 「本当にザック・エフロン!?」筋肉竜骨なその姿は『ハイスクール・ミュージカル』の爽やかな高校生のイメージが消え失せ、彼の凄まじいプロ意識の高さを垣間見れる。
▲: エリック一家をアンサンブルに描いた秀作であるが、何故ゆえに彼らがもがき苦しんでいるのかの描写が希薄で、感情移入がし辛い。
▲:作品後半はとにかく暗い。また、スポーツ映画の多くに見られる選手権試合に対する胸の高鳴りは、感じられない。

全体的に批判的な感想となってしまったが、80年代にプロレスを見ていたファンならば、誰もが知っている史実を描いてくれて、ありがとう!
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